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観覧記録 BABYMETAL「黒い夜 LEGEND “DOOMSDAY” 〜召喚の儀〜」@日本武道館

http://natalie.mu/music/news/111338


  • 20140302 BABYMETAL「黒い夜 LEGEND “DOOMSDAY” 〜召喚の儀〜」@日本武道館


電子音とクラブトラックとクラウトロックニューウェーブばかり聴いてきて、アラフォーになった今更遂に初めてのメタル現場に足を踏み入れるみたいな妙な緊張感を持って観に行った。ドレスコードはイベント名からして黒だろうと思うが、クローゼットを探して見つかった黒TシャツはUnderground Resistanceロゴの一枚だけだった。


開演前、Dream Theater「Live At Budokan」が流れる中、骨バンドの人達がモッシュピットを煽る。アリーナ中央に赤と黒に塗られた巨大な魔方陣ステージを配置、その周囲をモッシュピットに設定。ステージの上にはやはり360度分のスクリーンとスピーカーが設置される。暴れたい奴はアリーナで、そしてスタンド席はどの位置でもステージを堪能できる、ああこの配置が武道館の本来の使い方なのだと納得。

ライブ中は魔法陣ステージが回転するわ上下するわスタンド二階でも熱を感じるほどがんがん火を噴くわレーザー飛びまくりだわで、贅沢に投資されたものが期待された効果と迫力を生む美しくも恐ろしい精度の演出。初日にYUIMETALがステージから落ちるというとんでもないアクシデントがあったが、翌日にはステージ外周の狭い通路部分に柵が設置され、四方の突端には蛍光テープが貼られる素早い対応。おかげで2日目もこの変形舞台に委縮することなく走り回るYUIMETALとMOAMETAL。「初めて観たくせに全編神バンドとか贅沢だな」とさくら学院父兄に言われたとおり、当て振り骨バンドではなく、神バンドの生演奏。6弦ベースソロがクール過ぎる。


メタルを名乗りながら割と曲調は何でもありの幅広さというか間口の広さで、それでもそれぞれのジャンルリスナーがオマージュを楽しめるレベルで作られている。ネタものはどこまでも全力で作り込んでこそ価値があるし、作り込みが甘ければそのジャンルのリスナーから嫌悪される、しかし本気で狭義のメタルを突き詰めれば大衆に相手にされない。アイドルオタとHR/HMオタ、その外側にいるJ-POPリスナーまでが楽しんで聴ける、とんでもなく難しい物を作り上げるバランス感覚。このバランス感覚は誰が見てもAmuseがPerfumeで積み上げてきたノウハウそのもの。当たり前のように、2007年頃のアイドルオタとクラブミュージックオタが入り混じって混沌とした熱気に満ちていたPerfume現場を思い出した。
そしてポゴダンスやモッシュ、ストームはアイドル現場でもよくある光景で、アイドルオタとHR/HMオタが両方入って騒げる環境。曲や振付、お約束のコールやミックスなど何一つ知らなくても騒げる相性の良さ。ステージ上で「ヘドバンヘドバン」と歌っていも、スタンド席レベルでは誰もヘドバンなどしないが皆両手のキツネサインをフィストバンギングしていて、あそこまでがっつりダンスミュージックを鳴らしてもスタンド席の客が踊らなくなり、延々と笑顔で手拍子し続ける薄ら寒い光景がスタンド全体を埋め尽くすまでにその規模を大きくするに至った今のPerfumeのライブよりもよほど観客席のライトな熱気が面白い。タイトルのX-JAPAN「青い夜 白い夜」から始まって、最後は倒れ込みからの銅鑼で終わる、一つ一つ作り込まれたオマージュネタにHR/HMオタが爆笑している、非メタルリスナーも世界観が周到に構築されているのを感じて楽しめる、そういう物が「アイドルを出汁に使った大人の悪い遊び」で終わらないことは素晴らしい。


好事家が喜ぶ音楽やコンセプトを掲げるアイドルは沢山存在するし、それぞれが面白い活動を展開しているのを楽しんでいる、そんな中でこのライブには「ああこれがAmuseという大事務所の力か」という、創造意欲だけでは届かない領域があることをまざまざと見せつけられたショックもある。インディーズアイドルを見ていれば、こういうHR/HMサウンドにアニソン的な過剰なポップさを加えた楽曲をメインに活動するユニットは本当に沢山いるし、そしてそれらは「ロックアイドル」として認識される以前に寧ろ「無個性」として認識されてしまう。ハレパンやメロン記念日などの歴史を紐解くまでもない。それこそBABYMETALと同じ様な面子も楽曲提供をしているBiSや、或いはひめキュンフルーツ缶などがそれでも最も知られる存在という現状がある。


ただ、こういう存在が、好事家のための色物スカムカルチャーに留まるか否か、その一線を越えるには、日本人の思想の根底にある、不完全で幼稚な表現を愛でる、そういう美学を解しない人達にまで突き抜ける説得力が何か一つ必要だ。アイドル×メタルのギミック性と世界観の徹底した作り込み、MIKIKO先生による由結最愛をファンネルのように使うコミカルなコレオグラフ、そういう物をコンセプトから模倣しようとすればできるかもしれない、けれど最終的にBABYMETALの存在に説得力を付与する最大のピースは中元さんのあの声なのだ。色物としての色眼鏡評価を捩じ伏せる何らかの圧倒的な力、それはBABYMETALについて言えば間違いなくSU-METALのあの声だ。




@BABYMETAL_JAPAN
BABYMETAL
BABYMETAL Live at BUDOKAN on March 1-2,2DAYS!! Photographer Dana Yavin from NY shooting them.http://t.co/cGOwMyembW http://t.co/O867oOT5aM link
@mikiko_san
MIKIKO先生
BABYMETAL、武道館2days無事終了‼︎
3人の命を削ったパフォーマンスに胸を打たれました 。
良くやった‼︎
BABYMETAL japanにも期待death
link




BABYMETALのいつものMC代わりの紙芝居、そして「メタルの神キツネ様が巨大組織アイドルと戦うべくこの世に遣わしたBABYMETALのメタルレジスタンスは、メディアを席巻する国民的マエストロと日本を支配する巨大勢力アイドルまでもがキツネサインを掲げたことでその目的を完遂した」というMステ初出演ネタをもって国内活動を一旦終了、というのはとても良くできたシナリオだった。YUIMETALとMOAMETALの聖誕祭の会場が「EUROPE」と表示された時の会場のどよめき。さくら学院本体の活動を考えるとここで綺麗に終わってもいい、ライブ後最寄のさくら水産さくら学院父兄が口を揃えてそう主張した、それほどに完璧なシナリオ、完璧なライブだった。



@takeuching
たけうちんぐ
BABYMETALの"第一章"完結を告げるムービーにブワッとなった。「やがて、メディアを席巻する巨大勢力"アイドル"までもがメタルレジスタンスの象徴=キツネサインを掲げるのであった」…『Mステ』のこれですね。 http://t.co/f10oR4lkCz link
@Katsuken5150
かつけん。’14
これね #BABYMETAL http://t.co/HC8aDTuAMC link




@KerrangMagazine
Kerrang! Magazine
@BABYMETAL_JAPAN who does your press? link
@savage_headbang
『ヘドバン』編集部
「KERRANG!」側からコンタクトって、BABYMETALへの海外メディアの反応が想像を超えてるw アルバム『BABYMETAL』“K”1つ上等。日本と同じく賛否両論渦巻かせて欲しい。賛辞だらけなんてBABYMETALらしくないし。 link
@jamesjammcmahon
James McMahon
New Kerrang! cover. Out Wednesday! http://t.co/Vt3qWy7eM2 link
自称「世界で最も売れているHR/HM誌」である英Kerrang!表紙右上に「BABYMETAL WHO? WHAT? WHY?」。さくら学院父兄の想いとは別のところで色々と反応が始まっている模様。




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