Aerodynamik - 航空力学

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児玉裕一×Perfume「ねぇ」、「大人っぽくて切ないPerfumeを見せたい」@「映像+」 2011年SPRING号

http://www.graphicsha.co.jp/shosai.php?snumber3=1045


映像制作専門誌「映像+」の「Music Video&CM」特集号、関和亮ともう一人、児玉裕一氏。


児玉裕一氏の作品解説は、東京事変「閃光少女」、椎名林檎「都合のいい身体」、「SHIRO Cheers System」、「Tabio Slide Show」、Perfume「ねぇ」。

First Impression


光と影。
冬にリリースする曲で、CMでアピールする商品もコートだったので、冬の低い日差しのイメージがあって。歌詞の中で「ねぇ、ねぇ」って何度も繰り返すんですけど、同じ「ねぇ」でも言い方で色んな「ねぇ」があるんだよね、そんな感情の差をライティングで表現できないかと思って、彼女達に色々な角度の光を当てて影の表情を変えていきました。同じ真っ白なセットでも光の当て方で影の出方が全く違って、全く違う印象になります。
あと「どこへ行こうかな」ということもテーマにあって、お出かけ感を出しつつ、ちょっと切なかったり、今まであまり表現されてこなかったちょっと大人っぽいPerfumeっていうのも見せたかったり、というのがありました。そういうわけで背景が色んな場所に変わっていくのですが、全体のデザインが散漫にならないように気をつけています。

Explanation


コマーシャル的には、服を色んな方向から見せたいというのがあって、Perfumeも3人で踊っているんですが、今回は一人づつでソロで3パターンを見せる必要がありました。でも16:9の画角では、3人が三角形でダンスしている構図が、画的にも丁度バランスいい。一人だとどういう風に見せていこうかなと思ったとき、中央の人物を120度間隔の3台のカメラで撮影して、3人に合成することを考え付いたんです。全く同じ動きを3人(同一人物)がするっていう。こうすると、3方向から見た服を、画面分割でもなく、画的にも破綻させないで見せることが出来る。このことに気付かない人たちも沢山いたんですけど(笑)、猫が全く々動きをしているところで気付いた人も多かったですね。
あと、いつも一緒にいる3人を敢えてバラバラに撮ることで大人っぽくて切ないPerfumeにすることを狙っています。

大人っぽいPerfume、という新機軸。


Natural Beauty Basicの春と冬二本のCMでは、CMとMVの同時制作が行われた。タイアップである以上「コマーシャル的には、服を色んな方向から見せたい」ということがまずありきで、あの分身アイディアが出てきたということだ。
このようなタイアップ企画は、撮影を大規模に出来るメリットと、アーティスト性よりも広告臭がしてしまうデメリットがある。その点についての児玉氏の演出は見事なもので、Perfumeファンに限っていえば、その広告臭を嫌うどころか、NBBの同商品を買い漁り、メディアで「ダッフルコートブームの火付け役はこのCM」とまで取り上げられる結果となった。もちろん「pino」とタイアップした「シークレットシークレット」でも同様な動きが起こった。この「タイアップをポジティブに魅せる演出」については、こちら*1の記事でも児玉裕一氏の言及がある。







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