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Aerodynamik - 航空力学

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観覧記録 Laurent Garnier “Our Future Tour” 2012@渋谷Sound Museum Vision

music

http://www.vision-tokyo.com/event/20120211.html



毎日朝晩が寒過ぎて、クラブなんか行ったら風邪引くわと、寒い時期には夜遊びを控えていたのだけれど、ここのところ、緊張やストレスから来る全身の痛み、硬直感疲労感やら、さらには耳感覚の劣化をも感じていたので、ちょっと厚着して出かけることにした。


去年の10月末に道玄坂にオープンした箱、Sound Museum Vision。超大物ばかりをブッキングするにもかかわらず、兎に角メインフロアの音が悪いという評判しか聞こえてこないため避けていたのだが、今回初めて足を踏み入れてみた。場所柄のせいか、客層は粋がった大学生と、若手サイバーエージェント社員みたいな人が多い。後でラウンジにいた女の子に印象を聞いてみたが、メインフロアの客層は、「六本木alife(最悪のナンパ箱)と変わらない」「凄く感じが悪い」「ナンパだらけ」らしい。しかし、悔しいながらも、若者がクラブにきてくれるのは有難いとも思う。




入り口から入った最初のスペースが、メインフロアの「GAIA」。噂に違わず酷い音だ。低音は出ていないし、音の塊は気持ちよくないどころか、うるさく感じられ、さらに最悪なのが、高音が出過ぎていて耳に痛い。何度も襲ってくる痛みに顔をしかめつつ、10分も持たずに退散。この「GAIA」は、フロアの1/3近くをなんと「Circle Bar」が占めていて、ダンスフロア自体がとにかく狭い。ブッキングする大物にそぐわない狭さ。しかも、サークルバーの横には、重複して普通のカウンターバー「Red Bar」があるのだ。全く意味が分からない。狭い所にさらにサークルバーとの人の移動があり、全く落着けない。スピーカーも前方にしか設置されておらず、後方がサークルバーなので、音が抜けてしまい、音に包まれる快感もない。さらに酷いのが、この狭いフロア部分には過剰な量の照明やフラッシュが付けられていて、それが単に床を照らすのならいいのだが、丁度踊っている人間の目を刺すような角度で照らしてくるので、眩しくてあっという間に照明疲れしてしまうのだ。音疲れ、照明疲れ、狭さと混雑疲れ。とにかくこんなにも居心地の悪いフロアは初めてだ。Red Barと重複するサークルバーを潰してフロアにして狭さを解消、その後方にスピーカーを設置、音のバランスを整える、照明を減らす、ここまでやらないともう通う気になれない。


「GAIA」に併設されている、30人も入れば一杯な小さな部屋「WHITE」、ここは女の子の部屋かと思うような、真っ白の内装、明るいままの照明。DJも女性DJが短い時間持ち回りでダサいプレイをする、とても居場所じゃない感じのフロアで、即退散。ここにもバーカウンター「WHITE Bar」がある。


「GAIA」のステージ横からは長く細長い通路が伸びており、この通路にもバーカウンター「Gallery Bar」。さらにその奥に進むと、先ほどとは全く違く空間、「Deep Space」が現れる。ここはまるでelevenのように天井低めの真っ暗な部屋で、部屋の四方プラス背面の壁一面をスピーカーが固めていて、音の中に潜るような感触が味わえる。サウンドはハードなテクノやダブステップが中心で、照明もミラーボールに当たる青と紫の地味なものだけ。非常にコアな感じのフロアで、メインフロアに溢れるちゃらいガキもこのフロアにはいない。本当に音が好きな人間だけが集まる空間で、自分にとっては非常に居心地の良いスペースだった。ちなみに、この部屋の奥にも「Deep Bar」がある。


「Deep Space」をさらに奥へ進むと、「WHITE」と同じ広さの「D Bar」というスペースがあり、半円バーが設置されている。その奥には、もう一つの部屋「D Lounge」。木のテーブルと椅子が置かれ、座って会話できるスペースになっている。ラウンジDJは控えめな音量でゆったり休める。トータルで4つの趣向の異なるフロア、そして無駄に多い6か所のバー。こんなものが道玄坂にできるとは。惜しいのは「GAIA」の音と居心地の悪さ、それに尽きる。




メインフロアでロングセットのLaurent Garnierを楽しみにしていたのだが、とにかく耳が痛くなるようなひどい音のため、ほとんどメインフロアにはいなかった。たまに観に行くと、上げ上げのテクノがかかっていて、丁度4時頃に覗いた時にはMark Knight & Funkagendaの方の「The Man With The Red Face」が流れて、それを聴けたのでもうそれで良しとした。デトロイトサウンドが聴けなかったのは残念だが、このフロアで聴きたいかというとむしろ聴きたくない。





「D Lounge」ではUnited Future Organizationのメンバーが回しており、ラウンジDJとしての選曲は完璧。The Revenge「Heavy Love」、Abdullah Ibrahim「Ishmael (Stephan Rogall Remix) 」、Nina Simone「See line woman (J.viewz Remix)」、Joe Purdy「Can't Get It Right Today」、Pearl Jam「Release」、Francesco Tristano「idiosynkrasia」など、リラックスしつつ耳に気持ち良い音。居心地もいいので、ここのスピーカーの前で結構な時間踊っていた。


「Deep Space」のDJ Kenseiダブステップ。Kode9「Black Sun」などでダークでハードに決める。そして井上薫は、持ち味のスピリチャルでセンスのいいソウルで空気をまとめる。Basic Channel傘下のMain Streetの名盤Round One「I'm Your Brother」でムーディーに踊らせつつ、Gonno「ACDise #2」で気持ちよく上げる。朝方四時半を過ぎるといつもの井上薫ワールド、Christos Fourkis 「Memories」、D'Angelo「Brown Sugar」、The Braids「Bohemian Rhapsody」、山下達郎「Love Talkin'」、Paul Weller「Thinking Of You」。これが朝のガラガラのフロアで聴くと本当に気持ちいいんだ。


「Deep Space」がクローズし、メインフロアに戻ると、0時丁度からずっと回しているLaurent Garnierはなんとサンバをかけていた。そしてDonna Summer「I Feel Love」、Dan Hartman「Relight My Fire」とディスコへ突入。何でもありのガルニエらしい。あまりに音が耳に痛いのだが、これで帰るのももったいないかと、そのままメインフロアの後ろの方に残る。ディスコはそこで終わって、Sasha「Mongoose」、James Holden「The Wheel」といった癖のあるテクノ、Jaytech feat. Melody Gough「Gray Horizon」、Gerd「Palm Leaves」などの歌ものトラックを流した後、最後はロックへ。Them「Gloria」、The Doors「Gloria」からRadiohead「Nude」、John Martyn「Glory Box」と段々静かでダウナーな締めへ向かい、Al Green「Simply Beautiful」で終了。アンコールに応えて、Marvin Gaye「I Heard It Through The Grapevine」からThe Future Sound of London「Papua New Guinea」で綺麗に締め。さすがに何でもアリだな。


本当に惜しむらくはメインフロアの音の悪さ。最早高音の耳の痛さは拷問に近い。こんなに気持ちよくない「Papua New Guinea」は初めてだった。




Retrospective 94-06

Retrospective 94-06