Aerodynamik - 航空力学

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観覧記録 南波志帆「こどなの主張〜18歳の誓い〜」@ポニーキャニオン本社



サカナクション山口一郎作曲、Base Ball Bear小出祐介作詞というこれまでに無い布陣で制作されたシングル「こどなの階段」発売日前日、その日は南波志帆の18歳の誕生日でもあった。所属レコード会社ポニーキャニオンで、誕生日記念イベントとして、7月に発売される初めてのフルアルバム「水色ジェネレーション」の先行試聴などを行うというイベントが催されたので、溜まった仕事をさらに翌日に回し、虎ノ門へ急いだ。


初めて訪れたポニーキャニオン本社の1Fは、イベントスペースになっており、ステージや照明、スピーカーの設備などが整っていた。ステージ前には椅子が80脚ほどあったが、イベント開始時間には一杯になった。ステージ中央には演説台、背景には「南波志帆 こどなの主張」と、いつもの南波志帆本人の手による書が貼られ、「青年の主張」といった様相だ。



ポニーキャニオン後藤氏の司会で、試聴会が始まる。参加者に、南波志帆によるアルバム楽曲紹介が書かれた資料が配布され、解説を交えながら計5曲が披露された。感想は自分の中に取っておく。

  • 水色ジェネレーション
  • ミライクロニクル
  • たぶん、青春。
  • あいのことかも
  • 2センチのテレビ塔


そして、「こどなの階段」PVの赤いワンピースを纏った南波志帆が登場。ステージに上がると、封筒から原稿を取り出し、いつものMCとは異なるやや緊張感を伴った厳かな空気のまま、「こどなの主張」へ。この模様は、ポニーキャニオンが動画を上げてくれている。1:45から数秒間の無音部分は、Kinki Kids「硝子の少年」の引用で、真面目な顔をして唐突に差し込まれたユーモアに、会場は笑いで包まれた。途中で感極まって涙声になりながら、真摯に自分を見つめ、そしてこれからのヴィジョンを力強く語る高校3年生、18歳の南波志帆。目標は「10代のうちに武道館」。目標が高すぎるとは思わない。Perfumeだって2006年の時点で2年後の武道館公演を予測できた人などいなかった。そもそも18歳の頃に、高い目標を持って生きることがどれほど大切なことか。高い目標をファンを前にして宣言したことの意味は大きい。





「こどなの主張」の後は、後藤氏との新曲トークBase Ball Bear小出祐介サカナクションの山口一郎とは、南波志帆が15歳、高校一年生の11月当時に、両者が競演していたイベントで出会い、その時に既に彼女の最初の音源を聴いていた小出に、共作での楽曲提供を約束されたという。全く耳の早い男だ。その他にも、最近はお菓子禁止令が事務所から出されていたが、「こどなの階段」PVがグリコ「ポッキー」とのタイアップだった為、PVでポッキーを食べるシーンで敢えてNGを出し続けて沢山ポッキーを食べ続けたという、関和亮監督が聞いたらあきれるようなエピソードも。また、アルバム「水色ジェネレーション」のビジュアル担当は、PARCO仕事などで知られる吉田ユニが担当するとの事で、これも非常に楽しみだ。


そんな感じでイベントも終了、かと思いきや、サプライズゲスト、プロデューサー矢野博康が花束を持って登場。Yano Festivalで極少数限定で販売された、黒地に金の箔押しで南波志帆によって書かれた「矢野博康」の書体が光るTシャツがにくい。そのまま矢野氏と出合った14歳当時の南波志帆トークへ。そしてさらにサプライズ、14歳当時にスタジオで撮られた秘蔵映像まで公開された。あまりの展開に、焦って何度もマイクを歯にぶつける南波志帆。その秘蔵映像に映っていたのは、ハスキー声で、やたらと尖ったオーラを出しながら、アーティストぶったコメントをしている、デビュー前の彼女。あまりに現在と違う様子に、会場がどよめく。彼女はそれまで自分の透き通った高い声が嫌いで、無理をして低いハスキー声を強く張って歌っていたというが、デビューに当たって彼女に相応しい方向性を見出す為、矢野氏にスタジオで30〜40曲を歌うよう求められ、その中の1曲、My Little Lover「YES」で「囁くように歌って」という指示に従ったたところ、それがとても魅力的だった、そこから今の彼女のスタイルが出来上がっていった、そんな興味深い話が披露された。




最後に、イベントの記念に、恐らく最初で最後になるであろう2ショットチェキ撮影会(!)をして終了。歌の披露こそ無かったが、南波志帆の魅力が詰まった心温まるイベントだった。








こどなの階段<タワーレコード限定>