Aerodynamik - 航空力学

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DIE DORAUS UND DIE MARINAS「Blumen und Narzissen」の素敵なレコ評

http://d.hatena.ne.jp/crossage/20041213

宇宙船の燃料が切れて地球に遭難した木星人フレッド君が、地球の女の子にモテまくって困っちゃった、と歌っているその存在自体が困った曲「Fred vom Jupiter」は、夏休みの自由課題でドーラウ君が適当に書いたっていう動機の心なさとしょうもなさに反して、うっかり大ヒット。覚えたて30分のズサンなシンセ演奏をバックにヘボ甘ボイスで愛を囁き、まわりに侍らせたアーリーティーンの女の子たちに「アタシもうあなたにメロメロ」とコーラスさせる。ロリ趣味全開の変態キュートなテクノポップは、どこまでものんきで、人を食っていて、ちょっと情けなくて。でもその情けなさに、そこはかとなく漂うセンチメンタリズム。これが堪らないんです。ノイエ・ドイッチェ・ヴェレ(ドイツニューウェイヴ)の代表的名盤、ってことになってるらしいけど、でもまあ、そんなたいしたものじゃないッスよ。ウンコ!とか言っておけば30分は笑い転げる小学生のメンタリティ、グリム童話は実は残酷だった!なんて大仰に言いつのるわけでもなく、子供じみた世界観と裏返しの肛門期的毒素をポップに昇華する無垢ないかがわしさは、自殺の名所でハイチーズ!なスロッビング・グリッスル神経症的シニカルさと双璧をなしつつ、実に対照的。ってのはこれ個人的な感想。


ATATAKレーベルで一番好きな一枚。
工作と音楽の選択授業で、工作を希望したけど人数オーバーで音楽選択になっちゃって、仕方なく作った、たしかそんなぬるいエピソードだったような。


でも普通に大ヒットしちゃって、Andreas Dorauはちょっとしたアイドル扱いだったらしい。
ビデオも実にしょぼくて魅力的。友達の女の子はべらせて、自分は顔を緑に塗って木星人きどり、童話チックなカキワリの前で、みんなで緩いダンスを踊ってる。
こんなのが普通に売れた時代って素敵だなあ