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Aerodynamik - 航空力学

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我々は初音ミクが新たな次元へシフトする瞬間を目にすることができるだろうか

music


VOCALOID2 HATSUNE MIKU

VOCALOID2 HATSUNE MIKU


なんだか最近初音ミク音源ばかり聴いているような気がする。


何のことはない、ヴォーカロイド的なものは高価ながら昔からあったし、テキスト読み上げソフトにラップさせる曲はいくつもあったのだが。


声優とキャラクターの萌え的要素だけで、ツールとしての敷居がここまで下がり、ミュージシャンだけでない、DTMの経験すらない、普通の人たちがそれを手にして色々と遊び始める光景。
それは、80年代当初はとても高価で、プロのミュージシャンにしか手の届かない存在であったリズムマシンサンプラーが、80年代後半には中古のジャンク品としてシカゴやデトロイトの黒人たちの手に渡り、当初想定されていなかった奇妙な使い方をされていく過程を連想せずにはいられないのだ。


ニコ動での初音ミクは、「人間の代替」として「歌を歌わせる」という時期を過ぎて、今は面白音源として、ゲームミュージックなどをSE込みで演奏させたりといった使われ方が目立ってきた。
シンセサイザーが、世に出始めた当初は、既存の楽器の模倣や、変わった音を出すSE的道具として見られていたのと同じ過程をたどっている。




既存の楽器音を取り込んで演奏されていたサンプラーが、工場の音を取り込んでそれをリズムとして鳴らした瞬間。
ベース用音源として売られていたTB-303が、奇妙なトランス音発生装置として再発見された瞬間。
レコード再生装置であったターンテーブルが、スクラッチの発見によって楽器として生まれ変わった瞬間。


初音ミクにも、きっとその瞬間がある。
人間のように歌うツール、その壁を越える瞬間がきっと来る。


初音ミクさえあればもう歌手はいらない」「Perfume涙目」なんて次元じゃない。
それは今の自分たちには想像もできない世界なのだ。




その瞬間を目にしたくて、僕はまたニコ動にアクセスする。



1980年、NHK YMO in 写楽祭より、アナウンサーの締めの言葉を。

今回私ずっと初めからこのサウンドを聴いていてですね、感じたことは、
音を作り出す人も、そしてそれを聴く若者たちも、なにか、コンピューターとの新しい付き合い方を、直感的に模索しているんじゃないか、そんな気がしました。