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初期Perfumeを支えた作詞家「木の子」 スペシャルトークイベントまとめ

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初期Perfumeの作詞を一手に引き受けてきた、ネガティブポジティブ・メンヘルメルヘン、稀代の作詞家「木の子」氏が阿佐ヶ谷に姿を現した!


木の子氏をスペシャルゲストに迎えて行われた、「Perfumeワンマンライブ『ディスコ!ディスコ!ディスコ!』記念前夜祭 非公式ファントークイベント」@阿佐ヶ谷ロフト 090508より、第2部の内容を、自分がメモった範囲でざっとまとめ。実際の会話の流れではなく、読みやすいように内容でまとめています。生で見た木の子先生は、以前の「パ×6Perfume」出演時の時とは印象が異なり、とてもかわいらしくチャーミングで、よく話す聡明な方でした。「付き合うとめんどくさいタイプ」、とは本人と掟ポルシェ談。



中田ヤスタカとのユニット「Sync⇔Sync」について

  • Sync⇔Syncは楽曲制作のみで、ライブ、CDリリースは無し。出回っている音源はWebでダイジェストを配信していたもののみ。
  • 二人が通っていた東京の音楽機械関連の専門学校での課題として、共同で楽曲を制作したのがSync⇔Sync結成のきっかけ。

Perfumeとの仕事

  • AmuseからYAMAHAを通し、Sync⇔SyncにPerfume楽曲制作依頼が来た。Sync⇔Syncから厳選した3曲を持って行ったが、「かっこよすぎる」としてNGが出された。曲名は記憶になし。
  • 最初にSync⇔SyncがPerfumeに提供したのは「モノクロ」。当時はヤスタカスタジオではなくYAMAHAの大きいスタジオで音撮りをしている。仮歌は木の子氏。
  • ヤスタカ同様に、アイドル歌謡的な歌詞という制限を意識しない作詞を行った。
  • 「ビタミンドロップ」は初めから「伝説のスタフィー3」(テレ東おはすたエンディングテーマ)タイアップとして制作。ビタミンドロップを連呼するためドロップの宣伝のように聴こえると、TV局側から修正指示があったため、抵抗したが泣く泣く後半を「ナキムシドロップ」に変更。YAMAHAスタッフが取り成してくれて修正はここだけで済んだ。
  • 「カウンター」はポジティブな曲をと発注された。(結果はご存知のとおり)
  • Perfume」(楽曲の方)はあ〜ちゃんから、ライブ用のPerfumeのテーマをと依頼された。全部で4曲分制作。
  • 「レシピ」で最後の「ひとつだけ」をライブ限定で「ひとりだけ」と歌うようにしてもらった。

中田ヤスタカについて

  • ヤスタカは職人というよりビジネスマン。作品の売りを分かっている。メロディーラインを掴んで適切な言葉を選ぶセンスが天才肌。
  • ヤスタカは自分が好き。自分の作るものに自信があるという部分を尊敬している。

「ジューシー・フレグランス」の謎

  • 「ジューシー・フレグランス」はヤスタカが消してしまったと思う。(注:ラジオなどではサンプリング問題などの発言もあり、この辺りは諸説ありはっきりしない。)ヤスタカは、機材を更新した際にデータ移行も面倒だからと行わなかったりするくらい過去の楽曲にこだわりはない。
  • 「ジューシーフレグランス」歌詞初公開。(メモれなかったけど、傷・痛みと、木の子節全開)
  • 「ジューシーフレグランス」はマイナー調の曲。オケは存在している。

作詞について

  • 作詞のベースとなるものは自身の恋愛体験や生活の中で感じた事。
  • 楽曲制作は曲先行、後から歌詞を書く。
  • Perfumeに渡される歌詞の原稿には、譜割や歌詞の解説が記述されている。

ヤスタカの詞について

  • ヤスタカは制作の全てを手がけたい人だから、歌詞も手がけていきたかったのではないか。
  • 最近のPerfumeの曲は聴いていないので(徳間からも届かない)、歌詞の内容は分からない。
  • ヤスタカが最初に手がけた作詞は「シティ」ではなく「Wonder2」。

木の子氏について

  • 現在は、デザイン関連を経て、建築関連の仕事をしている。
  • テレビは見ない、CDもあまり買わない。情報源はネットだけの引きこもり。
  • 花見に一緒に行った友人に、「最近Perfumeに興味があるんだけど、Perfumeって知ってる?」と尋ねられた。
  • 久しぶりにアクターズ広島のユニットであるリトミックMotion Melody」の作詞を手がけたが、現時点で次の依頼は無い。(リトミックの楽曲はゲームミュージック制作者が担当。「3人合わせて」の自己紹介まで一緒。Perfumeと全く同じ事をやってどうする・・・)
  • 最近はエレクトロニカを聴いている。
  • 作詞をするなら、メロディーが素敵な人に書きたい。
  • 話してみたい人は、Plus-Tech Squeeze Box、Hi-Posi、蔦谷好位置
  • 最近買ったCDは、東川亜希子のもの。以前持っていたが失くしたので買いなおした。
  • ライブはほとんど行かない。7、8年前にJungle Smileのライブに行ったきり。
  • 音楽的ルーツは、TRFが流行っていた頃のTowa Tei。鄭経由でDeee-Lite(木の子先生お気に入りのキノコジャケ。)、そしてHi-Posi。Hi-Posiは「重力をなくして」の歌詞が凄い。どうしてあんな歌詞が書けるのだろう。お勧め。
  • 初めて買ったCDは、大内義昭/藤谷美和子「愛が生まれた日」。
  • 「言葉の暴力」というハードな表現に耐えられなかったオタの「アイドルに変な歌を歌わすな」批判をネット(はてな?との掟の突っ込み)で見た事がある。2chは見ていない。
  • Perfumeとの付き合いはライブの楽屋挨拶、たまに食事程度。古いスタッフとは面識がある程度。ヤスタカはもう雲の上の人。たまたま先日地下鉄でポスター(pino?)を見つけてヤスタカにメールをしたが、返事は無かった。

Perfumeについて

  • かしゆかのメンタル面が心配。ステージに立っていても、「自分でいいのだろうか」と今でも考えてしまうらしい。(それは残り二人が大物過ぎるから、と掟のフォロー)
  • Perfumeでの仕事の中で最も気に入っているのは「コンピュータードライビング」。
  • Perfumeのワンマンライブにはしばしば顔を出している。武道館でファンに気づかれたが、「違います」と返した。

以上。肝心の歌詞解釈については自分はあまり興味が無いポイントだったのでメモらず。きっと誰かが書いてくれるでしょう。
id:meeeresさんのレポをどうぞ。http://d.hatena.ne.jp/meeeres/20090509/1241848376




個人的な疑問。ライブもCD音源もない状態のSync⇔Syncに対して、何故AmuseはPerfume楽曲の制作を依頼したのだろうか。テクノポップ路線を狙ってそれ系の作家を探していたときに、YAMAHA中脇氏が間を取り持ったのだろうか。そもそもPerfume上京時に、今度は通常のアイドル歌謡ではなく「テクノポップ歌謡」で行く、という事が、どのような経緯を経て決められたのだろうか。その辺の事情を知りたい。
あと、「イミテーション」「カウンター」はヤスタカ作詞でJASRAC登録されているのは何故なのか。




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