Aerodynamik - 航空力学

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観覧記録 BELLRING少女ハート「からふりゅ Vol.8」 ベルハー/3776 2マンライブ@目黒鹿鳴館

http://ameblo.jp/ayano-yanagisawa/day-20140211.html


@kazywatanabe
田中紘治 - AqbiRec
明日の「からふりゅ」はベルハーと3776さんだけかもしれない。それならそれで伝説にするしかだけどさ。 link


ベルハーの月一主催イベント「からふりゅ」の出演者は過去の実績を見ると毎回4組、しかしこの日の対バン相手は富士山ご当地アイドル「3776(みななろ)」しか都合が付かず、結局イベントは2マンになった。しかしそのお陰で時間はたっぷり確保され、主催のベルハーは一時間半、ワンマンライブ並みの時間をかけて持ち歌全部出し。3776も45分と対バン最長ライブ。オルタナロックアイドルの再極北をこんなにも贅沢に味わえることになるとは。


20140211 BELLRING少女ハート&3776 トーク&ライブ「べるなろ」@目黒鹿鳴館





初めてV系の根城というイメージしかなかった目黒鹿鳴館へ。メインスピーカーがTurbosound TMS-4の四本立てという素晴らしい絵面で、興奮を抑えきれず3776メンバーだけでなく石田プロデューサともスピーカーとの2ショットを撮らせていただく。




イベント昼の部。ベルハー朝倉みずほは発熱のため休み。イベント途中に朝倉から田中プロデューサに「熱は下がって3.6度8分」とLINEで連絡が。その体温はもはや死体。ベルハー宇佐美萌の提案でいつもの衣装ではなく私服ライブに。3776もついでに私服。井出ちよのの足が長くてびっくりする。

  1. 私の世界遺産
  2. 心配のタネ
  3. 君と一緒に登りたい
  4. やっぱり君はそうさバッチリさ
  5. わかってよねえ先生


ベルハー/3776ともに二曲披露してからトークコーナーへ。イベントのホスト慣れかベルハーのトーク回しが巧い。定番の年齢ネタから入り、2ユニットがバラバラになり上手から年齢昇順に並び直してトーク再スタート。一番下手となった23歳柳沢あやのが自己紹介で「今『着エロ』にはまってます」とか言い出して上手側の中学生達に悪影響。


3776の自己紹介兼クイズコーナー、「3776とは?」にベルハーから「富士山の面積」「体積」「お茶の生産量」と適当な回答が続出。3776メンバーは富士登山をしたことが無い。井出ちよのが「五合目まで車で登って遊歩道を散歩してメロンパンを買ったことがある」とアピールするも、周囲が期待する富士登山エピソードからは遠い。お勧めの食べ物として、その五合目「あまの屋」で売られている富士山の形をした「富士山めろんぱん」と、道の駅「あさぎり高原」で売られている「こけももソフトクリーム」、そして富士宮焼きそばをピックアップ。ベルハーメンバーはやはり未知の存在「こけもも」に食い付くが、3776メンバーも今一よく把握しておらず「甘い」「酸っぱい」「辛い」など統一感の無い答えで謎のまま放棄。クランベリーに似た感じのあれなら多分酸っぱいのだろう。
3776の定例ライブ会場は富士山本宮浅間大社の近くの広場。「是非来てください」「行くよ行くよー!」とその場でベルハー田中紘治プロデューサに出演許可を得る。田中Pがステージ上から3776の石田プロデューサに「今後の展望など訊かせてください」とテンション高めに問いかけると、「展望は無いです。まずは見せられるだけのものにする。一歩一歩登って行く、まずは五合目まで」と冷めたリアリスト的な低いテンションで石田Pが返す。面白い対比。



20140211 BELLRING少女ハート 月イチ定期主催「からふりゅ Vol.8」@目黒鹿鳴館



イベント夜の部。先発は3776。

  1. mi-na-na-Rock II
  2. やっぱり君はそうさバッチリさ
  3. わかってよねえ先生
  4. 君と一緒に登りたい
  5. みにきて!
  6. もぇもぇ片想い
  7. 心配のタネ
  8. 私の世界遺産


3776 - 私の世界遺産


3776 - 心配のタネ



Cornelius好きをど真ん中でロックする変拍子カウントアップ「mi-na-na-Rock II」で登場。3776楽曲はCDで聴くよりライブで聴く方がストレンジ感がある。「わかってよねえ先生」のうねりまくる303ベースライン。全体的な青臭さが「Futurama」リリース直前のスーパーカー的。ギターカッティングとサイドステップの振付が過剰に可愛い「みにきて!」、アップテンポなトランスで振り付けはパラパラで「萌え萌え」と歌いながら途中で演歌調になったりとやりたい放題に電波系をおちょくった「もぇもぇ片想い」は近田春夫的ラップでマイケル・ジャクソンへのあまりに遠すぎる片思いを歌う。全てがストレンジ。


3776楽曲のストレンジさ、石田プロデューサの偏執めいた展開の多さや変拍子、そしてストレンジなのに触れがたいほどの崇高なピュア感があるのは、泥臭いプログレというよりもXTC鈴木さえ子、それに「心配のタネ」のタイトルといいサビのメロディといい、チャクラとか小川美潮とかあの辺りが源泉な感じがする。なお、石田プロデューサに何となくルーツ的なものを伺ってみるも、「何か一つに深く入り込むより雑食タイプなのでこれといった物は無い」とのこと。中田ヤスタカ同様、こういう定義の囲い込みを嫌うタイプの方のようだ。こういうものは実際種明かしをされてしまうよりもファンがあれこれ言っているだけの方が楽しかったりする。




そしてベルハー登場、90分の持ち曲全曲出し、壮絶なるライブスタート。ベルハーと3776が客席に降り、「Tech Tech Walk」でオタの作る手のアーチの下を列になってぐるぐる歩く。白昼夢みたいなドライサイケなアレンジと相まって甘美な終末の楽園。「ライスとチューニング」は朝倉みずほのラップ曲なのだが、もはや怖いものは何もない、朝倉パートはオタがラップして埋める。この時の会場のオタが加わって成し遂げた空気、これは後から再現しようとしてもできない類のものだ。


「ベルハーは楽曲のマニアックさと稚拙なステージのギャップが魅力」なんて言っていたのは誰だ。そういう先入観こそ勿体無い。楽曲はマニアックというよりも、70sガレージサイケの雰囲気重視曲と、ストレートなオルタナロック曲の二枚看板があり、ロックのかっこよさ、つまり初期衝動とドラッグの部分をそのまま形にしたとても現場で伝わり易いサウンド。そしてその手のロックには端からヴォーカルの卓越した巧さなどオリジナルでも求められていない。稚拙さを売りにせずベルハーはただただ魂を歌うだけ、その歌の中に見せる人間性の弱さ不安定さ、そしてそれを聴く側が不安になるほどに剥き出しにすることで却って露わになる少女性の生々しさが持ちうる世界の強靭さ、オタを含めた会場全体で作り出す、サブカルの冷めた距離感とは無縁の強固で過剰な熱気、あらゆる要素が独特の世界観を作り上げているとんでもないステージ。下北沢や池袋の小劇場で観たあの恐ろしいほどの生臭い人間模様と、観客を巻き込んで作り上げる、その場にいてその場の空気を吸った者にしか共感しえない濃密な楽園。物凄いものを観た。スピーカー前で上着もネクタイもシャツも全部脱ぎ捨てて踊った。独自の世界観を大切にしているユニットの魅力は15分の対バンでは伝わらない。



@kazywatanabe
田中紘治 - AqbiRec
ここまでやれるんだなぁというライブでした。 link
@kazywatanabe
田中紘治 - AqbiRec
3776さん、思い切ってお誘いしてほんとよかった。素敵だ。 link


BELLRING少女ハート - c.a.n.d.y.


2013-10-24 BELLRING少女ハート 「the Edge of Goodbye」


BELLRING少女ハート - LIVE @ ゆるフェスモ!「アイスクリーム」


2013年12月25日 アイドルサンタの贈り物 ストレートにBlur「Song 2」を引用した「c.a.n.d.y.」、8:30から。




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