Aerodynamik - 航空力学

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観覧記録 「EMAF TOKYO 2013」2日目@恵比寿LIQUIDROOM

http://www.liquidroom.net/schedule/20131104/15702/



ちょっと遅れて会場入り。最近の電子音イベントでは、この二日間に渡って行われた「EMAF TOKYO 2013」がアクトも観客も音もベストに楽しめた。この日の昼に秋葉原で観ていたRev. from DVLもこの位の音響で聴けたらなあと思ったりもしたが、そう言えばUnitやWomb、Studio Coastは頻繁にアイドルイベントをやるけれど、リキッドではあまりやっているイメージが無い。

環ROY×蓮沼執太×U-zhaan

珍しいコラボユニット。U-zhaanタブラが紡ぎだすミニマルなリズムを軸に、環ROYが音の響きだけを辿って行くような緊張感のあるフリースタイル、蓮沼はU-zhaanのビートに合わせて即興でエレクトロニカ音源とドラムループを重ねてゆき、洒落たピアノフレーズを重ねたりする。ミニマルなまま特にお約束も無く上物が主張しては消え、グルーヴが淡々と流れる、まるでクラクトロックのセッションのようだ。


「執太お前お洒落な奴 美術館でライブ」と環ROYが周りをからかいながら、その場で思いついた言葉をループさせる、ラップのフリースタイルともまたちょっと違う。途中でステージに寝転んでしまい、「寝転んでラップする」から「猫」の音を拾って「ねこーねこー」と人力ループし、その内「れこーれこー」「ねこーのレコー」「ねこーのレコード」「猫のレコードが聴きたい」みたいな音による連想ゲーム。途中で面白くなってしまって会場に笑いを起こしながら、新鮮なフリースタイルを聴かせた。


蓮沼執太はお洒落だねえ。お洒落過ぎて聴いてこなかったけれど、フロアで聴く隠しきれないゆる滑らかなインテリジェンスがNeo Ouija/Hydrogen DukeboxのMetamaticsのようで段々気持ちよく思えてきた。



環ROY × 蓮沼執太 × U-zhaan - フリースタイル @ 月刊ウォンブ! Vol.4



砂原良徳

「Capacity」から始まって、去年のWIREで披露したraster-notonばりの硬質電子ブレイクビーツ、最後に「The Center Of Gravity」。音と切り離せないVJも以前見たものと違って遥かにシンプル。「Principle/Providence/Uncotrorable Activity」の文字も、もう上から降ってきたりしない。ああもうこの人本当にKRAFTWERKみたいになってきたぞ。同じセトリでひたすら音と映像の洗練度だけを上げてゆく、隙や遊びを切り詰めて端正に磨き上げ続ける、そんな感じ。


Yoshinori Sunahara - Unconscious Fragment


YOSHINORI SUNAHARA - The Center Of Gravity



Lusine

Ghostly Internationalからのリリースもいい感じだったLusine。がっつりビートの効いたIDMとハウスとミニマルとクリックの中間の音で知的さとダンスのセクシーさを両立させる。ああこの感じはVladislav DelayLuomo名義に求めていたはずの音だったけどここにあったのか。



Lusine - Lucky


Lusine - Double Vision


Zoo Brazil - Late At Night


Fennesz

これを観に来た。「Endless Summer」はラップトップ・ミュージック/エレクトロニカ/グリッジ、とにかく革命的な存在だった。全身を音で振動させる凄まじいシューゲイザーノイズドローンが一時間。My Bloody Valentine「Made Me Realise」のライブでやるあの轟音ドローンとはまた違う、郷愁とか水中を思わせるポップなドローン。これを圧倒的な音量音質で体感できる幸せ。


立って聴くのを早々に止めて隅の方に座り込んで目を閉じる。川の中、それも上流の方、早い流れの中に頭までを浸して、濁流が体を包む感触をただひたすら感じる。その内その濁流に包まれる感が面白くなってきて、いつの間にか風景は上流の川の中ではなく、流れるプールに変わっている。流れるプールの流水吹き出し口の部分に掴まって水圧に抗ってみる、押し寄せる水圧が体の周りをごわごわごわごわと流れていく、子供の頃にやったあの遊びのようだ。音圧と水圧が似ていると感じた初めての体験。



Fennesz - The Colour of Three



ヤン富田

かなり前に一度観たことがあるような気がする。ジョンケージ「4:33」のカバーを「Radio Edit」とか言って2分で切り上げたりしてたな。「実験をやるのだけれど何をやるのか先に説明しておかないと面白くないでしょほら」とかただの胡散臭いオヤジモードでライブ前にLSDについて解説を始める。「LSDで意識の拡大が実験されてきたが、自分はLSD無しの音楽でそれをやる、脳波を音に変えるんだよね」と胡散臭い詐欺師だか宗教法人みたいな語り口で説明を終えた後、脳波提供役の人がベットに入り、頭に脳波をピックアップする器具を付けられる。その作業を手伝っているのが、HIPHOP最高会議の千葉隆とコンピューマ松永耕一。「ほらヒップホップって縦社会だから俺に文句言える奴なんかいないでしょ」、ますます胡散臭い。


15分位してようやく音が出る。シンプルなリズムをループさせて、その上にAdrian Sherwoodばりの物凄い低音(メロディーは自動生成しているらしい)を出しながら、SF的なシンセをぴゅんぴゅんやってるだけの時間が結構長い時間続く。スクリーンには花火とか星雲を映して如何にもチープなサイケデリック演出。


日本語ラップの創生期のいとうせいこう仕事とかCornelius経由でヤン富田を知った世代だから既に神格化されていたけれど、何ともREPHLEX感溢れる胡散臭いすっとぼけトリップサウンドで、まあ彼がオリジネイター世代なんでしょうけれども…、みたいな感じで舐めた感じで聴いていたら急にお腹が痛く緩くなって、まあ一部の感覚が鋭敏になったという意味では意識の拡張状態に入ったかもしれない。


そう、何もかもFenneszの轟音シューゲイザーノイズドローンの後にやったら全部浅くなっちゃうんだよなあ…と思いつつ観ていると、「地球の周回軌道を離れて更に遠くへ行きます」とアナウンス。そこからミニマル冨田勲になってあーこれいいわー気持ちいいわーとなって、更に「ワープします」のアナウンス。音もスクリーンの画も「2001年宇宙の旅」の木星ワープそのまんまなサイケデリアなんだけど、もう乗っかって楽しむしかない、このビッグウェーヴに没入しないと負け、そう気づいた瞬間に気持ちよく飛べた。


スペーストリップが終わった後、観客が呆然としていると、「拍手してくれないからアンコール出にくいじゃん」とか言いながらまた胡散臭いオヤジが出てきて再度トリップ開始。アンコールが終わる頃にようやくこのおっさんの味が分かるようになって、寧ろこの胡散臭さが愛おしさなのだと理解した。壮大な宇宙の旅の最後は、会場の観客、スタッフを交えて一本締めで終わった。DOOPEESスティールパンなど一切無く、ひたすら脳波とコンピュータが生成する電子音での宇宙トリップでした。




Yann Tomita sonarsound Tokyo 2006 day3 encore song


YANN TOMITA Live!! 11.01.2009 Osaka Japan


YANN TOMITA - Live Cut Up - Radio Music For Inevitable Chance 12-04-93 Version




liminal

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THE WAITING ROOM

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Seven Stars

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素晴らしい偶然を求めて

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