Aerodynamik - 航空力学

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観覧記録 ライムベリー復活ワンマンライブ「WE ARE BACK!」1部/2部@渋谷TSUTAYA O-nest

http://yaplog.jp/rhymeberry/archive/73
http://natalie.mu/music/news/115426





http://ameblo.jp/sakurai-miri/entry-11835349630.html
http://ameblo.jp/himemari5141225/entry-11836219312.html
http://ameblo.jp/nobuokahikaru/entry-11835348589.html

  • 20140427 ライムベリー復活ワンマンライブ「WE ARE BACK!」@渋谷TSUTAYA O-nest


活動停止前のライムベリーの現場に集っていた、かつて「MIC三番」MC YUKAに「いつもいるRHYMEBERRY SQUAD」略して「いつスク」と呼ばれていた人達は、みな世間とは生きる速度が違っていた。向井秀徳のように、焦燥感剥き出しで生きている人達ばかりだった。不思議なことに、さんピンCAMPに行った人もいなければ、大LBまつりに行った人もいなかったけれど、焼失する前の高円寺20000Vでパンクやノイズ、ハードコアに塗れていた、そんな話は沢山聴く事ができた。そういう人達が、ライムベリーの年間150本ペースという狂ったライブスケジュールに、時間と金と命を削って通い詰めていた。時代が時代だったらスピードとアンフェタミン漬けだったかもしれない、それほどの焦慮。汗まみれの疾走感と焦燥感と緑茶ハイの中で、ひたすらライムベリーと走り続けていた。馬鹿みたいに踊って、馬鹿みたいにすぐ泣いた。本当にかっこいい人達だ。自分の様な楽曲派気取りが、「いつスク」と同じ空間で何かを共有できたと思うのはあまりに烏滸がましい、でも自分もよく泣いていた。


その狂騒が、2013/08/11のライムベリーワンマンライブを最後に止まった。いや、正確に言えば止まってはいない、彼らはライムベリーの本体である(本体であった)usa☆usa少女倶楽部のライブに通い続けたのだから。



年末のT-Palette Records感謝祭での暫定的なステージを挟んで、8ヶ月ぶりにライムベリーがステージに戻ってきた。酷く面倒な大人のやりとりがあり、そしてMIC三番 MC YUKAとは別の道を歩むこととなったけれど、とにかくライムベリーは独立再開という形でステージに戻ってきた。勿論その場にかつての現場の人達が全員居たわけではない。同じ時間帯に行われていた「かつての本体」であるusa☆usaのライブを選んだ人達もいた。それは信念信条の様なもので、現場の論理であって、外側の人間がとやかく口を出せるようなレベルの話ではない。焦燥感剥き出しの「いつスク」aka「日曜日の四ツ谷の住人」は、どこまでも誠実だし、自分はあの人達を心の底から尊敬していた。いつも酒臭いところ以外は。




リリックに刻み込まれていた「3MC+1DJ」というその構成は、ライムベリーのラップのスタイルも含めてBeastie Boys的であったし、「Three MC's and One DJ」の変なポーズをタワレコのポスターで披露したり、そもそも音源化されていない方の「RHYMEBERRY IZ NO.1」は「Ch-Check It Out」を丸々サンプリングしたものだった。いや、そんなことはどうでもよくて、MIC三番 MC YUKAはのんびりキャラとラップのボトムを担う人だった。ライムベリーのライブではいつも上手スピーカーに張り付く様に踊っていた自分は、常にMIC三番を通してステージを観ていた。「マイクロフォンNo.1」MC MIRIが好きなくせにどうしていつもそこにいるのか不思議がっていたので「スピーカー前が好きだから」と答えたら、「240Vのスピーカーとかいっつも言ってる」と笑ってくれた。


Beastie Boys - Ch-Check It Out


Beastie Boys - Three MC's and One DJ




これまでの散々な喪失に絶望し、そしてMIC三番の脱退が追い打ちをかけた。戻ってくるならまたこの四人で、彼女達自身がそう言い続けてきたから、ライムベリーが復活するという喜びと、それが「2MC+1DJ」であったことの悲しみがごちゃ混ぜになって、どういうスタンスでこの復活の日を迎えたらいいのか、当日の朝も、会場に着いても、まだ気持ちの整理はつかなかった。


ライムベリー(rhymeberry) - 2014.04.27 intro




TSUTAYAネーミングライツを買って、TSUTAYA O-nestという奇妙な名前になったその箱のチケットは、1部/2部がともにソールドアウトになった。久し振りにライムベリーパーカーに袖を通し、上手スピーカー前に向かう。パーカーもTシャツもサイズ感が記憶と合わない。自分も8ヵ月前から10キロ近く痩せたのだった。客の雰囲気は8ヵ月前とは違う、TIFやT-Palette Records感謝祭で彼女達を知ったけれどライブを観る機会が無くてこの時を待ちに待っていた、これがライムベリー初体験になる人達の新鮮な期待感が箱中を覆っていた。パンクス上がりの焦燥感ではなく、新しいパーティを探しに来た、そんな高揚感。またこの現場に新しい物語が紡がれていくのだ。会場にはまたいつものように、90s日本語ラップクラシックを中心とした選曲の客入れSEが流れていた。8ヵ月の間に色々なものが変化し姿を変え、あるいは何も変わらずあり続けた。


EVISBEATS - ゆれる feat. 田我流


Lamp Eye - 証言


RHYMESTER - 耳ヲ貸スベキ


Buddha Brand - 人間発電所




RHYMESTER - Once Again

くじけなさは異常 ほとんどビョーキ ゼロからスタートは一緒 荷物は放棄
失うもんは最小 得る方が大きい 財産は唯一最初に抱いた動機


開演時間直前にRHYMESTER「Once Again」が流れて、これがE TICKET PRODUCTIONからライムベリーに対するメッセージかとシリアスな気分になった。しかし、DJ HIKARUがステージに上がり、そして変わらず「ぽちっとな」で始まったトラックは、「志村けんの全員集合 東村山音頭」7インチバージョン冒頭のファンファーレ。この絶妙にダサいところを狙い尽くしたセンス、間違いなく自分と同世代の桑島プロデューサの仕事だ。コント赤信号の持ちネタ「待たせたな」のサンプリングと共にMC MIRI、MC HIMEがステージに飛び出し、ステージを暴れ回り、RUN-DMC「Walk This Way」を豪快に使い倒し、LFO「We are Back」そのままのメッセージで終わる、大騒ぎのパーティーラップ、大ネタサンプリング多用し過ぎてまたそのままじゃリリースできないやつだ。相も変わらずライムベリーだ。「これからみんなでめちゃくちゃ踊って騒ごう騒ごう」のライムベリーだ。そうかこれがライムベリーだ。「2MC+1DJ」なら今度はRun-DMCリスペクトとでも言っておけばいい。これがライムベリーだ。




ライムベリー - WE ARE BACK!(Live 140427)

やっと戻ったステージ上 テンション最高 調子どう?
噂の少女またも集合 ライセンスは"死ぬまで有効"


RHYMEBERRY.PIC チェックはしたかな? 熱心に
待ったんならば待ったなしで 遊んでかなきゃお前の負け


これからうちらの独壇場 ラフな上にほどよい緊張
音が鳴れば充電完了 このライブが判断材料


RUN-DMC - Walk This Way


House of Pain - Jump Around


LFO - We are Back




相変わらず殆どがCD化されていない、しかし定番の攻撃的なキラーチューン固めのセットリスト、そしてBPM138のアシッドハードトランステクノで「In Order To Dance」でBACK TO 1994な「アンサーアンサー」もセットに加わった。30分を乗り切るのですら命がけのこのめちゃめちゃなハードコアスタイル。そうだこれがライムベリーだ。


ライムベリー - 「アンサーアンサー」@2.5D




そしてリリースできそうな方の新曲「IN THE HOUSE」、緩めの90sビートに、まさに「家の中」でだらだら夜更かしパーティの緩くて楽しいラップ、HIKARUが挟むメロディ、「ブギーバック」をもう一度見ているような感じで期待しておいて間違いないやつ。


ライムベリー - IN THE HOUSE(Live 140427)




あれほど馬鹿みたいなスピードで場数をこなし続けたメンバー達、もうリリックは骨の髄まで達しているだろう、しかし「2MC+1DJ」の為にリリックは一部書き直され、あるいはMIC三番のバースを二人が請け負い、もう一度リリックを体に叩き込む。声が枯れるまで猛烈なリハを繰り返し、このステージに臨んできた。勢いだけで切れまくる「マイクロフォンNo.1」MC MIRIの豪快なラップ、彼女の視線は客側奥に向けられ、一見さんもまとめて全部掴んでやろうという気迫に満ち満ちていた。一方でクールさと可愛らしさを誇る「マイクロフォンNo.2」MC HIME、彼女の視線は最前付近にいる新顔に向けられ、ステージで腰を下げて客と同じ目線で一人一人丁寧に笑顔と目線とレスを振り撒いていく。DJ HIKARUは常にステージ全体を見回し、時にはその透明な美声がメロディーを奏でる。役割が以前よりはっきり分かれている。MC MIRI/MC HIMEは単純な割り振りだけでない部分でもかなり負担が増えた。メンバー間のキャラクター、やり取りと関係性でその魅力を作り上げる「we did it」「フロム東京」といった楽しいキラーチューンも今後どうリモデルするのかは分からない。ただ、あくまでMC達には歌わせない、その一線を引くことでライムベリーはオールドスクールヒップホップのオマージュたる存在を保ってきた。「2MC+1DJ」となった今、これまで以上にDJ HIKARUのパフォーマンスをどうステージで魅せられるか、そこが問われていくだろう。もっとも、新曲「IN THE HOUSE」でもDJ HIKARUの美味しい小ネタやサンプリング的な形での「歌」が差し込んであったり、彼女の見せどころの心配など此方が一々心配する必要は全く無さそうだ。




LA短期留学から帰ってきたMC MIRIは随分大人びて、DJ HIKARUはまた背が伸びて、でもMC HIMEはあまり変わらずに相対的に小さくなったようにすら見える。8ヵ月か。おっさんの8ヵ月と彼女達の8ヵ月は比較しようも無いし、「チェンじゃない方のJC」は全員高校生になった。「ライムベリーは1人減ってパワーダウンしたねって言われないように、私達一生懸命頑張ります」と宣言していたが、最初からブランクもパワーダウンもビタ一存在しない、ひたすら騒げメイクサムノイズ。ライムベリーには本当に色々なことがあったと思うけれど、取り敢えず独立再開まで漕ぎ着けたメンバーの前向きな気力と大人の尽力に有難う。感謝 (驚)。



一部

  1. WE ARE BACK!
  2. HEY! BROTHER
  3. SUPERMCZTOKYO
  4. まず太鼓
  5. アンサーアンサー
  6. IN THE HOUSE
  7. MAGIC PARTY


二部

  1. WE ARE BACK!
  2. SUPERMCZTOKYO
  3. IN THE HOUSE
  4. HEY! BROTHER
  5. まず太鼓
  6. Ich liebe dich(2MC MIX)
  7. MAGIC PARTY
    • EN
  8. IN THE HOUSE

@rbstko
ライムベリー
ライムベリー復活ライブ「WE ARE BACK!」、両部とも満員となりました。お越し下さった皆様、本当にありがとうございました。今後とも、ライムベリーをよろしくお願いします。 https://twitter.com/rbstko/status/460361177021698049/photo/1 link
@rbstko
ライムベリー
先日のライムベリー「WE ARE BACK!」のライブ時の画像です。 https://twitter.com/rbstko/status/461703892124712960/photo/1 link
@rbstko
ライムベリー
先日のライムベリー「WE ARE BACK!」のライブ時の画像です。 もうひとつ。 https://twitter.com/rbstko/status/461704103094001664/photo/1 link



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ONE
LOVEを


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The Prodigy - One Love


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