Aerodynamik - 航空力学

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観劇記録 「ザ・ホード -死霊の大群-」(La Horde)フランス 2009年公開 R15+



ホラーマニアに付き添って、シアターN渋谷、最前中央にて鑑賞。


今年のエンタメ映画の中で断トツに面白い一作。フランス産ゾンビ映画ということで、どんなキワモノなのかという見方をされ、さらに、80年代のホラー映画感溢れる邦題のせいで一定の先入観を持たれがちだと思うのだが、今作は紛れもなく新世代のハイテンション・ハード・サバイバル・バイオレンス・アクションとして第一級の出来。これをゾンビファンのものだけにしておくなんて本当に勿体無い。


「ホード」とは「群れ」と言う意味で、タイトル/宣伝通り後半には300人のゾンビが投入されるのだが、売りはそこだけではない。今作は、本格的格闘アクション、派手な銃火器アクション、警察対ギャング、友情と裏切り、という70年代フレンチ・フィルムノワールがベースになっている。それゆえ、安易なエロ、下らないジョーク、頭の悪いティーンエイジャーなどのチープなお約束要素一切無し。ひたすらにハードでクールでスピーディーなフレンチ/香港フィルムノワールのバイオレンスアクション。登場人物もキャラ立ちした曲者揃い、かつ格闘/ガンアクションの腕も立つツワモノばかり。
そして対するゾンビの方も、新世代の「走るゾンビ」系に属するが、走るどころか猪突猛進してきて本気の格闘を繰り広げる、かつて無い最強っぷり。これまでに見たことの無いゾンビ対人間のガチ格闘に大興奮。
ジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭でのSCIFI審査員賞も納得の逸品。お約束をなぞるだけがゾンビ映画じゃない、これが2010年代の新世代ハイテンションゾンビアクションだ。傑作。