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Aerodynamik - 航空力学

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観覧記録 ライムベリー主催イベント「TOKYOPLAYGROUND」Vol.5/Vol.6@LIVE labo代々木

music idol rhymeberry

http://yaplog.jp/rhymeberry/archive/89
http://natalie.mu/music/news/124554
http://realsound.jp/2014/09/post-1349.html



  • 20140914 ライムベリー presents TOKYOPLAYGROUND Vol.5@LIVE labo代々木



ライムベリー主催イベント3ラウンド目、コショージメグミ初ライブ、そしてGOMESS登場。

信岡ひかる

「夢をかなえてドラえもん」が物凄いパーティートラックになる唯一の現場。1部では妖精感あふれる真っ白なドレス、背中に大きな羽が付いていても何の違和感も無い、そして澄んだ空気感と一体になるクリアハイトーンの歌声。2部ではがらりとその印象を変え、肩とデコルテを大きく開けた虹色のドレスとハイヒール、170センチの身長でさらりとそれを着こなす「DJ HIKARUのお友達」信岡さん。セクシーさよりもモデルの様な凛とした佇まい。ライブ後の飲みで何よりもまず最初に「どちらの信岡さんが好きか」を小一時間語り合わずにはいられない。小鳥遊ちひろさんのデザインによる小さくティアラを配した缶バッジが物販に並ぶ。


コショージメグミ

http://ameblo.jp/cosho-ji/entry-11925672025.html
https://twitter.com/COSHOTaaaaN/status/511097985262829569


この日はBiS解散後最初のコショージメグミソロライブだった。BiSの中にいて一人ポンコツだのフショージだのと呼ばれ、「コショージはバカで何もない」と大森靖子にブロスに書かれ、それでも妙に愛される彼女。今後「book house girl(仮)」として活動していく、それ以外にはどういった内容の活動を行うのかも事前に全くアナウンスはされていなかった。ステージにテーブルと椅子が並べられる、蒼い照明の中で「天空の城ラピュタ」から「君をのせて」を歌いだす。調子外れのその歌に対してではなく、ソロで現れて突然その曲を歌いだした訳の分からなさに少なからず小さな笑いが所々で起きた。椅子に座るコショージ、マイクスタンドのセッティングに散々梃摺った後、「サクライさんからインストを貰って、それに文章を書いてきたんですよ。それを今日はやります」。何が起こるのかさっぱり状況が読めなかった。サクライケンタの淡々とした音響ミニマルピアノトラックが流れ出し、しかしコショージはずっと黙ったままだ。このまま何も始まらないのではないかというどよめきの中では、その時間は非常に長く長く感じられた。そしてようやくコショージが言葉を発する。「私はもう何度も自分を殺してきた。」




テーブルに置かれたiPhoneとノートに書かれたリリックや単語の断片を、静かに、時には慟哭を交えながら内省的に言葉にしていく。ポエトリーリーディングといえばそうだけれど、他人に聴かせるというよりも彼女自身の内面に語りかけるような私的な空間を覗く奇妙さ。彼女が書いた詩と、BiSに加入してからこの日までの日記の断片が読み上げられる。「笑えないなら死ねばいいと小学校の時から教わって生きてきた」「ホームレスから買った猫」「煮られる黒猫」、そして夢の中でのプー・ルイとの遣り取り「なんでBiS辞めたの?」、脳の裏側から襲ってくる単語一つ一つの不穏さ。これはフィクションなのか、現実なのか。ふと音が途切れ、「終わりです。コショージなりのラップをしに来ました」、唐突にパフォーマンスが終わる。


衝撃的だった。何も知らないが故に衝撃をそのままに受け取れたのだろう。本当に素晴らしいと思った。彼女を以前から観ている人は、最初の慟哭を「でんぱ組オマージュ」だと言った。そうなのか。帰宅してからコショージとでんぱ組のブログを読み漁る。でんぱ組メンバーのブログがいたって健全なアイドルに求められるテキストを要求通りに綴りつづけている一方で、コショージのブログには大きく何かが欠けた空虚さが広がっていた。BiSのメンバーとの楽しかった思い出の写真が沢山貼られているのは、それがアイドルブログに求められる要素だからではなく、彼女の空虚さを埋めてくれる瞬間を切り取ったものだからなのか。そして彼女の虚空のダム穴は、自らの肉体的な殻を制約にしか捉えられないほど存在自体が過剰すぎる人種にとってあまりにも魅力的だ。大森靖子やサクライケンタといった極度に過剰で精神世界を持て余しているようなクリエイターが、彼女に憑りつく様に魅せられていく。ブロスでの大森靖子の記事をもう一度読み直す。「コショージはバカで何もないから、誰の事も傷つけないし傷つかない。それって天才じゃないですか。こんな奴がアイドルになっちゃったってことが凄い気になって、最近、ずっと連れ回しているんですよね」。大森靖子の言う「バカで何もない」はスキルや知能の話ではなかった。コショージの中に広がる虚空のダム穴の話だった。鬼才を惹きつけるのはやっぱり奇才でしかなかった。


GOMESS

https://twitter.com/gomessthealien/status/511164399571066880
https://twitter.com/gomessthealien/status/511165500559089664
https://twitter.com/gomessthealien/status/511175455290830848
https://twitter.com/gomessthealien/status/511168365407125504


自閉症と生きるラッパー」という扱われ方は字面的にメディアが扱いたいセンセーショナルな物なのだろう、その記事のタイトルだけである意味勝ちな所がある。障碍者の存在と行為はメディア上で記事にするだけで美化される。普通の人が全く当たり前のようにできることを、同じようにやっただけで評価される。「24時間テレビ見世物小屋」といった言われ方もされて当然だ。しかしそれはメディアやテレビの中だけで、現実に生きる上ではそんな美化などどこにも転がっていない。全ての人間には得手不得手があり、不得手に「障碍」という呼び名が付くのは、その事象に病名が付けられているからにすぎない。病名が付かなければそれはただその人の不得手でしかない、世の中は誰にでも生き辛い。ただ世間は健常者に合わせて設計されているから、普通に生きるのにも負荷が大きい、それだけだ。見た目でそれと分からないタイプの負荷なら世間の配慮も無い。生きるためには不得手を得手で埋め立てる地味な作業を延々と、気が遠くなる位に延々と続けるしかない。得手が伸ばせるなら儲けものだ。80年代後半の煌びやかなデジタルサウンド全盛期に、金の無いシカゴの黒人たちが手にできる機材は、すでに過去の遺物と化したチープで単機能なアナログ機材、中古で投げ売りされていたTR-909TB-303しかなかった。圧倒的に不利な状況を背負って、そこで生き続けて、生き続けるのもやっとという日々の中で、何かを生み出せるのか。


GOMESSのラップは、ヒップホップの様式美やマナー、フロウの形の気持ち良さや固い韻、そういう所から遠いところにいる。フリースタイル、韻も踏まず、誰もディスらず、彼が社会と対峙し生きることについて淀みなく吐露する。いや、韻は踏みまくっている、そこにリズムの面白さを重心として置くよりも、彼のひたすら語彙を叩き出すようなスタイルが圧倒的に前に出て主張する。「高校生ラップ選手権」に出てくるような奴は全員日本語ラップが死ぬほど好きな愛すべきラップ馬鹿達だ、バトルの中で彼らはGOMESSのスタイルを容赦なくディスる。バトルとはそういうものだ。「韻を踏まない」「数小節も聞き取れない」、確かにそうだ。自分はヒップホップ畑の人間ではないから軽々しくラップを語るのは野暮な事だと分かっているが、それでも他の何かに例えるならば、気持ちのいい四つ打ちのハウスグルーヴが鳴っていたとして「でもこれは909や606の音色ではない」と言うようなものなのだろう。GOMESSのアンサーはこうだ、「クソ野郎とかクサ野郎とか ヤバ過ぎとか俺凄すぎ? 皆言ってるけど凡人は凡人」「抽象的な『マザー何とか』は聞き飽きた」、結局日本語ラップとしての様式美の上に立って勝負するか、独自のスタイルで勝負するかの違いだけなのだろう。


その場でフリースタイルの主題を客に問う、「誕生日」と客が返す。ライムベリーの「ウィンタージャム」のトラックに乗せて、彼が数日前に迎えた20歳の誕生日に際して「死にたいとは思わないけど生きたくもない」日常の中でラップを通して見つけた「自分の誕生日を祝ってくれる存在」と、自分の人生の意味を、一切の衒いも淀みも無くストレートに訴える、予備知識や様式美を排除した結果ただひたすらに強くシンプルなメッセージとしてそこに現れた彼のフリースタイルは、完全にライムベリーファンをロックした。伝わる、というのはこういうことか。物販に持ち込んだCDはあっという間に完売し、それでも彼にそのステージの感動を伝えたい列はしばらく途切れなかった。自分も顔を識別/記憶できない相貌失認の記憶障害持ちだから、彼と話したいことは色々あった。「自閉症と生きるラッパー」というその言葉は、メディアでいいように扱われるようになるかもしれない、しかしだからこそ、彼は前に出て彼自身を語ってほしい、言葉で勝負するラッパーならなおのことだ。

普通じゃねえって並はずれてる 皆が言ってる障害者のクズです
バカにしてる 鴨にしてる あいつは頭がイカレテル
my name is gomess 人間じゃねえ 孤独の世界からいつも見てる
笑って 泣いて 怒って 泣いて ヒトに紛れてもう18年


【MV】人間失格 / GOMESS (あいver.)



あい

あい



小池美由

http://ameblo.jp/koikemiyu/day-20140914.html


急上昇する知名度によってある程度のライブのお約束的な所が知れ渡ってくるとそのお約束でライブが湧くのは楽しいことで、でも「最後の曲です」「やったー!」に「ライムベリー!ライムベリー!」と続いたのはそれはやり過ぎだ。小池のステージはやはりそのMCパフォーマンスが本体で、ある程度のお約束がありつつも、毎回客をロジカルに組み立てられたテクニックで振り回す小池のトーク、そしてそのトークの中でも「誰か誕生日の人はいるかな?」「GOMESS!」「じゃあGOMESS君の誕生日をみんなでお祝いしましょうー」とGOMESSを組み込んで展開していくその様は、スタイルは違えどGOMESSと小池の出番を跨いだロングバースのフリースタイルバトルが続いているようで、この回のゲスト出演者、コショージメグミ/GOMESS/小池美由/ライムベリーというバラバラ過ぎる存在がイベントの中で一本に繋がったことにぞくっときた。


宇宙かくれんぼ 【通常盤 赤】

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BELLRING少女ハート

http://ameblo.jp/moechi0201/entry-11925006898.html
http://ameblo.jp/ayano-yanagisawa/entry-11924998598.html


狭いフロアの上手一つだけの空調ではどうにもならないくらいに恐ろしい熱気と湿度で、倒れるかと思って少し外に空気を吸いに出る時間が必要だった。Blur「Song 2」とフライデー襲撃事件、ロックであればなんでも面白い的なノリで詰め込んだ「c.a.n.d.y.」で踊り狂い、「ライスとチューニング」で、ああベルハーもラップ曲あるしこの日のイベントはコラボしないのか、と今更のように思う。しかしこの朝倉みずほの隙間感にライムベリーを乗せる訳にはいかない。12曲MC無しで駆け抜ける、そしてここでもう一度「c.a.n.d.y.」、サビ後のギターリフにライムベリーのラップが乗る、狭すぎるフロアがもみくちゃになってもう何だか訳が分からない。

  1. World World World
  2. c.a.n.d.y.
  3. 夏のアッチェレランド
  4. ボクらのwednesday
  5. ライスとチューニング
  6. サーカス&恋愛相談
  7. yOUらり
  8. Crimson Horizon
  9. the Edge of Goodebey
  10. Pleasure〜秘密の言葉〜
  11. Starlight Sorrow
  12. WIDE MIND
    • MC
  13. c.a.n.d.y. (ライムベリーコラボ)


BELLRING少女ハート - c.a.n.d.y.



Killer Killer EP

Killer Killer EP



ライムベリー

http://ameblo.jp/sakurai-miri/entry-11924982032.html



1部ではGOMESSが「こういう外見だけど声はでかいんで」とマイク無しの客とのコール&レスポンスをやってみせる、それに負けず嫌いのMC MIRIが反応し、まだ1部の前半だというのに声を枯らすリスクも考えず「あたしも声でかいし」と唐突にマイク無しコール&レスポンス。環ROYよりもずっと年が近く、そして「高校生ラップ選手権」の「バトルで勝ち上がって名を知られたラッパー」という存在に多大な刺激を受けているのが分かる。「全然足りない!今日いろんな所でライブやってるけどここが一番盛り上がってたって言いたいじゃん!」「まだまだいけるでしょー?天井低いから手を上げないとかないでしょ、怪我しても絆創膏位ならすぐそこにコンビニあるから!」とどエスな笑顔で挑発。
ライムベリーのステージは四ツ谷の一個小隊時代からMIRIの不安定な気分次第で激しく出来不出来が変わる、HIMEが安定した巧打者/アベレージヒッター、そしてHIKARUは見せ場は確実に押さえてくるラインドライブなだけに、MIRIの気分が乗りきらない、それは大抵午前中の話だけれど、そういう時はポテンヒッツを量産してくる。しかし活動再開から5ヶ月、高打率を維持しつつTIFのスマイルガーデンの様なビッグステージでガツンと行かすパワーヒッターなMIRIは観ていてとても楽しい。


この5ヶ月間だけ観ていてもライムベリーのラップショー現場のヤバさと沸かせるスキルは鋭角的に上がり続けていて、攻撃的でいてそれでもかわいらしさを放置しないアイドルラップ、フロアは芸なんて打っている暇も無く大騒ぎして汗だくでダンスしている、この熱を一言で形容し難いのが悔しい。狂った盛り上がりを見せる今のせのしすたぁが自らを「優勝」と形容したのは秀逸だ。実に秀逸だ。そして次の「TOKYOPLAYGROUND」はせのしすたぁとの一騎打ち。ようやく念願の「IDOL ILLMATIC/IN THE HOUSE」のドロップ、それに加えて昨年夏のWWWの倍の箱、新宿BLAZEで久し振りのワンマンライブも決まった、とにかくパーティーを続けよう、これからもずっとずっとその先も。 *1




BELLRING少女ハート&ライムベリー - c.a.n.d.y.(Live 140914)




ライムベリー - IDOL ILLMATIC


ライムベリー - 140802RBSONSMLGRDN


ライムベリー - IDOL ILLMATIC(Live 140622)


ライムベリー - IN THE HOUSE(Live 140427)



1部

  1. まず太鼓
  2. IDOL ILLMATIC
    • MC
  3. HEY! BROTHER(SHORT)
  4. ウインタージャム(ORIGNAL)
  5. Bright Light
    • MC
  6. IN THE HOUSE
  7. SUPERMCZTOKYO
  8. アンサーアンサー
  9. R.O.D.(HARD)


2部

  1. SUPERMCZTOKYO
  2. HEY! BROTHER(SHORT)
    • MC
  3. WE DID IT
  4. Ich liebe dich(2MC MIX)
  5. 世界中にアイラブユー
  6. IDOL ILLMATIC
  7. まず太鼓
    • MC
  8. IN THE HOUSE
  9. アンサーアンサー
  10. R.O.D.(HARD)
    • EN
  11. MAGIC PARTY
  12. c.a.n.d.y.(コラボ)

SUPERMCZTOKYO(初回限定盤)

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