Aerodynamik - 航空力学

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Perfume 080212AXレポート@朝日新聞夕刊 080218

懐かしさと新しさ融合


決して楽とはいえない現状の女性アイドル稼業であるが、その中でもこのところ注目度上昇し続けの3人組パフュームのステージは、ひたむきさが和やかさを高める独自の雰囲気がかもし出され、楽しいものだった。


一見いまどきの若い男が集った観客もよく見るとバラエティーが実に豊かだ。ドレッドヘアにモヒカン刈り、スキンヘッド、テクノカットお兄系からヒップホップ系、当然アキバ系、至極真面目な高校生風、音楽業界風、会社帰り新人社員風、ロマンスグレーのおじさままでいる。10代と思しき女性の2人組も少なくない。中心は蛮声だが、女性の声援もかなり混在している。


全曲カラオケで、美しいライティングとセンターのビデオスクリーンに映る映像がスッキリ見やすく、3人の動きとのバランスも良好。軽いテクノポップ風の楽曲は80年代前半の色合いが見事に引き出されて、昔を知るものには懐かしさと新しさが融合したものに聴こえるが、昔の感覚のパロディーという感じはしない。
3人の動きは細かく、かなり正確に振り付けをこなしていると思えるのだが、難しいことを簡単にやっているように見せることを目指しているというだけあって、どの踊りもきちんと身に着いている。結成から約7年、メジャーデビューから3年というキャリアは、時に自虐ギャグのネタになる。が、その耐久性あればこそだろう、観客の反応はほのぼのしつつ、熱いものだった。


出身地広島を強く印象付ける、広島弁コッテリの西脇綾香のMCはとりわけ面白い。客いじりも上々で、テンポ、間の取り方もうまく、タレント性はかなり高い。3人それぞれのキャラクターの違いが生かされ、長時間のステージでもダレる事が全く無かった。


基本はエレクトロニクスだが、テクノポップだけではなく、ハウス系、エレクトロニカ風など音楽的にも多彩な展開を見せる。サウンドプロデュースの中田ヤスタカの才能を改めて、大音量で体感することもできた。

今更だけど折角起こしたので載せておく。
幻の名盤解放同盟」でお馴染み湯浅学によるレポート。


客層、曲調、ダンス、芸暦、トーク、ヤスタカ。
素晴らしい見事なまでのまとめ感。