徳間ジャパンの組織改編に伴い、徳間ジャパン内のA&R「Team Perfume」部門は解消された。その情報がmusicman-netに掲載され、更新情報がツイートされたのが2/24の昼頃。*1 *2 その6時間ほど前、2/23の深夜に、浅草キッド曰く「日付以外は全て誤報」でお馴染み東京スポーツのiPhoneアプリ「東スポ芸能」に、こんな記事が投稿された。
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Perfume 懸念されるレコード会社移籍のデメリット http://ow.ly/4TD9m iPhoneアプリはコチラ http://ow.ly/4TDer #tospo #geino #news | link | |
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Pefumeの移籍に関する記事はモバイルサイト&iPhoneアプリ「東スポ芸能」のみで独自記事です。本紙およびホームページでは読めません。http://ow.ly/4TD9m iPhoneアプリはコチラ http://ow.ly/4TDer #prfm | link |
それは、「Perfumeは徳間ジャパンからユニバーサルへの移籍が内定している」旨の記事だった。リテラシー云々以前の娯楽紙であるからして、「これはどうせ飛ばしだ」という見方もあったかもしれない。しかし、掲載タイミングからして、この投稿にはリアリティがあった。Amuseの大黒柱であるサザンオールスターズの活動休止を唯一すっぱ抜いた東スポが、またしてもAmuseの上を行ったのか。
翌日公開された「キリン氷結」広告の新ヴィジュアル画像から、そこがハリウッドのユニバーサルスタジオであることを見抜いたり、ユニバーサルサイト内にあった正式公開前のPerfume公式ページの断片を見つけたり、この数日間は、小出しにされる僅かな手がかりを頼りに情報戦が繰り広げられていた。2/28にはファンクラブ「PTA」内ムービーでのPerfumeからの「次のステップに上がるための前向きな決断」「これからのPerfumeに期待して」というメッセージ。2/29深夜にアミュモバにて配信が始まった新曲「Spring of Life」には、「Universal J」のレーベル表記。
そして、2/29の朝に、公式報道が始まった。
私たちのニューシングル「Spring of Life」が今春リリースされる事が決定しました!!
この曲はキリンさんの氷結のCM曲にもなっています。とてもダンサンブルでキャッチーな、Perfumeらしいナンバーです!
そして今回からユニバーサルミュージックさんで新曲をお届けしていくことになりました。
これまでも、次の夢は世界!!と、ものすごいBIGな夢ですが、言霊の力を信じて想って口にしてきましたが、いよいよ本当にスタートできる準備が整ってきました!
私たちPerfumeは、日本の事が大好きです。みんながいろんな事を考えた2011年、アルバム「JPN」は、Perfumeの願いと、共に世界中のみなさんに、この「JPN」を聞いてもらって、知ってもらって、私達を通して日本をもっと好きになってもらいたいという思いで出したアルバムです。それが今回そのまま世界で聴いていただけることになり、また一つ夢が叶えられそうで、とても嬉しいです。本当にみなさまのおかげです。この「JPN」のタイトルのごとく、日本代表!くらいの思いで、いつもの崖っぷちPerfume発動させます!!笑
Perfumeは3人だけじゃなく、みなさんと一緒に築いてきたものなので、今一度、このチャンスを、みんなでつかんで行きたいです。Perfumeをもっともっと楽しんで活動できて、みなさまにももっともっとドキドキワクワクしていただけるようにしっかり努めていきたいと思っています。
がんばるけん、みんな見とってね♪
徳間ジャパンからユニバーサルへの移籍
http://beta.universal-music.co.jp/perfume (現時点でbetaアドレス)
そのメリットとしてパッと思いつくものは、企業体力、母体はEMIをも飲み込んだ世界最大の音楽企業であり、海外展開への足掛かりとしての圧倒的な優位性があること、そして大黒柱である福山雅治を抱える強いAmuseとの結束があることなどだろう。少女時代/KARA/BIGBANG/4Minute/超新星といった韓国主力系を殆ど押さえるユニバーサルと、韓国と台湾での展開をIRに謳うAmuseの方向性にも共通の意思が見出せそうだ。*3
また、アイドルビジネスについて言えば、ぱすぽ☆などの所謂FKD商法でお馴染みでもあり、Negiccoやまなみのりさらを優勝させたご当地アイドルイベント「U.M.U AWARD」も主催(つい数日前にユニバーサル配下に公式サイトが立ちあがった*4 )。そしてAmuseの妹分、さくら学院のトイズファクトリーからユニバーサルへの移籍は、今回のPerfume移籍のある種の布石だったのだろうか。
近いうちに予測されるイベントは、海外進出への第一歩となる海外公演、極端な売上重視指向/成果主義への転換、リリースペースの加速、「edge」「FAKE IT」のような楽曲の排除、といったところ。大穴としては、握手会復活、中田ヤスタカ以外のプロデューサー起用の可能性すら排除できない。
そして、FKD商法や最近の韓国系リリースを見ている者なら、次のリリースがこんな形態になりうることも否定はしないだろう。極端な例ではあるが、実際にユニバーサルはこういう商売をしているのだから。
- 初回盤 タイプA (のっちジャケット) CD+DVD
- 初回盤 タイプB (かしゆかジャケット) CD+DVD
- 初回盤 タイプC (あ〜ちゃんジャケット) CD+DVD
- 初回盤 タイプD (グループジャケット) CD+DVD
- 初回盤 タイプE (グループジャケット) CD+BD
- 初回盤 タイプF (ユニバーサル公式ストア限定盤)
- 初回盤 タイプG (イベント会場限定盤)
- 通常盤(グループジャケット) ※リミックス1曲追加収録
- BOXセット (初回盤+通常版 全種類) ※特典DVDにはPVメイキングと海外ドキュメンタリー映像収録
- 初回盤タイプA/B/C/D/E付属のDVD・BDの収録内容はすべて異なります
- 初回盤タイプA/B/C/D/E 特典
- トレーディングカード(全4種類)からランダムに一枚封入
- リリースイベント(一部)参加券封入(抽選)
- BOXセット特典 特典
- リリースイベント(二部)参加券封入(抽選)
- 握手会参加券封入(抽選)
- 参加券当選分1枚で個別握手、参加券当選分3枚で全体握手となります
一方、徳間ジャパンからは、業界の慣例的に、ベスト盤がリリースされることになるかもしれない。Perfumeを失った徳間ジャパンが、「イミテーションワールド」「カウンターアトラクション」などのレア音源をボーナストラックとして内容の重複するベスト盤を乱発したり、需要のよく分からない謎のリミックスシリーズ、あるいは音質の悪い極初期のライブ素材などを手当り次第リリースし始め、YMO大好きおじさん世代から、そのファン搾取の手法を「第二のAlfa商法」と呼ばれるようなことになったら、それはそれでYMOの子孫としての「第三次テクノブーム」っぽい感じもしてなかなか面白くはある。帯には「こんな『彼募』はない」と書かれた、Perfume VS The Orb「彼氏募集中リミクスィーズ」。音源としての面白さと、期待を裏切られたファンの阿鼻叫喚を想像しただけでも楽しい。或いは、UNITやサマソニで公開された「ポリリズム」デモミックス、カウントダウンライブで披露された「ポリリズム」ロングミックス、ポリ嵐ツアーでのイントロ付き「ポリリズム」、三角ツアーオープニングや、「Perfumeの掟」などのライブ用音源のスタジオバージョン、ほらほら…Alfaの面影が…。この妄想が残念なのは、恐らく原盤権はほぼAmuseが握っているだろうということだ。
海外進出第一弾、iTMSにてアルバム「JPN」を世界50か国に配信
世界最大のマーケットシェアを誇るUM への移籍を機に、2011年11月30日にリリースし、オリコン週間アルバムランキング3作連続1位を記録したアルバム「JPN」を3月6日より海外iTunes にて世界50ヶ国に順次配信いたします。
Perfume は昨年「ポリリズム」が監督からのオファーでディズニー/ピクサー映画「カーズ2」挿入歌に起用されるなど、サウンド・ビジュアル・作品の世界観などが既に海外でも高い評価を得ております。今回は、今後の海外展開を視野に、まずは音楽配信が中心である海外マーケットに向けてiTunesでの配信を行うことになりました。
Perfumeのサウンド、ビジュアル、作品の世界観は、既に海外からの評価、注目度も高い。昨年には、ディズニー/ピクサーの長編アニメーション映画『カーズ2』(昨年7月公開)の現地スタッフがPerfumeのファンだったことから、代表曲「ポリリズム」が全世界で公開されるバージョンの挿入歌に起用された。また、YouTubeで配信した「VOICE」のミュージックビデオは世界195ヶ国(外務省調べ)のうち192ヶ国、「レーザービーム」は190ヶ国で視聴され、アニメやマンガ、ゲームといった日本独自のポップカルチャーに興味を持つ海外ファンとの親和性の高さを証明する。
遂にPerfume楽曲がiTMSにて配信開始、対象国は実に50ヶ国。これがユニバーサルの力か。
- オーストラリア
- オーストリア
- ベルギー
- ブルガリア
- カナダ
- キプロス
- チェコ共和国
- デンマーク
- エストニア
- フィンランド
- フランス
- ドイツ
- ギリシャ
- ハンガリー
- アイルランド
- イタリア
- ラトビア
- リトアニア
- ルクセンブルク
- マルタ共和国
- メキシコ
- オランダ
- ニュージーランド
- ノルウェー
- ポーランド
- ポルトガル
- ルーマニア
- スロヴァキア
- スロヴェニア
- スペイン
- スイス
- スウェーデン
- イギリス
- アメリカ
- アルゼンチン
- ボリビア
- ブラジル
- チリ
- コロンビア
- コスタリカ
- ドミニカ共和国
- エクアドル
- エルサルバドル
- グアテマラ
- ホンジュラス
- ニカラグア
- パナマ
- パラグアイ
- ペルー
- ベネズエラ
何が何だかわからない。とにかく北米/南米、欧州、豪州を埋め尽くしている。逆に対象となっていないのは、アジア・ロシア、中東、アフリカという事になる。(既に韓国ではApple以外の複数業者から配信中) そしてもう一つ、「日本」も対象外だ。何てことだ。またしても。相変わらず。日本国内ではiTMSでPerfume楽曲を買うことはできないのだ。これはつまりAmuseが国内では従来の姿勢を固持しつつ、しかし海外への展開力は喉から手が出るほど欲しかった、そしてそれゆえに徳間ジャパンとの契約更新に至らなかった事の証左になるだろう。
しかしようやくこの時が来た。もうパッケージビジネスは日本でしか成り立たない。遂に、Perfumeが世界へ解き放たれる時が来たのだ。
新曲「Spring of Life」リリース
「Spring of Life」は「キリンチューハイ 氷結」の彼女たちが自ら出演する新CM「氷結 MAGICAL MUSIC」編のCMソング。春にピッタリのキラキラとしたアッパーチューンに仕上がっている。新CMは本日2月29日からオンエア開始。CMは初の海外撮影を敢行し、アメリカ・ロサンゼルスの圧倒的な解放感に満ちたロケーションでCMのテーマ「セカイガ キラキラ ハジケル」を表現している。
テクノ好きには当然のようにDerrick Mayによるデトロイトテクノ・クラシック、Rhythim Is Rhythim「Strings of Life」が連想されるそのタイトル。かつての「テクノ好きにだけわかるネタ仕込み」も復活。CMはユニバーサルグループへの移籍の話題性を最大限に宣伝材料として利用すべく、ハリウッドのユニバーサル・スタジオ撮影。
YouTube内に「Perfume Official Channel」開設
http://www.youtube.com/user/Perfume
現時点で、世界最強の試聴機にして、Perfumeの魅力、音とダンスを最も有効に伝える手段でもある。ほとんどが1分前後、画質も480p程度のものばかりだが、公式にチャンネルが出来たことは非常に大きな進歩だ。なぜここに「Butterfly」と「Twinkle Snow Powdery Snow」が無いのか、それが悔しいが、権利回りの問題だろう。
Amuse公式サイトが多国語化対応、世界展開向けサイトも開設
海外から殺到するアクセスに対応するため、YouTubeにPerfume公式チャンネルを開設。さらには、海外向け公式グローバルサイト(www.perfume-global.com)を3月6日に立ち上げ、同サイトを基点に海外ファンのコミュニティーを構築する考え。関係者は「最先端の技術を搭載したホームページは、音楽と映像を通じて日本のクリエイター技術の発信地ともなる」と自信をうかがわせている。
従来のAmuse公式サイトにGoogle翻訳経由での52言語翻訳機能が付き、さらに「日本のクリエイター技術の発信地」とまでぶち上げた世界展開向けサイトでは、Twitterの「#perfume_um」タグと連動して画面が描画されるあまりにクールなメディアアート的ティーザーが作られている。真鍋大度氏、齋藤精一氏らRhizomatiksの仕事だろうか。
公式サイト「MANAGER'S VOICE」がTwitterへ移行
@Perfume_Staff Perfume_Staff |
「MANAGER'S VOICE」がStaff Twitterに変わりました! 新たにStaff Twitter として、皆様にPerfumeの旬な話題や情報をリアルタイムでツイートして行きますので宜しくお願い致します。 | link |
ありがとう、さようなら 徳間ジャパン そして世界の国へこんにちは
その不甲斐なさに、まるでドジっこキャラのように「徳間たん」などという愛称すら付けられていた徳間ジャパンに対しては、その規模の小ささゆえに、ここで攻め込んでほしい、という時にその体力が無くてやきもきすることも多々あったが、誰からも相手にされていなかったPerfumeを拾い上げ、地道にリリースを続け、中田ヤスタカのセンスを信頼し、大枠では恐らく殆どその楽曲と方向性に口を挟むことなく、Perfumeの個性たるそのサウンドを大切に育ててくれたという印象を抱いている。篠木雅博 現代表取締役社長をはじめとした、これまでPerfumeを支えてきたスタッフ達には、伝える言葉が見つからない。「ありがとう以上の言葉があればいいのに」という西脇さんの名言を代わりに記したい。
そしてこれからは外資だ。これまでの徳間ジャパンのように「地道」などという戦略はあり得ない。徹底した成果主義の世界が待っている。そして決断、展開のスピードも桁違いになるだろう。既に展開のスピードがあまりに早くて振り落とされそうだ。2007年から2008年頃のあの加速度をまた感じている。そして今の加速する先は規模が違う。全く違う。武道館や、紅白など、見える明確な目標もない。Perfumeは一体どこへ進んでいくのだろう。あれほど日本のメディアが大騒ぎした少女時代も、ニューヨークタイムズに「少女時代が日本を席巻する」と全面広告を打ち、今年初めに英語バージョンで欧米盤をリリースしてアメリカに乗り込んだものの、その「The Boys」はたった数百枚しか売れず、ビルボードチャート200位圏外に終わった。世界は未知数だ。日本でPerfumeのブレイクの過程を見続けて来たファンたちも、Perfumeが海外で受け入れられるものなのか、海外視点での確信を持つことは難しい。ただ、Pixarは「ポリリズム」を面白がってくれた、Perfumeのサウンドは「東京」という都市のイメージにぴったりだと言った、それが現時点での制作側の人間による唯一の確かな材料だ。そして、規模こそ不明なものの、Perfumeを待ち続けているファンもいる。2006年初頭からPerfumeを追いかけ続けて来たメキシコの「Perfume City」、 "Perdona, por hacerte esperar." *5
@tospo_mobile 東スポ芸能 |
ウチの記者すごいなあ(´ ・ ω ・ `) RT @taiso22sai: 東スポ芸能さんフライングしすぎワロタ。先週金曜日に書いていたPerfume移籍ガチでした。 | link |