Aerodynamik - 航空力学

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「サウンドも見た目も、Perfumeの全部が大好き。まるごと全部。」@仏「ELLE」誌 2013年7月号

http://www.elle.fr/Loisirs/Sorties/Dossiers/Pourquoi-on-va-aimer-l-ete-2013/On-danse-sur-la-pop-japonaise


フランス本国版の「ELLE」の文化面に半ページサイズでPerfumeが紹介されるというのは結構とんでもない話であって、これは「ELLE japon」ではなく本国の「ELLE」だという。同じく超ハイファッションというかハイブランド誌「VOGUE」への掲載とか「Perfume in VOGUE JAPAN for TIFFANY ATLAS」のようなコラボレーションがあっても、それは「VOGUE Japan」の話なので。いや広島の芋っ子がブランドとモード哲学の「VOGUE」に出て、新宿伊勢丹のウィンドウを飾ることも違和感しかない位に凄い事だけれども。で、普段の連載は「anan」とか「non-no」でやってるという。国内では本人達のキャラクターもファン層もそういうのが相応的な扱いで、多分「装苑」に出たことも無いんじゃないだろうか。先月号の「装苑」を読んでいたら「Rhizomatiks inspired by Perfume展」が載っていて、やっとこういう扱いなのかと驚いた。


欧州ツアー「Perfume WORLD TOUR 2nd」当時の記事だけれど、フランス版だけに表現が結構あれな感じでファン以外のところで軽く炎上扱いになっていたので、夏が終わってもう秋風が身に染みる今になってアーカイブしておくことにする。記事の写真は「Magic of Love」アーティスト写真。


Pourquoi on va aimer l'été 2013!


On danse sur... la pop japonaise


Son et look, tout nous plaît chez Perfume. Panoplie.


La triplette du soleil levant. Kashiyuka, A~chan et Nocchi viennent de Hiroshima et peuvent se vanter d’être radioactives : impossible d’échapper à leur pop qui squatte les ondes japonaises et les sommets du top Oricon (l’équivalent de notre top 50) depuis maintenant quelques années.


L’esthétique 60’s. Décor mondrianogéométrique, mini-robes trapèze, collants de couleur, franges… on se croirait en 1964. Fétichistes en diable, les Japonaises manient les références mieux que personne et cultivent un look impec. Un peu manga, rétro mais pas trop, ingénu coquin. Kawaii quoi !


Le quatrième membre fantôme. Leur succès, les filles de Perfume le doivent autant à leur sens aigu de la scène et de la pop mainstream qu’à leur producteur, Yasukata Nakata, expert en l’art d’accumuler les couches de son, ambiance électro-dingo un peu hystéro qui va électriser les ados. Leur concert du 7 juillet au Bataclan, à Paris, est déjà complet. Ça promet…




どうして夏が好きなの2013!


みんなジャパニーズポップで踊る


サウンドも見た目も、Perfumeの全部が大好き。まるごと全部。


日出ずる国の三人組:広島から来たかしゆかあ〜ちゃん、のっちは、自分達を放射性だと自慢してもいいくらい:ここ数年の日本の電波とオリコンチャート(フランスの「SNEP TOP 50」みたいなもの)の頂点を占領する彼女たちのポップサウンドからは逃れられない。


60年代の美学:モンドリアン幾何学様式、台形のミニワンピ、カラーのタイツ、フリンジ…それは1964年スタイルみたい。とんでもなくフェティッシュ、日本人は誰よりも過去の引用を上手く扱って、申し分のないほどに洗練させてくる。ちょっと「マンガ」っぽく、レトロだけど素朴だったりきわどかったりし過ぎない…つまり「カワイイ」!


見えない四人目のメンバー:Perfume、彼女たちの成功は、強烈でクールなステージ、メインストリームなポップサウンド、そしてプロデューサー中田ヤスタカによるもの。芸術的に何層にも重ねられたサウンドが醸し出す雰囲気は、ティーンズを感電させるヒステリックなエレクトロ-オオカミ。彼女達の7月7日のパリ バタクランのライブチケットはもう完売。またの機会にお願い…

フランス語でファッション誌のノリを素人が翻訳するのは難しいな。誤訳は指摘してください。


もともと19世紀のジャポニズム、そしてシラク政権下での文化交流以降、日本文化にはある程度の理解のあるフランス。モンドリアンスタイルの引用に興奮しつつ「Kawaii」にまとめる。Perfumeサウンドが「la pop mainstream」というのは、元祖フレンチエレクトロの地だからこそ。フィルターハウスの登場以前は「フランスはダンストラック不毛の地」とか平気で言っていてごめんなさい。


60年代モダニズム、「1964年スタイル」というのは、もちろん1965年イヴ・サンローランモンドリアン・ルック」の事で、他にもテクノ的な文脈として1964年のピエール・カルダン「スペースエイジ」やパコ・ラバンヌ、アンドレ・クレージュ、あの時代のSF的なモードを指しているのだろう。渋谷系当時に散々影響されたあれ。


フランスはご存じの通り第四次中東戦争オイルショック以来世界最大の原発大国で、文化も表現も唯我独尊が美学なので、日本人に対して「radioactives」と表現することに対して遠慮などなく、むしろこの表現がいわゆるエスプリ位に思っているのは想像に難くない。「Hiroshima」という地名で想像するのも多分「それ」しかないだろうし。フランスからすれば、そもそも海外エンタメに対して核に関する表現のセンシティヴさを求めるのがおかしいという程度の話だろう。
全然別のハリウッドの話だけれど、猛烈な日本特撮オタであるギレルモ・デル・トロが「レイ・ハリーハウゼン本多猪四郎に捧ぐ」と作ったこの夏最高の巨大人型ロボットvs怪獣映画「パシフィック・リム」は、ロボが原子炉で稼働することに意味のある設定で、パイロットはロボの放射能を浴び過ぎて引退するし、ロシアのロボは「チェルノ・アルファ」で、それはハリウッドの無神経さより、初代ゴジラの水爆実験設定を意図したあれなんだろうな。





参考までにフランス人の原発に対する感情の記事を。


フランス人は原発をどう受け入れたのか:ニューズウィーク日本版
http://www.newsweekjapan.jp/newsroom/2011/04/post-217.php



公正の為に一応書いておくと、炎上元のソースはシネマトゥデイの芸能ニュース。


Perfume放射能みたい? 仏誌の表現が物議を醸す
http://www.cinematoday.jp/page/N0054646







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