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Aerodynamik - 航空力学

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Perfume新アルバム「JPN」、そのタイトルに込められた「世界進出へ向けての『日本代表の一枚』」の自信と決意

Perfume


前作から2年4か月という間を空けて、ようやくリリースされるアルバム「JPN」。「世界進出」に対して意欲的な発言を繰り返す西脇さんの気持ちを代弁するかのような、非常に象徴的なタイトルとなった。



SSTV「スペチャ!」 111103

臼田あさ美:タイトルは「JPN」ということで、「JAPAN」という意味ですよね?


あ:はい。


臼田:このタイトルにはどんな思いが込められているんですか?


あ:このタイトルは、これから私達世界で色々やっていきたいと思ってるんです。それで、次のアルバムが注目されるから、その時にその時に、「JAPAN」、「日本代表の一枚です」みたいな、そう大きく、夢は大きくという。戒めとして、今回「JPN」というタイトルにしました。

「戒めとして」という言葉の使い方のアレさ加減が西脇スキル。


今年は震災以降、「世界の中の日本」を強く意識させる年でもあった。政治性や国家に依存するメッセージ性をあまり持たない、あるいは持つことを忌避する姿勢の強いテクノ業界にあっても、今年のWIREのVJでも日の丸が多用されていたのがとても印象的だった。そしてこの年、Perfumeは世界進出を念頭に置いた「日本代表の一枚」として、「JPN」というネーミングをアルバムに持たせた。




Rockin’on JAPAN」 2011年12月号

か:今回進行が凄い早くて。震災があったり、色んなことがあって、最初にリリースしようとしてた時期よりずれたんですけど、そのうちにもうタイトルを決めなきゃいけないってなって。みんなでご飯食べた時に話し合って、色んなのが出たんですけど、中田(ヤスタカ)さんから「”JPN”いいんじゃない?」って出てきました。


あ:笑い話で。「”JPN”とか?」みたいな。オリンピックとかで”JPN”って出る、これでいいんじゃない?みたいな。で、めっちゃいいな、めっちゃかっこいいやん!て。世界にこれから行きたいっていう気持ちも込めてるし、世界から見た時に日本代表の一枚ですみたいな。そういう自信の意味とか、頑張りたいっていう気持ちも込めて、いいんじゃないかなって。「じゃあ”JPN”にしましょう!」みたいな。スタッフさん達とか「え?ほんとにいいの?」みたいな。でもこっちは超決意が固くて。


か:「あ、いいと思います!」って(笑)。


の:いろいろいい案も出てたんですけど、でも”JPN”ってなった瞬間、”おお、めっちゃかっこいい!”って、なんかテンション上がってしまって。


か:上がったね。


の:「はい決まり!」みたいな、「じゃあご飯食べましょうか!」みたいな。


あ:まあ今も「そんな大っきく言っていいん?」みたいなとこあるんですけど。それくらいの気持ちでいきたいっていうタイトルです。

前作に続き、今回もヤスタカ発案であることが明示される。このタイトル決定食事会の経緯については、以下がより詳しい。




音楽と人」 2011年 12月号

あ:アルバムを出すことが決まった後、アルバムタイトルを決めようの食事会があって、中田(ヤスタカ)さんたちとそこに行ったんです。で、「JPN」っていうのは中田さんから出たんです。まずタイトルどうしようかって。曲もまだできてない中で今回は進行していかなきゃいけなかったんですけど、最初「漢字一文字とかやったことないから、斬新なんじゃない?」って話になって。日本っっぽいし、って。


−最初から「日本」というテーマはあったんだ?


あ:そうだったのかもしれないです。で「カッコいい漢字ってなんだろう?」って、みんな携帯で探して(笑)。


の:中田さんは「一文字でカッコいい漢字」で検索してました(笑)。


か:あ〜ちゃんが途中「Perfumeだし、直球で『香』の一文字でもいいんじゃない?」って言って。そういうのもいいねって。


の:一回、そこに落ち着いたよね。


あ:それでまとまりかけた時に、中田さんが「あっ、『JPN』ってよくね?」って(笑)。


−全然漢字じゃないし!


あ:そう。でも私も、JPN……いいかもっ!って(笑)。分かり易いけど分かり易過ぎない。意味を直球で投げてないし、相手に想像させる感じも含まれてるしもし海外を考えてるなら「JPN」ってタイトルはいいね、って。


あ:私、オリンピックで日本代表の選手が出る時に、名前の後ろに「JPN」って出ること知らなくて。だから言われた時には全然ピンと来なかったんですよ。でも、海外に行くときに「Perfumeの『JPN』です、日本代表の一枚です」って言うの、チョーカッコいい!と思って(笑)。だから最初に中田さんから案が出た時、スタッフさんは「あー、中田さんがまたギャグっぽいこと言ったよ」みたいなノリだったんですけど、私「えっ、『JPN』めっちゃカッコよくない?」って、ゴリ推ししたんですよね(笑)「JPN」がいいです、「JPN」でいきます、「JPN」でいきましょう!って。

この過程を見ると、世界進出における「日本代表の一枚」という発想は、「JPN」という発案に対して、後付で付与されたものだと分かる。つまり、自らの目指すところの目標や感情を、明確な形に落とし込む他者の存在があってこそのPerfume、というスタンスは、今回も変わらなかった。


それにしても、決まりかけていたという「香」ではなくて本当に良かった。それはアルバムにアイデンティティを持たせる上では有効かもしれないが、今の西脇さんの目指すものを明確に具象化し、寧ろその意思を後押しするほどの圧倒的にポジティブな力を持ち得ていない、だけでなく、これから世界に打って出ようとするならば、少なくとも「2バイト文字」、あるいは前作のような「特殊記号」は、タイトルとして相応しくないからだ。前作についても同様の事を指摘した覚えがあるが、職業柄、そこが一番主張したいことろだったりする。*1




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音楽と人 2011年 12月号 [雑誌]

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