- 20130428 Superbad MIDI Breaks 10th anniversary presents TOTAL DESTRUCTION vol.3@中野heavy sick ZERO
RephlexやR&SからUniversal Indicator/Kosmik Kommandoなどの名義でのリリースで90年代のアシッドハウス/アシッドテクノシーンに強烈なインパクトを与えたMike Dredが来日。前回は98年「Rephlex Records Tour」。あの恵比須で観た光景からもう15年も経ったのか。今回のライブ機材はPCを使わずハードウェア実機のみ、そして勿論TB-303も実機という、それを聞いただけで笑いが止まらない。
TB-303の独特な音を知らない人の為に説明をすると、ももクロ「ミライボウル」の間奏ラップ部分で「びよびよびよ」と鳴っている、あれがTB-303です。80年代末のダンスミュージックにおける革命と言ってもいい、そういう特別な機材が出すのがあの「びよびよびよ」です。物販コーナーでは機材屋えちごやミュージックによるTB-303実機販売も。今もこんな流通価格なのか…。
B2ラウンジ階ではKAK-A Recordingsの面子によるガバ/ハードコアがBPM250オーバーで鳴り続け、B1フロアではSuperbad MIDI Breaksの面子によるダブステップやブレイクコアが鳴り響く、まさに「潰し合い」といった感のある容赦の無い体力消耗戦。
Royal-T - Work Your Body feat. Rosk
Slackk - 90 Years
Mike Dredはなんと朝4時に登場。もう踊り疲れたけれどここから再起動。AKAI MPC2500を軸にシンプルな909のリズムと、分厚いけれど単純なリフしか鳴らさないYAMAHAのFMモジュールFS1Rだけ、その隣には銀色に輝くTB-303実機2台が生み出す短く単調なメロディの繰り返し、しかしこれで十分。本当にこれだけで十分なのだ。
アナログターンテーブルがヒップホップカルチャーによって「レコードプレイヤー」から「演奏する楽器」へとパラダイムシフトを起こしたように、この当初「ベース音の代替機」として発売された銀色の箱は、開発者が想定していない使用法を見出され、「快楽発生装置」「毒電波発生装置」として、当時のドラッグと共にクラブミュージックの在り方を大きく変えてしまった。
ライブはMPCでトラックを切り替えながら、あとはひたすら303のフィルターツマミを捻り、単調な発信音をアシッド発生装置に変えてゆく。スタート後20分くらいで昂揚に達し、後はひたすら90分のイキっぱなしヘヴン状態。三十路の足が震えて立てなくなるまで脳は飛びっぱなし。15年振りのアシッドレジェンドは2010年代も変わらずアシッド三昧だった。
ライブ後も当時を知らない若者がTB-303にかぶりつき、Mike Dredもそれに応えて詳しく機材の説明をし始め、そして興が乗ってくると、再びシーケンスを走らせ若者達に303のツマミ弄り放題サービスまで始める。ブースに半身を乗り出してツマミを捻りアシッドを鳴らして喜ぶ若者達。凄くいい風景だ。
Bassline, Bassline, it makes me cry.
Universal Indicator Yellow
Universal Indicator - Ultraviolet A3
Mike Dread - Macrocosm