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Aerodynamik - 航空力学

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Perfume、視線のその先にある海外進出「ワクワクしたい、新しい刺激が今すぐ欲しい」@「音楽と人」2011年12月号

http://ongakutohito.jp/ongakutohito/


海外進出への意志を断片的な形で見せ、発言してきたPerfumeが、その形をインタビューで明確に語った最初のインタビューか。まずは西脇さんの個別インタビュー。

−1年後2年後、Perfumeがどんな存在であれたらいいと思いますか?


あ:今は、海外で注目される存在になっていたいです。海外にちゃんと、一歩でも踏み出していたい


−ツアーをやるとか?


あ:ツアーもそうだし、中田さんとあちらの方とのコラボレーションで楽曲を作って頂いて、私達が唄う、とか。まずは私達の事を知って頂けたら嬉しいです。中田さんも楽しんでやってもらえるような形で、今日本でやってるそのままのスタイルで、あっちでもやりたいです。


−日本でやったことには達成感を持ってる?


あ:いやいや、上には上の方がいますし、もちろんこれで日本を制覇したなんて全く思ってなくて。


−ははははは。


あ:満足しているなんて思ってないです。でも、東京ドームって日本の中でもすごく大きな会場でライブやらせてもらって。本当に幸せでした。そのライブが無事終わったら、次はもうこれしかない、と思って

あ:私、何か決めたら張り紙するんですよ、部屋に。(中略)ドームの時ももちろん書きましたよ。「東京ドーム」って!


−じゃあ今は「海外進出」だ(笑)。まあ、自分を掻き立てるものがあることが大事なんだろうね。


あ:そうですね。ワクワクしたいんですよ!

かつてPerfumeが武道館公演と紅白出場を成し遂げた時、彼女達は次の目標を完全に見失った。向上するモチベーションを失い、ブレイクとともに訪れた超多忙な現実と、テレビの世界に戸惑った。直角三角形ツアーを終えてようやく地に足が付いた時、再びPerfumeが進み続けるために、西脇さんは千秋楽の当日に東京ドーム公演という目標を掲げた。その目標が達成された時、この先に何があるのか、再びモチベーションをロストする時期に入るのではないかという危惧もあったが、「次はもうこれしかない」、既に海外進出は、その位置に付けている。今回の目標には、「生きている証拠」を追い求めるような息苦しさを感じない。寧ろ「ワクワクしたい」、そんな前向きなオーラに満ちている。



か:私が海外に行きたいと思っていたのは……「リニアモーターガール」後ですね(笑)。


−そんなに前から?


か:Youtubeの存在を知った頃に、海外でPerfumeのコピーバンドやってるよ、とか、Perfumeの曲で踊ってる子たちがいるよ、って言われて「海外でもPerfumeを知ってる人がいるんだ」と思ったのが最初でした。それに今は、また私たちが新しくなれるかもしれない、って期待もあるから。


か:安定したところにいたくないんです。いつだって刺激が欲しいし、新しい事に挑戦して、自分がハラハラドキドキする事がしたい。目に見えて想像できる範囲の事は、やってても楽しくない。(中略)初めての新しい刺激が今すぐ欲しいんです


−新しい刺激を受けに行って、びっくりして、不安になって、っていう。


か:私達大丈夫かな?って、心配を持てる場が欲しいんですよね。じゃないと腐っていく気がして。(笑)

一番客観的にPerfumeを観察する立場をとり続けてきた樫野さんも、心配と刺激が今すぐ欲しい、そんな熱を帯びた言葉を発している。この前向き過ぎるほどの力は、やはり全身で次のステージへのモチベーションを欲しているが故なのだろう。


今年はドイツ公演の希望を口に出していた樫野さんだが、遡る事5年前から、海外への興味があったという。その当時の事なら、嫌でも熱くならざるを得ない。Youtubeの公式サービス開始が2005年の12月。2005年9月21日発売の「リニアモーターガール」と、2006年1月11日「コンピューターシティ」を挟む時期だ。2006年初頭にYoutubeの存在がネットを騒がすようになり、「GLITTER」のダンスコンテストにも参加したスペインのJ-POPダンスユニットSexy Mafiaの一員によってPerfumeのPVなどがYoutubeにアップロードされ始め、Perfumeもようやくその魅力、楽曲とダンスが世の中に理解され始める。そのYoutube動画にコメントを付けるというマッシュアップサービスとして当初スタートした(早い時期にYoutubeからアクセス遮断を受けて自前の環境を持つに至った)ニコニコ動画が2006年末に立ち上がる、つまり「Twinkle Snow Powdery Snow」の配信限定リリースと同時期になるが、ここでPerfumeは「局所的」に爆発的な人気を博すに至る。今思い出してもとても熱かったあの頃。ダンスコンテストの決勝にSexy Mafiaを呼ぶことはできなかったが、Perfumeをヒットさせた功労は彼らに負うところが大きかったと今でも思っている。著作権がグレーだったあの頃だからこそできたことだし、Perfumeが公式に彼らの行為を評価することは立場上出来ないと思うが、個人的にはSexy Mafiaに「特別功労賞」を送りたい。かつて彼らのアップロードしたPVとダンスコピー動画が、どれだけPerfumePerfumeファンを勇気付けた事か。Gracias, Sexy Mafia.





樫野さんの「不安と刺激」に呼応する合同インタビュー。

−海外に挑戦したいという思いもあるけど、自分達に新しい目標が欲しいのかな?


あ:それも大きいです。だって怖いですよ、海外(笑)。日本が凄い好きだからっていうのもあるけど、日本語しか喋れないし、そこの人達の間では今、どういう音楽が一番みんなに聴かれているのか、今人気のある人がどういう人達なのかも分からないし。全然自信もないです。だけどPerfumeという団体として、今だと思うから。これを逃す前に行きたいっていう気持ちですね。


か:新しいことはいつも不安だけど、そうすることで得るものがあることも知ってるし。


あ:成功するにしても失敗するにしても、Perfumeとしてもっと楽しめる材料が増えると思うんです。そしたらお客さんももっと楽しんでくれるだろうし、自分達もきっと新しいことを沢山手に入れることが出来ると思うので。

不安が大きいからこそ、得るものも大きい。この発言は、中田ヤスタカが語った言葉とのシンクロを思い出させ、身震いを覚えた。



http://d.hatena.ne.jp/aerodynamik/20090909/p1

−ふと不安になる事はないですか?



中田:かっこいいかなって。これ本当にかっこいいかなってことですよね。いつもですよねそれ。大体なんか半分半分です。不安と自信がどっちも同じくらいの量ある感じで、多ければ多いほどいい。


音楽と人 2011年 12月号 [雑誌]

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