Aerodynamik - 航空力学

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観覧記録 東京女子流 TOKYO GIRLS' STYLE『LIVE AT BUDOKAN 2013』@日本武道館

http://news.dwango.jp/?itemid=4636



最近ある女性に誘われて二人でカラオケに行ったらひたすらABBAなどを歌われてちょっと怖かったのだけれど、そこで「Dancing Queen」で歌われるそのクイーンが「young and sweet only seventeen」だと知った。ダンスフロアのクイーンはスウィートなセブンティーン。そして東京女子流、昨年と同日の三連休の真ん中に二度目の武道館。こういう押さえ方ができるavexの強さ。BABYMETALが来年3月武道館2daysを発表して、ももクロから東京女子流が奪い取った女性グループ日本武道館公演最年少記録はBABYMETALに更新されることになったが、彼女達もようやく17歳近くまで成長した。17歳の女子流にはアイドルディスコクイーンに相応しい音を鳴らしていてほしい。


こういう節目節目のライブでは土方松井バンドがバックを務めるのが定例の様になっていたが、今回は土方氏が別の仕事のため、事前にBuono!バンドのDolceメンバー中心であることがアナウンスされていて、忘年会で「え、じゃあギターは田渕ひさ子か」「それは『初恋サイダー』のPVだけ」というお約束的な遣り取りになってひとしきり笑った事がいまじわじわと楽しい思い出リフレインみたいになっている。



あまり余裕なく会場に入ると、客入れSEの選曲が80年代MTV感のあるガールズロックからマイリー・サイラス、ケイティー・ペリー辺りまでのアメリカンアイドル固めで面白く、もっと早く会場に入ればよかったといきなり後悔。気分の盛り上げ方としてこの選曲はとてもいいよ。



Kim Wilde - You Came

Joan Jett & The Black Hearts / Bad Reputation

Belinda Carlisle - Heaven Is A Place On Earth

Hilary Duff ft. Haylie Duff - Our Lips Are Sealed

Katy Perry - Hot N Cold

Miley Cyrus - Girls Just Wanna Have Fun

Miley Cyrus - 7 Things




去年の簡素なステージと違って、舞台もスクリーンも照明も投資されていてそれなりに立派に。しかし座席はステージサイド、2階が視界を覆う1階スタンド奥の席を引いてしまったため、音が入ってこない。低音も聞こえない。バンド演奏の質や違いをじっくり楽しむことは諦めざるをえなかった。それを前提で書いておくと、演奏は割と遊びの少ない端正なもので、たまにギターソロが土方トレースで鳴くくらい。パーカッションはオケ重ねだったが、折角の生バンドで生パーカッションがいないのは結構痛い。もっと言うと女子流ライブを生演奏でやるのなら生ブラスが欲しい。是非欲しい。東京繋がりでcutting edge所属だし、いつかスカパラとの共演を是非観てみたいのですが。



ライブは最初から「Attack Hyper Beat Pop」「W.M.A.D」と飛ばし気味にスタート。前回の武道館公演の衣装は今言うと酷いものだったが、今回はどれもステージ衣装らしいいいセンス。年齢的にスタイリッシュなものとアイドルっぽいゴテゴテしたものを両方着こなせるところに来たか。中江友梨が「声変わりで声が低くなったし、最近腰も痛いし、おばさんくさくなった」とMCで言い出し、声の事に触れてひやっとしたが、「昔はもっと可愛らしく元気だったのに」「やばいよね」と周りも普通に同調してそのまま進行。中盤は大人ゾーン、「月とサヨウナラ」「Regret.」「運命」の固め打ち。ここで低音が聴こえないのがくやしい。「月とサヨウナラ」ではスクリーンに深い青の空、大きな月を映し、照明を落としてメンバーはシルエットだけで例の椅子セクシーダンス。いやいやちょっとやり過ぎかと思ったがまあ意欲的。


大人ゾーンが終わり、メンバーが捌けてバンドだけで渋めに「追憶」を演奏した後、遂にMaltine Records×東京女子流「Maltine Girls Wave」のソロ楽曲へ。スクリーンにPVを映し、一人一人が交代でステージに登場。一発目の小西彩乃はがちがちに緊張しながら何とか歌い切る。客も真剣に見守ってちょっと緊張気味な空気のところで、二人目新井ひとみ、「次はひとみだよー!」と明るく登場して空気を一転させる。それまで全く使われなかった花道やステージ横まで舞台を走り回り、tofubeatsとokadadaによるディスコトラック「マジ勉NOW!」で「だっちゃ!」「だっちゃ!」とコール&レスポンス。まあこの人のアイドル力は凄い。新井さんのどこまでも安定したヴォーカルとステージ上の表現力がこの一年の女子流を支えたと言ってもいい。男性ラップもファンが嫉妬しないレベルで作り込まれていてとても好感が持てるが、この辺りはアイドル事情の分かるtofubeatsくんも相当気を使ったようで、ブラックビスケッツを意識したとのこと。曲に対してPVの世界観がずれすぎなのが惜しい。中江友梨はPV同様白い風船を沢山持って登場、ちょっとピュアな演出。banvoxと山邊未夢のベースミュージックには客の反応が薄くやきもきするが、ラストの庄司芽生ではチップチューンが年齢層高めのドルオタでも耳慣れしているためか(実機で)、oioiとコールまで入って、結果的にこの曲が一番オタとの親和性が高かったという驚きの結果に。




fazerock / Maltine Girls Waveより「Spica feat.小西彩乃 & 生活必需品」Web Ver.

dancinthruthenights / Maltine Girls Waveより「マジ勉NOW! feat.新井ひとみ」Web Ver.

Avec Avec / Maltine Girls Waveより「Day By Day feat.中江友梨」Web Ver.

banvox / Maltine Girls Waveより「Umbrella feat.山邊未夢」Web Ver.

Gigandect / Maltine Girls Waveより「Kawaii Rave feat.庄司芽生」Web Ver.




ソロコーナーが終わった後、四人がステージへ、そしてステージ一番上の高みにせり上がってきたのはなんとドラムセットと小西さん。曲は、東京女子流2013年の方向性不在の迷走を象徴する、LUNA SEAのJ提供の「Get The Star」。昨年の武道館で告知された「東京女子流のスレスレTV!」(全6回)で、小西さんがV系バンドのナイトメア楽曲のドラムを全くの素人状態から猛特訓の末一ヶ月でマスターし、ナイトメアのドラマーRUKAからステージ哲学のアドバイスを受け取り、ドラムテクニックだけではなく自身の喉の不調で失っていた自信を取り戻す感動的な回、それを番組の企画で終わらせずここに持ってきた。観客の目線はもう小西さんにしかない。誰もが彼女を見守った。とても安定した演奏。Dolce今村さんとのツインドラムかと思ったら、今村さんは立ってずっとタンバリンを叩いている、そして小西さんは一人で安定したドラムを叩きながらマイクで歌っていた。本当にびっくりした。森高千里!CCB笠浩二!いや、マイクは上手寄りにセッティングされ、ドラムを叩きながらマイクに顔を寄せて歌う様はそれこそ高橋幸宏的な色気すらある。客が爆発しない訳がない。あれほど不評だった「Get The Star」を、完全にこのライブ一番の見せ場へ持っていった運営の機転と、小西さんの一年が今最高の物語となった瞬間に、全身鳥肌が立った。因みに、武道館にはナイトメアからの花も届いていた。律儀な男だ。



「問題作、禁断の三部作」と言い切って観客を動揺させる中江さんが実にいい味を出している「Partition Love」、そして本編最後に「ヒマワリと星屑」。最後のMC、話の流れでさらっと山邊さんが「レベルアップのため春からメンバー全員上京して頑張ります」と重要な事を言う。あまりにさらっと言ったので聴き間違えたのかと思ったが、間違いではなかった。


後半の「ヒマワリと星屑」「おんなじキモチ」「キラリ☆」では小西さんのパートを殆ど中江さんに変更させるという辛い決断があったが、喉への負担と彼女の葛藤と疲労を鑑みれば、何故もっと早くそうしてあげられなかったのかとも思う。声変わりの時期は誰でも苦労したはずだし、それはずっと続くものではないのだ。その代り、この日の小西さんはそのドラミングで最大の見せ場を与えられ、そしてそれを見事に務め上げた。大丈夫、自信を持っていい。



合間のMCでは、今年アメリカでデビューしたOne Direction的なサウンドの若手バンドR5の日本向けPVとして東京女子流出演バージョンが公開されることや、東京女子流主演の映画二本の特報予告などが公開された。「学校の怪談」シリーズが全国ロードショーな一方で、山戸結希監督「5つ数えれば君の夢」の特報の最後に上映館として「CINEMA RISE」のロゴがスクリーンに大写しになった時の、自分の中のエモーショナル感たるや。いやそういう世代ですみません。


R5 - (I Can't) Forget About You (Official Lyric Video)





そしてアンコールでは、来年のツアータイトルが「東京女子流 4th Japan Tour 2014 Royal Mirrorball Discotheque」、松井リミックスツアーであることが発表される。既にタイトルを聞いただけの時点で興奮が止まらない。「LolitA☆Strawberry in summer」などのSweetS楽曲カバーや、「Bad Flower」以降のロック路線への目配せ、さらに歌い上げバラードまでがこの日のライブから一掃され、本流のディスコティックへ立ち返っていた。私立恵比寿中学「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」カバーや「Get The Star」といった通番外のコンセプトを試行錯誤したこの一年の楽曲達を整理し、そして「Royal Mirrorball」をフロアで鳴らすのだ。Maltine Recordsもダンスフロアで機能してくれることだろう。この武道館以降のライブ、「COUNTDOWN JAPAN 13/14」や「大阪忘年会」では「Liar (RE:NDZ Remix)」「ヒマワリと星屑 (Yoshino Yoshikawa "Pollarstars" Remix)」も再び披露された。東京女子流がダンスフロアに戻ってくる。2012年の武道館公演を終えてからの数々の試行錯誤と迷走を、全てこの日の武道館公演でけじめをつけて素晴らしい公演にした、終わり良ければ全て良し、見事な整理と仕切り直し。


今年の東京女子流の個人的ベストトラックはTeddy Rileyばりのニュージャックスウィングを鳴らした「運命」と、Inner City「Big Fun」を引用した「ふたりきり (Royal Mirrorball Mix)」。来年のツアーがKevin Saundersonばりにエモーショナルにダンスフロアを揺らし、ディスコ/ニュージャックスウィング/ハウス/デトロイトテクノを横断するディスコティックなものになることに期待を抱かざるを得ない。「恋愛三部作」というキーワードがちょっと気になるけれど。




The King of New jack swing - Teddy Riley's(Guy)Hits Medley


Inner City - Big Fun


東京女子流 / 運命 -MV Short ver. + 30secSPOT-




余談というか、物販テントに福井勝山から羊羹業者が多分家族総出で「東恐女子竜羊羹」を売りに来ていたので、買わずにはいられなかった。皆一際大声で必死に売っていたので同情半分で買ったのだが、帰宅後に開封してみると、企画商品の安っぽさ皆無のしっかりしたデザインのパッケージ、外箱側面のデザインの茶目っ気、ピンクに銀箔押しの若手向けブランドっぽく作られた外袋、内側の個別包装の作り込み、持ちキャラに合わせた味とコメント(中江=ほろにがい大人の味 くるみ この食感わかる?)、本当にいい仕事をしていた。そして羊羹自体もしっかり美味しい。現地とは縁も所縁も無いアイドルと地元業者のタイアップ企画商品なのだから、既存定番商品にアー写とロゴをプリントしただけのものでも成立し得るわけで(カプリコとかはそんな感じ)、メンバーの個性まで拾って細部まで丁寧な仕事をパッケージとして仕上げたその姿勢に、物造りとしての矜恃を見る思いがした。
女子流公式が作った武道館グッズはEXILE感丸出しの黒地にゴールド/シルバーのケバいロゴ入りジャージ/Tシャツなどで、公式の方がそういうファンを意識したきめ細やかさが欠片もない感じがしたが、あるいはこれらの公式グッズは、武道館のステージに投資をした分、経費を抑えるためEXILEラインの業者にEXILEテンプレで発注せざるを得なかったのかもしれない。それだけの価値がある素晴らしいステージだった。


KyoRyu YOKAN
http://news-shops.com/products/detail.php?product_id=141


  1. Attack Hyper Beat Pop
  2. W.M.A.D
  3. ふたりきり
  4. Liar
    • MC1
  5. Don't Be Cruel
  6. きっと忘れない、、、
  7. 鼓動の秘密
    • MC2
  8. 月とサヨウナラ
  9. Regret.
  10. 運命
    • 追憶
  11. Spica feat.小西彩乃 & 生活必需品
  12. マジ勉NOW! feat.新井ひとみ
  13. Day By Day feat.中江友梨
  14. Umbrella feat.山邊未夢
  15. Kawaii Rave feat.庄司芽生
  16. Get the star(小西ドラム)
    • MC3
  17. Partition Love
    • MC4
  18. Mine
  19. ちいさな奇跡
  20. 頑張って いつだって 信じてる
  21. ヒマワリと星屑
    • EN
    • R5 PV
    • MC告知
  22. おんなじキモチ
    • MC告知2
  23. キラリ☆


Partition Love (通常盤)

Partition Love (通常盤)