Aerodynamik - 航空力学

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Perfumeファンクラブ会員限定ライブハウスツアーにおけるチケット発行方式を考える


来春10ヶ所以上を回ると宣言されたファンクラブ会員限定ツアーだが、ライブハウスのキャパシティを考えると、都内近郊のファンはそう簡単にはチケットを入手できない可能性が高い。したがって、PTAに大量の枠で加入している転売業者が跋扈し、チケットを大量入手しオークションで高値でそれらを捌く可能性が浮上する。それらを排除し、純粋にファンのみがチケットを手にするには、どのようなシステムが導入されるべきなのだろうか。


過去に、Perfumeは一度だけファンクラブ会員限定イベントを開催している。リキッドルーム恵比寿で行われたそれは、PTA会員である事の確認も、応募した本人である確認も、何も行われない、完全なザル方式であった。ファンクラブが創設されてすぐの事であったため、それほど不満は叫ばれなかったが、現在ではまるで事情が異なる。同じことをやられたのでは、転売業者の格好の的となるだろう。




Perfumeファンには、過去に対バン経験のあるマキシマム ザ ホルモン方式がよく知られている。

  • 1人1枚のみ購入可能
  • チケット券面に購入者の氏名を印字
  • 入場時にはチケット券面と身分証明書による本人確認
  • チケット購入後の譲渡不可。払い戻し不可。


完璧である。友人や家族を呼ぶことは出来ないし、当人が仕事の都合で行けなくなっても他のファンに譲渡する事もできないが、転売業者を完全に排除することができ、当選率も格段に上がったと聞く。


http://natalie.mu/news/show/id/12853

マキシマムザ亮君は「そもそもバンド側はね、ダフ屋や転売者が出たからといって利益がマイナスになることはないんですよ。では、なぜホルモンはダフ屋と戦うのか?それは本当にライブが見たい腹ペコたちが、チケットを定価で平等に買えるようにしたいからです!」とコメント。

たとえ転売業者であってもチケットが購入されれば興行側に損はでないのだが、その気持ちが嬉しい。




Perfumeの取るであろう方式を考えるに当たって参考になるのが、同じAmuse事務所に所属するポルノグラフィティだろう。

  • 1人1枚のみ購入可能
  • チケットに購入者の氏名を印字
  • 入場時にはチケット券面と写真付き身分証明書による本人確認
  • チケット購入後の譲渡不可。払い戻し不可。


ポルノもホルモンと同レベルの制限を設けている。おそらくは、Perfumeもこの方式が導入されるのではないだろうか。




しかし、この方式では、ファンであるけれども金銭上の問題から有料ファンクラブ会員になる事が出来ない人、例えばファンの家族などを呼ぶ事は出来ない。また、譲渡が不可であるため、都合が悪くなっても他のファンに譲渡する事も出来ない。それらを解決し、なおかつ転売業者を完全に排除するシステムを導入しているのが、コブクロである。


コブクロの導入しているシステムは、専用解説ページ*1が設けられるほどに、非常に複雑である。チケット発行には、exiciteが行っているEMTG(エンターテイメントミュージックチケットガード)というサービスが利用されている。この有料サービスにファンが加入すると、顔写真入りカードが発行され、これが身分証明書の代わりとなる。


コブクロ一次先行応募は、「EMTG加入者、かつ有料Webファンクラブ会員」のみが応募可能である。家族や友人を招きたい場合、あらかじめ「同行者」として指定しなければならず、なおかつ同行者もEMTGに加入していることが前提である。また、同行者になれる回数も2回までという制限があるため、複数のファンの同行者として何回も応募する事も出来ない。チケットにはQRコードが印刷され、入場時に各自の持つEMTGカードにて本人確認を行う。顔写真が付いているので、他人のカードを使用することも出来ない。


二次先行は「EMTG加入者」であれば有料Webファンクラブ会員でなくとも応募可能であるが、ここでも同行者はEMTG加入者限定であり、なおかつ応募回数制限が付く。


三次先行で、「EMTG加入者、かつ有料Webファンクラブ会員」はようやく「一般の友人一人のみ」を同行者として登録可能となる。しかし同行者は氏名・住所を応募時に登録し、当選した場合はその情報がチケットに印刷され、入場時に身分証明書にて本人である事を証明しなければならない。また、この場合の応募可能回数はたった1回のみである。


これらとは別に、人気の集中するツアーファイナル公演は、「EMTG加入者、かつ有料Webファンクラブ会員」限定の応募となり、同行者として当選すると、応募者として落選するなど、重複当選が出来ない仕組みとなっている。




コブクロのシステムは、全くもって業者の入る隙がなく、なおかつファンクラブ会員でない家族や友人も呼ぶことが可能である。さらに素晴らしいのは、このEMTGサービスにはチケットのトレードシステムが備わっており、チケットを手にしても都合で参加できなくなった場合、定価で安全に他のファンに譲渡する事も可能である点である。mixiなどで多発したトレード詐欺も排除できるのだ。


興行側にメリットがないのに、ここまでのレベルを導入するのは難しいであろう。しかし、本当のファンだけが平等に定価でチケットを手にする事が出来ることは、とても素晴らしい事だ。ぜひAmuseにも検討していただきたい。