Aerodynamik - 航空力学

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拉致被害者の家族帰国におめでとうと思ったりしていたが、下の記事をみてちょっと微妙なことにようやく気づいた。


帰国は16日に「命令」と、地村さんの長女明かす
http://www.asahi.com/national/update/0524/024.html

帰国する6日前の16日、長女が当局者から「お母さんの所に帰りなさい」と言われた。長女は「帰りたくない」と拒否したが、今度は「命令だ」として、強制的に日本行きを指示されたという。

両親は拉致されてずっと北朝鮮にいたわけだが、その子供たちは普通に北朝鮮に生まれ、両親が日本人と知らされずに、日本敵視教育の中で育ち、普通に北朝鮮人として北朝鮮に生活し学校に通っている人たちだ。


親には親の事情があるかもしれないけど、自分たちは北朝鮮人として育ったのだし、北朝鮮での生活・環境・友人、そういったものを全て捨てられない、いきなり言葉も分からない親の故郷へ行けといわれても、親と離れて暮らしてでも「故郷」に残りたいと思っての率直な「帰りたくない」発言なのだろう。



少し前のニュースで、両親が不法入国して日本で働いているうちに子供ができ、そのまま子供は日本人と同様に日本語を話し日本の学校に通い、日本の社会で生きてきた、ところが子供が成長してから両親に摘発が入り、家族ごと強制送還させられるというニュースが流れていた。


子供たちはやはり自分たちを日本人だといい、言葉も分からない本国に行くことを泣いて拒んだ。子供たちを本国(両親にとっての本国)に強制送還するのは人道的に酷すぎるのではないかという支援団体もいた。



もちろんこの事は単純に比較できる話ではない。
結果としてどうするのが当人たちにとって幸せかという話もある。

ただ、生みの親より育ての親というように、どこが本当の祖国かなんてことよりも、育った環境が祖国なんだろうなと、「今現在」の拉致被害者の子供たちのとまどう気持ちをふと考えさせられた。