Aerodynamik - 航空力学

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観覧記録 Esplendor Geometrico@六本木Super Deluxe



  • 100605 Esplendor Geometrico Live in Tokyo 2010@六本木Super Deluxe


80年から活動している、スペインのインダストリアル・ノイズバンド、Esplendor Geometrico。ハードな金属音のミニマルサウンドで、テクノ、特にAutechreなどのIDM系に多大な影響を与えている圧倒的に素晴らしいバンドだ。しかし、なにせスペインのバンドで、またこの手の音源にありがちな限定生産ばかりが多く、CDもほとんど流通しておらず、Einsturzende NeubautenやSPK、Whitehouseなどの陰に隠れてしまっているのが残念なところだが、最近日本のCaptain Trip Recordsから、少数枚数限定ながら初期音源の数々がCD化されるなど、その手のマニアには注目を浴びているようだ。


来日公演の情報は全くチェックできておらず、ライブ前日にたまたまTwitterで情報を目にするも、前売りチケットは全て完売という有様、当日券を手に入れるためにかなり早めに会場に向かう。
同じように早めに来ていた客は、皆トップスもボトムも髪も鞄も全て真っ黒という徹底した美学っぷり、隣の人のヘッドフォンからは酷いハーシュノイズが漏れ聞こえてくる。アイドル現場流しの自分のカラフルなシャツがあまりに浮いて申し訳ありませんという気持ちになる。


会場には100人ほどの人が集まったようだが、驚く事に洒落た大人の女性が二割ほどを占めていた。カップルの連れかと思いきや、中には女性だけで来ているグループもいる。ちょっと普通では考えられない事なので、数人の女性に声をかけてみたが、ゲストのゆらゆら帝国のファンだったり、「EGのファンで、Psychic TVやジャーマンサイケやSteve Reichなど何でも聴くんです」というとても綺麗な女性も。



最初に演奏した日本のノイズユニットCarreは、重いリズムの上に轟音電子ノイズ、坂本龍一「1000のナイフ」のノイズカバーなども。ビートがダンス的で聴き易い。


ゆらゆら帝国のいちろうは、バンドの時とは全く違う完全なノイズだった。スピーカーが壊れたようなズババババというかズガガガガという轟音が延々と流れ、その上にハーシュノイズや機関銃の様な騒音が時折重なる。本人は極たまにPCに触れるだけで、タバコを吸ったりビールを飲んだりしているだけ、ほとんど変化もなく爆音の騒音が拷問のようになり続ける、かなりハードな展開だった。


そして最後にEsplendor Geometricoの二人が登場。Saverio Evangelistaがビート担当でMacBookからリズムを出し、Arturo Lanzがノイズ担当で様々なノイズ音がアサインされたキーボードを押しながらエフェクターを操作するスタイル。金属の打撃音と、歪んだ電子音によるハードでミニマルな鋼のビート。
R&S時代の初期Aphex TwinAutechreのようなハードな金属ビート(もちろんEGがオリジナル)が続く中、ガシガシと踊っている人は10人程度で、後はじっくりとライブを眺めている人が多いのは、やはりクラブカルチャーとの違いなのか。


途中から、ノイズ担当が機材を離れてステージ前へ。おもむろにマイクを口の中に突っ込み咆哮を始める。最前の客も一緒になって咆哮する。更に彼はパンツのベルトを外して自らの首に巻き付け、自分で上に引っ張り上げ始める。そしてそのまま客の中に突っ込み、客にそのベルトを引っ張るように指示、女の子がベルトを引っ張りあげる中、マイクを口の中に入れたまま苦しそうに咆哮を続ける。訳が分からないが、客は異様に盛り上がる。これがノイズのライブか。
スクリーンには送電線やドリルや煙突、あるいは中国共産党のプロパガンダムービーのようなものが流れ、インダストリアルな空気を盛り上げる。


ライブの最後の曲では、ノイズ/マイク担当が最前列の客にマイクを渡し、客がステージに飛び込んで金属ビートに合わせて絶叫咆哮合戦が始まる。皆楽しそうに狂わんばかりの絶叫を上げ、女の子達も参加している。どう見ても異様な光景なのだが、なんだかとても明るくほのぼのと盛り上がっている。多分レコードを聴いているだけでは、ノイズのライブがこんなにハッピーだとは想像も付かないだろう。暴力温泉芸者Hair Stylisticsでお馴染みの中原昌也も咆哮合戦に加わっていた。
最前列の人たちがかわるがわるマイクを手にステージでひとしきり吼えたあと、同じように最前列にいた自分の背中がふと誰かに押される。「お前も行ってこいよ楽しいぞ」というメッセージだ。自分は普段あまり自分の殻を破る事のできない人間だが、ここでは吼えておかねばこのライブを十分に楽しんだことにならないのではないかと思い、意を決してステージに飛び込み、Arturo Lanzからマイクを奪った。客の方に向き直り、手を挙げて「Es Alucinante !」とマイクに叫んだ後、できる限りの咆哮をマイクにぶつけた。自分にそんな声が出るとは思ってもみなかった。気付けばステージでArturo Lanzや他のファンと肩を組んで踊っていた。なんて楽しい現場なんだ。



  1. Michi Michi
  2. 新曲?
  3. Necrosis en la poya
  4. Chispa Potenti'sima
  5. 新曲?
  6. 新曲?
  7. 新曲?
  8. Aplicacio'n Insospechada
  9. Metallum
  10. Ven A Jugar
  11. 新曲?





メカノ・ターボ Mekano-Turbo

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