観覧記録東京女子流 HARDBOILED NIGHT 第1夜「The Narrows 天使と罪の街」＠赤坂BLITZ

http://tokyogirlsstyle.jp/live/detail.php?id=1016422
http://natalie.mu/music/news/121181

20140713 東京女子流 HARDBOILED NIGHT 第1夜「The Narrows 天使と罪の街」＠赤坂BLITZ

松井寛ソロアルバムに収録された大野雄二ネタのダンディズムソウル「Count Three」、これを東京女子流が「Royal Mirrorball Discotheque」ツアーでカバー、そこから発展して、全5回の「ハードボイルド私立探偵物」という定期ライブを越えた企画シリーズへ。

Count Three -TGS verion- (4th JP TOUR_Shibuya AX)

Count Three -TGS Version-[7inch Analog]

アーティスト:東京女子流
JET SET

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三つ数えろ [DVD]

ハンフリー・ボガード

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チャンドラー「大いなる眠り」のハンフリー・ボガートと目眩く美女たちによる映画邦題が「三つ数えろ」で、各回のタイトルもチャンドラーを元としたネタ固め。いやーこれ好きな人には堪らないだろう。村上春樹新訳は買って積んだままだ、消化しないと。

The Big Sleep trailer

東京女子流 / 5ヶ月連続赤坂BLITZ LIVE「HARDBOILED NIGHT」ティザー映像

第1夜「The Narrows 天使と罪の街」

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第2夜「The Big Sleep 大いなる眠り」

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第3夜「Devil in a Blue Dress 青いドレスの女」

ブルー・ドレスの女 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

作者:ウォルターモズリイ
早川書房

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第4夜「Farewell, My Lovely さらば愛しき女よ」

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第5夜「Promised Land 約束の地」

約束の地 (ハヤカワ・ミステリ文庫 110-3 スペンサー・シリーズ)

作者:ロバート B.パーカー
早川書房

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東京女子流とハードボイルド、ティーンエイジャーに最高に渋くクサい演技でクサい決め台詞を語らせるギャップが面白なハードボイルドムービー、そのムービーの合間に渋い選曲固め、女子流史上最高に面白いコンセプトライブ。ムービーの雰囲気を壊さないためにぐだぐだなMCも一切無し。衣装も山邊さんの好きそうなモノトーンの露出多めでシルバーアクセが目につくスタイリッシュ（とはちょっと違うけれどそういう方向性を目指している）。初主演映画「5つ数えれば君の夢」でメンバーに「世界観」ごと演技させる面白さをスタッフが掴んだようだ。アスタライトの反応には相当手応えもあったのだろう。

低予算で短期間制作のショートムービー×5本でも、制作側が初めから子供ギャングのお笑いムービーを作ろうとしているのではなく、ハードボイルド様式美を手当たり次第詰め込んでいるからこそ、メンバー達との極端なギャップも笑いになる。マフィア役の山邊さんが他ファミリーの雇われ刺客と対峙してあれこれして、最後に引けた腰でコルトM1911とトンプソンM1921「シカゴ・タイプライター」をぶっ放す下りは最高だ。やっぱりギャングが使うのはこれじゃなければ。新井「この街には天使が多過ぎる」庄司「本気で女を口説きたいならね、バラの花束位買ってくるものよ」「女が真実を語るのは惚れた男だけよ」。第1回分で酒場と女主人、路地裏、美しい女、銃撃戦。映像も低予算なりにエフェクトでノワール感。摩天楼と雑踏、雨と夜、仁義、愛、記憶、信義と約束、黒社会の美学、そして食事シーン、あと4回でこれだけ詰め込んで来そうな期待感すらある。

酒場の女主人小西さんがカウンターで一人静かに「Mine」を口ずさむ、そこに歌姫庄司さんが「本当はアヤノの方が歌が巧いのにごめんね」「少しだけでいいから一緒に歌ってよ」、そして始まる悲しげに爪弾かれる「Killing Me Softly」のイントロなど、虚構にうっすらと現実を盛り込むファン鳥肌のサービスもなかなか。

5公演毎回披露される新曲、今回の「GAME」もテーマに沿って「Limited addiction」「Liar」の美味しいところ取りのクールな曲に仕上がり、5枚カットされる7インチにはEspeciaファンにもお馴染み「マセラティ渚」のPellyColoによる「アーバン度120%増しのクリスタル・ディスコ・ファンク」が収録されるなど、今年の女子流の方向性の絞り方が面白くて仕方がない。