読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Aerodynamik - 航空力学

はてなダイアリーからはてなブログへ移行中

観覧記録 ライムベリー「ザ・ライムベリーのジ・アイドルイルマティック、ダ・フリーライブツアー!」1現場目@タワレコ秋葉原

music idol rhymeberry

http://tower.jp/store/event/2014/10/097003rhymeberry
http://yaplog.jp/rhymeberry/archive/91
http://ameblo.jp/sakurai-miri/entry-11934445658.html
http://ameblo.jp/himemari5141225/entry-11934630177.html




今年4月末にライムベリーが8ヶ月ぶりに活動再開、その一曲目「WE ARE BACK!」がRUN-DMC「Walk This Way」に始まる大ネタ使いで「ああまたこの音源はリリースする気が無いな」と泣いて笑ってそれから数か月。それは本当に数か月なのかと言われても容易には受け入れられないけれど、確かにまだ半年しか経っていないのだ。色々な大人の事情と思惑の中でT-Palette Recordsを離れ、元々の大所帯ユニットからも離れて独立独歩となり、どちらにしろインディーズに違いは無いのだけれど、何故かもう彼女達は音源をリリースできない、そう感覚的に思い込んでいた。大人の事情でステージを去るアイドルを見過ぎたのだろう。その「何か」を待つ時間は恐ろしく長く感じられた。
2MC1DJになってからの彼女達のライブは鋭角さが馬鹿みたいに上がって、攻撃的なオールドスクールヒップホップやアシッドハウスやガバが鳴らされ、モッシュが起きる程熱い現場になり、一方で「IN THE HOUSE」「クオリア」などを初めとする高校生の今を切り取ったチル&エモーショナルなトラックもあって、馬鹿みたいに面白い新曲がまた披露されて、馬鹿みたいに踊って、それでもこのまま音源はリリースされないのだろう、だからそのステージは本当に一期一会のような気持ちでいた。ライムベリーのライブはそれこそ活動休止前以上に、毎回毎回持てる体力を全て使い果たすような、水泳競技で言うと400m個人メドレーようなライブばかりで、この一瞬一瞬を駆け抜けるスピードは目が回るようで、その一つ一つは濃密で、そして同じトラックでもその場の空気をフィードバックするライムスタイルは変化に富んで、この興奮をそのままパッケージする事なんてできない、これはこれでその場をこちらも全力で楽しんでいくだけだ。
ライブアイドルは現場が全てであり、特に丁寧に構築された音源よりも現場のラフなライブスタイルの方がよほど魅力的な事は当然として、そもそも彼女達はアイドルだ。ステージで眩いばかりに輝くアイドルなのだから、音源だけあってもライブでの姿を観て貰えない事には何も伝わらない。かつてのレーベルメイトだったアプガやリリスクやNegiccoがハイペースでリリースを続け、リリースイベントと称してバンバンフリーライブを打って一見さんを掴んでいくのを横目で見ているのは正直悔しかった。BiSは現場の混乱にこそ全てがあるユニットだったかもしれない、それでも「nerve」は音源として残り、今から、そしてこれからそれを手に取る人がいるだろう。MCAが亡くなっても、Beastie Boysの音源は次の世代でも聴き続けられるだろう。


過去にライムベリーのCDとしてリリースされたものを聴いても、そこにはへったくそでしょぼしょぼなラップが乗っているだけで、これと同じ人がステージで攻撃的でそれでいてキュートなライムを聴かせているとはとても思えなくて、まあそれは単純に当時のラップスキルの低さ云々ではなく、密室ブースの中で一人マイクの前に立つ録音スタジオと、フロアで最高のパーティを待つクラウドが集うステージの前でマイクを握るのとでは、環境条件があまりにも違いすぎるという話なのだ。だからライムベリーの最初のシングル「HEY!BROTHER」のカップリングに当時のフロアの空気そのままを切り取ったライブ実録を入れたのは本当に英断だと思う。これは何度でも書くさ。「wiki調べても無駄 最前線にて体験のみ優先されるラップショー」なのだから現場で体験しないと何も伝わらない、けれど3枚目の「SUPERMCZTOKYO」でようやくまともなライミングが音盤に収録されるようになった。もう胸を張ってCD音源を皆に聴いてくれと訴えたい、でも今、更に面白いこの最高の新曲たちはどうなってしまうのだろう、もっと外に広がってほしいのに、そういう葛藤ばかりが頭をよぎった。この一年ほど、ライブを観て愛着が湧いても音源がリリースされないままに活動を休止してしまったり、あるいはメンバーが入れ替わって活動が見えなくなったグループを立て続けに観ていた、現場こそ、などと言いながら音源のリリースを切望し続ける、こんな気分になるものそういうインディーズアイドルシーンの現状が先にあるからだ。伝説だけ残して音源が無い村八分のような存在なんてアイドルシーンに求めたくない。




それ故に、10月の月初に活動再開後のライムベリー初のシングルが自主レーベルからドロップされるとの報があり、しかもそれが最も今の現場を狂わせる「IDOL ILLMATIC」「IN THE HOUSE」の二曲だと知った時は本当に狂喜した。月初営業日なのに仕事終わりのスーツで終電まで大騒ぎしてライムベリーファンと祝杯を挙げた。ライムベリーのリリースイベントには一々「ツアー名」が付けられる。今回のツアー名は「ザ・ライムベリーのジ・アイドルイルマティック、ダ・フリーライブツアー!」。メンバーカラーとは違う三色の着ぐるみで街を練り歩く、なんというビースティスタイル。MIRIがぶら下げている時計のポーチはPublic Enemy唯一の盛り上げ隊長Flavor Flavだ。瀧だ、ベズだ。さあまた新しいパーティの始まりだ。


Beastie Boys - Alive


Public Enemy - Fight The Power




イベント一発目は情報公開後すぐのタワレコ秋葉原、無銭現場をふらふらしてるアイドルDDなんてもう週末の予定なんか埋まっている、これでは人を呼ぶのも大変だ、しかしこの瞬間を待ち望んでいたファンは現場で何か一発お祝いしようと色々仕込んで集まる。いつものように手の込んだイベント前の選曲、GOMESSや環ROYのトラックが流れる中、運営やタワレコ側と話をして、この演出はOK、これはNGと切り分ける、タワレコ秋葉原はジャンプ禁止を初めとしてあれも駄目これも駄目の雁字搦め、でも折角だからみんなでお祝いしたいじゃないか。


環ROY - Break Boy in the Dream feat.七尾旅人


RHYMESTER - The Choice Is Yours




観客は後ろの仕切り柵を越えて後ろまで一杯に膨らむ、ステージ横にも店員のコメントポップが詰まった名物ダンスミュージック棚の奥までぎっしりの人が集まった。時間ぎりぎりに始まったリハではタワレコの用意した机=DJブースが低すぎ、長身のDJ HIKARUのミニスカートの丈の方が机より上になってしまう、機材とスカートに間にすらりとした太ももが覗くのもそれはそれで悪くは無いけど、その場で急遽折り畳みコンテナを積み上げて即席でブースの高さを量増し、いつものロゴ入り迷彩フラッグを無理矢理机に巻き付けて、そして始まるラップショー。ジャンプは禁止、でも盛り上がるのはOKだ、ビートの家庭教師HIKARUが鳴らすグルーヴにジャンプしなくても床が揺れる揺れる。
MC中、歴戦の小池美由オタのアドバイスで採用された頑丈な一脚、そこにぶら下げられた小さなくす玉がすっとステージに上がる。あれも駄目これも駄目で唯一OKだった、ファンのメッセージがぎっしり書き込まれたくす玉。「さあ紐を引っ張って」と言われても当然メンバー達もなにかのドッキリ的な物が飛び出してくるのではと警戒するが、出てきたのはその場で急遽書き上げた手書きの似顔絵付きの垂れ幕。大きさなんて関係ない、限られた中でこの表現、その気持ちが伝わればいい。ライブ後のチェキ会ではマイクスタンドに吊るされてくす玉はずっと彼女達と一緒に写っていた。



https://twitter.com/rbstko/status/518502446289518593




私物サインという選択肢もあったので、NasIllmatic」の12インチにMC MIRIのサインを貰う。名盤過ぎてふざけた事をしてると怒られそうな気もするが、嬉しくてしかたないのでどうか大目に見てほしい。




そう思っていたら、この二日後の台風の日にMV撮影があり、10日後にはYoutubeで公開されたその「IDOL ILLMATIC」MV。上がりっぱなしのパーティラップとビースティーの様な悪ガキ感そのままのごちゃっとした楽しいMVだ。ビートの家庭教師HIKARUの前に燦然と輝くファットなサンプラーAKAI MPC300、そしてROLAND SP-404KORG KAOSSILATOR。MIRIの前にはAiwaのゲットーブラスターCA-W10。一瞬彼女がターンテーブルに乗せたのはNujabesShing02/Nujabes「Luv(sic)」の最初の12インチだ。音楽室でのカットはT.Iのステッカーをアコギに貼り、HIKARUがフライングVを弾き鳴らす。マッシュルームのウィッグを被って女の子達に追いかけれらるモノクロシーンはビートルズ映画かな。ネタを詰め込み放題の中で取って付けたような最後のシーンのベタ加減にびっくりしつつ、MIRIが手にしたその一枚にどきっとした。



ライムベリー - IDOL ILLMATIC(MV)


IDOL ILLMATIC (with nice lyrics)


ライムベリー - IDOL ILLMATIC(Live 140622)


ライムベリー - IN THE HOUSE(Live 140427)




Pete Rock On The MPC


AIWA CA-W10 BOOMBOX GHETTOBLASTER


Shing02 - Luv (sic)



  1. IDOL ILLMATIC
  2. IN THE HOUSE
    • MC
  3. フロム東京
  4. SUPERMCZTOKYO
  5. HEY!BROTHER(SHORT)
  6. アンサーアンサー


IDOL ILLMATIC(初回限定盤)

IDOL ILLMATIC(初回限定盤)

AKAI MPC3000

AKAI MPC3000

Illmatic

Illmatic

Ill Communication

Ill Communication

It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back

It Takes a Nation of Millions to Hold Us Back