Aerodynamik - 航空力学

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観覧記録 Monolake@代官山Unit

http://www.monolake.de/



  • 20120908 Monolake Live - The Ghosts in Surround -2nd show-
    • Monolake
    • DJ NOBU
    • Numb
    • Kyoka


2010年に、「カリフォルニア州のモノ湖でDNA構成要素のリンの代わりにヒ素を取り込んでいる細菌を発見」という、生物学を覆すような前代未聞の研究結果をNASAが発表し、相当な話題になったと思う。その後、実はDNAにはヒ素は含まれていなかった、じゃああのヒ素への耐性は何なんだといった感じで研究は続いているのだけれど、*1 その「モノ湖」を名前に冠するベルリンのユニットの来日公演。この「モノ湖」はビジュアル的にもとんでもない所なので画像検索などしてみるといいですよ。*2


MonolakeのメンバーであるRobert HenkeとGerhard Behlesは「Ableton」の創設メンバーで、「Ableton Live」の開発者という、それだけで尿漏れしそうな感じなのだが、途中でGerhard Behlesが「Live」の開発に注力するためユニットを抜け、残ったRobert Henkeは「Live」開発やレクチャーに携わりながら、引き続き自分でLiveやMax/MSP用のデバイスもソフトウェアもごりごり作り続けている。
今回のUnit公演では、「an audio-visual multi-channel surround-sound performance」と銘打って、ヴィジュアル・アーティストのTarik Barriを帯同、Unitのサウンドシステムに更に追加でスピーカーを投入、立体音響ライブを披露。もうそれを聞いただけで興奮が収まらず、期待のあまりオープン時間を一時間ほど間違えて会場に入れず、恵比須でつけ麺を食べたらお腹が痛くなり途中のコンビニで冷や汗をかいた、という位に浮き足立っていた。24時過ぎにようやく開場したのでフロアに降りると、ステージ正面とフロアの四隅に馬鹿でかいサウンドユニットが組まれていて、フロアが既に狭い。




raster-notonレーベル初の女性ソロアーティストKyoka。ライブは全くraster-notonらしくない、つまり極度に洗練されていない、むしろ野生児のような奔放さ。





次にRevirthのNumb。随分久し振りに観る。CISCOが潰れてレーベルも休止していたようだが、最近また活動を始めたらしい。トランシーでサイケデリックで緻密。




MonolakeとTarik Barriのライブは異次元の世界だった。分厚い音響ドローンからズブズブの音響ダブステップまで、サウンド自体は最近のアルバム中心なのだけれど、当然普段聴いている2chサウンドではない。前から後ろから上から、5.1chの音でそのディープな音響に包まれる。上から降ってくる音に包まれるだけならageHaのスピーカー群でも味わえる感覚なのだが、最初からマルチチャンネルサラウンド前提の音響ステップは、指向性が消えて宇宙に投げ出されたような感覚に陥る。そんな音響の胎内と完全にシンクロする、光と闇だけのヴィジュアル。音よりも更にこのヴィジュアルのインパクトが凄かった。「アルタード・ステーツ」クラスのSF映画を観た後のような放心状態。「意識変容」を体感できるものに落とし込むと、こういうものになるのだろう。凄いものを見た、というざっくりとした表現しか出てこない、異次元のライブだった。







ラスト、DJ Nobu。普段は彼のプレイにはハード過ぎてついていけないのだけれど、この日はMonolakeに合わせていつもよりもエクスペリメンタルなセット。本人の意気込みも相当のものだったようだ。Tarik Barriはフロアでずっと踊っていた。プレイが終わった後に、DJ Nobuに惜しみなく賞賛を送ったRobert Henkeも入れて、3人で記念撮影が始まってしまう位に非常に素晴らしいプレイだった。


Sahy Uhns - Anticipation Of The Night

Voiski - Ad Infinitum




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