Aerodynamik - 航空力学

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観覧記録 南波志帆 初ワンマンライブ@渋谷duo Music Exchange



職人シティーポップスサウンドを託された17歳の透明な妖精、初めてのワンマンライブ。開場時間から少し遅れて入場すると、馴染みのPerfume新古参の面々が。ガールズポップスにおいては、純粋なシティーポップスリスナーよりも彼らの方が遥かにアンテナが高い。早くCymbalsノーナ・リーヴスキリンジなどのファン、そして「レコード・コレクターズ」誌読者のような人達にも彼女の音が届くといいのだが。


フロアには椅子が並べられていた。椅子席は100席ほど、隅にテーブル席が20席。座席は全て埋まり、後方に立ち見が40人ほど。ステージは横に広く、柱さえ無ければ見やすい会場だ。奇跡的に下手最前列を確保。


13分押しで公演スタート。出囃子とともに、今回のツアーのロゴが背景に投影される。この会場の照明も非常に効果的にステージを盛り上げた。キーボードは渡辺シュンスケ、ドラムはノーナ・リーヴス小松シゲル、ギターに岩谷啓士郎、そしてベースは須藤優。続いて現れた南波志帆。膝より少し上くらいの丈で、背中の開いた白いふわふわワンピ、白いグラディエーターサンダル、トレードマークの左の高い位置でまとめたポニーテール、そして今日はその上に小さなティアラが輝いていた。公演タイトル通りのファンタジックな妖精の様だ。

  1. スローモーション
  2. ストーリー
  3. クラスメイト
  4. じさくじえんど
    • MC
  5. プールの青は嘘の青
  6. 会いたい、会いたくない
    • MC
  7. 天国に一番近い島 (ピアノ弾き語り)
  8. 光の街 (おおはた雄一 ギター)
  9. お針子の唄 (おおはた雄一 エレキマンドリン
    • 衣装替え
  10. シャイニングスター
  11. 宇宙の中のふたりぼっち
  12. ごめんね、私。
  13. サンダル (カオシレーター
  14. それでも言えない You & I
  15. みたことないこと (カオシレーター
    • メンバー紹介
    • MC
  16. セプテンバー
    • EN
  17. Bless You, Girls!
    • グッズ紹介
  18. 楽園にて

前半は聴かせるナンバー中心の選曲。初ワンマン、これまでにない大きな会場にもかかわらず、それほどの緊張も見せず、透明で伸びやかな声が会場を包む。もともとダンスを得意としていた彼女、リズムに乗って跳ねるように軽やかなステップを踏み、時にはくるくると安定した美しいターンも魅せる。


「こんなに沢山の人がいて、会場を間違えたかと思ってしまったくらい」ととても嬉しそうだ。サイドテーブルに置かれた、いつもの「オタマジャクソン」と名付けられたオタマトーン、今日は公演タイトルに沿って「オタマジャクソン13世」と改名された。


小松シゲルのドラミングが絶妙で、「じさくじえんど」は原曲以上にファンキーさを見せる。「会いたい、会いたくない」は毎回ライブで化ける、疾走溢れる演奏が見所。


今回ライブ参加者には全員に彼女直筆の「書」がプレゼントされた。「夢」「志」「輝」、そしてごく少数の「ありがとう」の何れかの文字。全部書き上げるのに6時間を要した力作。書道十段で、和菓子が食べたくて茶道部所属。こんな所にも、暗い男子校時代を書道部で過ごした自分の中の青年の心がきゅんきゅんと痛む。




バンドが一旦捌け、南波志帆一人で、原田知世「天国に一番近い島」をピアノで弾き語り。音楽活動を始めるにあたって、どんな方向性で行くかをプロデューサーであるCymbals矢野博康らと打ち合わせた時にイメージとして挙がった一曲だそうだ。これはもう選曲の妙であろう。


弾き語りが終わると、ゲストとしておおはた雄一が登場。彼がギターを抱え、二人で「光の街」、そしてギターをエレキマンドリンに持ち替えて、再びバンドとともに「お針子の唄」。CDを遥かに超える素晴らしい演奏と空気感に会場は息を呑む。バンドが演奏を続ける中、ここで南波志帆が再び可愛らしくターンを見せながら一旦退場。本当にターンが美しいのだ。安定していて、そして軽やかで。そこには重力が無いようだ。


再びステージに上がった彼女は、水色のTシャツにピンクのチェックシャツ、スパンコールが眩しい白のミニスカートというポップなスタイルで登場。彼女の煽りで全員が立ち上がり、ここからステージは聴かせるナンバーからダンスナンバーへと一気に姿を変える。畳み掛けるスピード感溢れるナンバーに、はちきれんばかりの爽やかさを持って、彼女はピンクのカオシレーター片手に跳ね回る。「それでも言えない You & I」のクールなドライヴ感は何度聴いても最高だ。各人のソロを挟みながらのメンバー紹介、最後に自分で「ヴォーカル&カオシレーター南波志帆!」。皆満面の笑みで拍手を送る。


福岡在住の中学生時代、自分はどの道に進むべきかとても悩んだ、でも歌手として初めてステージに上がりスポットライトを浴びた時、進路は決まった。そして今日、沢山の観客を前にして、その決意は固まった。そう言いながら、彼女は初めてステージ上で涙ぐむ。


アンコールで、今回の物販Tシャツに着替えて現れた彼女。念願だったという「グッズ紹介」をするも、Tシャツと可愛らしいハンドタオルは、公演前に全て売切れてしまっていた。


「Bless You, Girls!」では、初の試みとして観客にサビを歌わせる。観客は皆歌詞をうろ覚えで、探り探りに歌っていたが、そのまま「男の人だけ!」「女の人だけ!」「メガネの人だけ!」と、どこかで聞いた様な展開に。


そして最後に「楽園にて」で締め。丁度2時間。これまでのライブは最長でも45分。2時間を持たせられるか心配ではあったが、そんな事は杞憂だった。あっという間に2時間は過ぎていった。ああ、もっと南波志帆を見ていたい、もっと夢の時間を過ごしたい、誰もがそう思っていたはずだ。初のワンマンライブは、昨年から大きな成長を見せ、そしてまだまだ伸びてゆく可能性を見せながら、17歳の初々しさと透明感、シンガーとしての堂々たるステージングをともに体現した、素晴らしいステージだった。







君に届くかな、私。

君に届くかな、私。

ごめんね、私。

ごめんね、私。