Aerodynamik - 航空力学

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第4回 アイドル楽曲大賞2015 に投票するよ

http://www.esrp2.jp/ima/2015/





ここには長い長い序文を書いた。勿論ライムベリーの事だ。E TICKET PRODUCTION×ライムベリーの活動の集大成となる二枚組アルバムとワンマンライブ映像作品、それからクルミクロニクルのラストシングル、それから、それから…


久し振りに書いて書いて書き殴って、そして消した。




さあ気持ちを切り替えていこう。楽曲大賞、ノミネートリストは507組3168曲、そんなに網羅的に聴いている人もいないし、音源自体あまり流通もしていない。いや、流通なんて大した話じゃない。今年始まったApple Musicで音楽がどこまでも聴き放題になったとしても、結局アルバム一時間を聴くのには一時間を要するのだ、という事を身をもって知ったので、楽曲大賞も人気投票で結構結構、自分が買って聴いた少ない曲の中から面白かったものに投票します。名前昇順(A-Z-仮名-漢字)、順位無し、にしたいところだけれど曲数上限があるので、今年も好きな曲ではなく投票ゲームとして入れたいものへ全部2点×5曲。



メジャーアイドル楽曲部門 (5曲、持ち点10pts、上限3pts、下限0.5pts)


Especia -アバンチュールは銀色に (PellyColo Remix)

soundcloud.com


AORとVaporwaveと80sディスコ/フュージョンとアイドルポップスのミクスチュアの美味しいところを絶妙に摘んできたEspeciaに、カラフルでドリーミーな色付けを施すのがPellyColoの仕事。「Primera」のドープなやり方も好きだけれど、HerbertやAkufenライクなクールで洒落たテックハウストラックのこれがベストトラック。



2. Negicco「BLUE, GREEN, RED AND GONE」 Rice&Snow T-Palette Records
Negicco「BLUE, GREEN, RED AND GONE」首都高巡礼Ver.
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3. Negicco「自由に」Rice&Snow T-Palette Records
Negicco 「自由に」振りコピ練習用
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4 . Negicco「Space Nekojaracy」Rice&Snow T-Palette Records
Negicco「Space Nekojaracy」サトウの切り餅いっぽんMAD
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あれこれ条件を付けてソートをかけてみたのにNegiccoのアルバムからこの3曲が並んでしまった。渋谷系オリジネイターとその子供達がconnieさんとメンバー三人を前に素敵なシティポップを鳴らして意気投合する中、口ロロ三浦康嗣/吉田哲人/蓮沼執太がそれぞれに自分の我を出して尚且つクセのある面白い曲を作り、その居場所がアルバム後半にまとめられてるという画がまた微笑ましい、この三曲があることで作品として随分広がりができたので、シティポップ上級者向け名盤という高みに収まらない、それこそ自由なアルバムになった。



5. 東京女子流 「A New Departure」 Stay with me avex trax
東京女子流 - A New Departure
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個人的には2014年のベストに挙げてしまったので去年のHARDBOILDシリーズ曲扱いなのだけれど、CDでのリリースがこのタイミングなので今年エントリー。ベストアルバムBタイプにはHARDBOILDシリーズの全音源と映像が収められたが、それを単体商品として売り出すくらいのコンセプトを打ち出せなかった、打ち出す余裕の無かった今年の東京女子流。シングルのカップリングに収まってしまったこの一曲だけれど、一年聴き続けているので配点せずにはいられない。SweetS先輩のニコイチ曲だとしても、新しい世界へ踏み出す東京女子流のファンファーレとして本当に素晴らしい曲だと思っている。通称「アーティスト宣言」会見で佐竹氏が提示した脱アイドルヴィジョンとして挙げたのがこの曲だった、その言葉を聞いた時にはネクストステージへの期待も否応無しに高まった。
松井寛のディスコティークを離れては女子流に未来は無い、と思っていたけれど、今年はアレンジャーにTJOを起用してEDM方面にも目配せしつつ、「サ上と中江」というEDMよりも遥かに面白い活動も並行させて、「脱アイドル」以降のイメージ刷新を図っていた。試行錯誤しながらも全体としてダンスフロアから目を離さなかったことは評価したいけれど、個人的な趣味の問題としてTJOや☆Taku Takahashi、block.fmのDJ陣のダンストラックの「キックの軽い底の薄い感じ」が全く駄目で曲はなかなか受け入れられない。まあ「Nerer ever」のTJOサウンドの薄っぺらさは置いておくとして、このMVのダンスバージョン、がっつりクド目のハウスダンスを取り入れた振り付けは最高だったのでハウスダンスを習いに行きたくなった。


東京女子流 / ダンス&リリックビデオ「Never ever (TJO & YUSUKE from BLU-SWING Remix)」
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配点外


【公式】Cupitron「Summer Kaiju(Akufen Remix)」Trial listening
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「We Are Cupitron」ではさくら学院科学部ロヂカと同じテクノポップ以前のSFシンセポップの理想郷を描き、「ロボットボーイ ロボットガール (TECHNO JUMBO Remix)」は「未来派野郎」ベースのインダストリアル/EBMなビート、「π」はクールな80sテクノポップと見せかけて、サビがテクノポップ歌謡が好んでテーマにしたノベルティ的キワモノコミカル感、つまり「テクノポップ音頭」を強引に突っ込んで、それでもいい曲として成り立ってしまう豪腕さ。シングルタイトル曲群よりもこれらのカップリングが面白い曲だらけ。最後にはAkfenにリミックスを依頼して、これまたベタに最近のAkfenらしい短いサンプルで組み立てつつもセクシーなトラックが返ってきて、もう笑いが止まらない。シングルメイントラックがどれもアイドルポップとして手堅く地味なのが勿体無いと思うけれど、トベタ・バジュン本人がそもそも飛び道具に頼るタイプでもない。



インディーズ/地方アイドル楽曲部門(5曲、持ち点10pts、上限3pts、下限0.5pts)


今年は沢山面白い音盤に出会った。選びたいものが多すぎるので複数曲はアルバムへ配点。


1 . MC HIME - クオリア
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初披露はライムベリーがまだ4人だった2013年の渋谷WWWワンマンだったか。その時はまだリリックを聴き取れなくて、ただそれは思春期の行き場のない内省的なリリックをBoards of Canadaのようなトラックに乗せたもの、と記憶していて、「出発 また雑音 自分守るヘッドフォン 汚れたくないから耳を塞ぐ 大人の事情はいつもうるさく」という部分ばかりが頭をループしていた。後になってようやくリリックの意味をつかみ始めた頃には、もうこの曲をステージで聴くことはできなくなってしまった。いや、もしかしたらあるのかな、でもまだ自分はあの移籍について素直な気持ちで受け入れるところまでの整理がついていない。「好きなユニットのメンバーとしてステージに復帰」という話なのだから、泣いておめでとうと告げられたはずなのに。それでもチッタ川崎のご挨拶には足を運んだ。相変わらず真面目な子だった。「精進します」なんて甲子園球児だってなかなか言わない、そうやって言葉で自分を追い込んで、そこから気持ちを立ち上げていく生真面目さは少し前と全く変わっていなかった。曲の話に戻ろう。家出して、でもなんか怖くてすぐ帰る、人生の意味を考える。

どこにいてもわたしはわたし 人それぞれ形が証
嬉しい 悲しい 話 両方正しい
じゃ帰ろう うちまで でもちょっとだけ教えてあげる
わたしが思う 人生の意味


「あらいざらしのシャツ」に「新しいスカート」に「思い出のレシート」に

「おじいちゃんのランプ」に「片手にナイスに読むグレートギャッツビー」に

「ハモニー」「お散歩」に「会話」に「ハプニング」

「眠って起きる朝と夜とのあいまの夢」に「パーティー」に「ハーブ」に

「スナップバックのキャップ」に「笑えないギャグ」に

シンプルに「ラブ」に それと「イマジン」に

つまりこの世界の全てに

そうだったな、E Ticket Productionは村上春樹が好きだったんだな。先日古本屋で100円で買った村上春樹翻訳版のレイモンドカーヴァー傑作選を片手にもう少し街を歩こう。



2. amiinaCanvasCanvas / ○△□ PLATiCA

amiinaCanvas 【第三回 甘噛みモーニングコール】(2015年3月15日)
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amiinaCanvas』 & メッセージ_町田アイドルレボリューション_150419
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この曲に投票するのは正直悔しさすら覚える、運営/制作陣の過剰なまでの情熱、現場に集まるファンの真摯さ、もどかしいまでに純粋なそれらの存在を鏡のように自らに重ねて映し出す二人。アイドルが先でもない、運営や楽曲が先でもない、勿論ファンでもない、しかしこの三者が同じ崇高な高みを見ている。具体的な目標として運営はフジロックを掲げている、アイドルと下北沢モナレコードと苗場を繋ぐその一線が光として降り注ぐ、この曲で腕を高く突き上げて合唱する三者の視線が交わるフロアに身を置けば、感情はただただ浄化されてゆく。「Coldplay的なあれ」「一体感」というのは便宜上というか伝わりやすいからそう言うのであって、音楽そのもののよりもこの音楽が鳴るその風景が美しい、フェスのヘッドライナーが誰であれ、その場を共有するために集まった見渡す限りの人の海、それらが常に美しいのと同じ事だ。



amiina - Canvas - bounce Remix feat. もるももる, ましゅりどますてぃ(校庭カメラガール)
https://ototoy.jp/_/default/p/57794


amiina "Canvasbounce remix- feat.もるも もる,ましゅり どますてぃ(校庭カメラガール)" 2015/11/6 EXTRA!!! 2015 in Tokyo
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こちらも原曲を超えるくらいに好きだ。



3. STEREO JAPAN「Movement」Anthem Bermuda Entertainment Japan

2015.08.22 / Stereo Tokyo @ タワーレコード渋谷店 (後半)
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Stereo Tokyo / TRAP
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「TRAP」がノミネートされていないので「Movement」へ配点。


フォーマットとして好事家受けする楽曲スタイルを取り込むアイドルは今日日幾らでもいる、EDMをカルチャーごと取り込んで、あの馬鹿らしい阿呆らしいパーティーへの布石を作ったのは確かに水江プロデューサーの仕事だろう。ただ初期の事故現場がいつの間にかEDMパーティーに集う「アホ」以上にパリピを体現するようになったのは、新生ライムベリーに心情的に距離を置かざるを得なかったファン、RBS達が、失われたパーティーを今度は自分達の手で作り上げようというある種の確信的作為性によるもの、と言い切ってしまってもいい。そこに集って「楽しむ事には容赦無い」「とにかくパーティーを続けよう」、ライムベリーのリリックを心に引き摺ったまま、EDM的な馬鹿騒ぎの「記号」、大量の国旗やゴムボートなどをに現場に持ち込み、フリコピでもコールでもなくただひたすら踊ってメイクサムノイズし続けるパーティーの最初の形を作ったのは彼らだ。そう言う意味では嫉妬もするし、未だに心からの友でもある、言葉にしなくてもただそこにパーティーがあるならどうやって楽しむか、それだけで十分なのだ。そして今はもうそこにRBSの様な記号を探す必要も無いほどに、Stereo Tokyoは自らのスタイルを得た。馬鹿みたいなダンスパーティーには人も増え、ただ騒ぎたい人、フリコピとコールをしたい人も雪崩れ込んできた。今の何が起こっても頭空っぽの陽気なパーティーに昇華させる現場の空気は、じき変わってしまうだろう、小さなダンスフロアだからその些細な機微まで含めて成り立っていたのだし、それが共通言語として通じない世界がじきにやって来る。その時こそStereo Tokyoの本当の正念場だろう、あるいは水江プロデューサーはもう別の路線への転換を用意しているのかもしれない。お約束の少し古目のビッグルーム系からベースハウスに寄った「Movement」と新曲「TRAP」は試金石だ。




5. ライムベリー「365」 365 Particle Records


20150517 ライムベリー - 365 & MIRRORBALL (With Lyrics)
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あれ程に愛していたE Tickt Productionと3人のライムベリーが目の前から消えてしまったとき、もうこのグループを観続けることも無いだろうと思った。奈落から必死に這い上がろうとするMIRIのその気持ちすら重過ぎて受け止められない、平日のストレスから解放される夢の国を観に来ていたはずなのに。新しいEDM寄りの曲達も最初は受け入れられなかった。それでもまだ2人になったライムベリーを見続けようと思ったのは、体制が変わってしまってから割と早い時期にこの「365」がレパートリーに加わったからだ。「力を抜いていこうよ焦らずゆっくり風の吹くままに」「今日駄目でも明日頑張ろう」「大丈夫だって心配無い」、TOKYO No.1 SOUL SET「隠せない明日を連れて」のようにリラックスした、ブラスとメロディを気持ちよく弾きまくるギターと、このリリックが無ければ、もう少しライムベリーを見続けていよう、とは思わなかったはずだ。




配点外


校庭カメラガール /Happy Major 【甘噛みモーニングコール】(2015年1月25日)
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校庭カメラガール / Unchanging end Roll @サワソニ野外フェス
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ダンスフロアオリエンテッドでもディスコではないトランス気味のトラックが多い中で、他の曲のやや過剰なサビの歌い上げメロディアスさがこの「Happy Major」だけは欠け落ちていて、でもシリアスで抑制気味のトラックに対して正面を向いて語ろうとしないリズムと声色遊びばかりの歌、「もう壊れちゃって何もかも終わり」、その抑揚や感情の欠損をただ愛したい。この曲はフロアでいい音をこの世の空虚に向かって鳴らす事しか考えていない、最初のキック一発で伝わるその諦観は悟りめいている。




MIKA☆RIKA / ホシノフルマチ
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現場で売り始めた「ホシノフルマチ 2nd PLACE」が流麗で美しい原曲を荒いエレクトロベースが蹂躙するラフなミックスで意外過ぎて好き。




少女閣下のインターナショナル動画:みなごろしフライデー
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ノイエ・ドイチェ・ヴェレみたいなトラックの上でアイドルポップス鳴らしたらさぞ楽しかろうを具現化したらこんな感じになった




ゆるめるモ!(You'll Melt More!)『Only You』(Official Music Video)
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アルバムが一曲一曲「あれっぽい」要素を詰め込みすぎて、込み入りすぎて、聴き辛いほどの超濃厚ジャンク豚骨でニンニク野菜アブラカラメマシマシで、美味くても曲単体でどうこう言える感じではなくなっているので配点しづらい。「Only You」のナンバガから始まってクラウドロックのミニマル疾走を経てハシダカズマ節の壮大なサビ、またサイケな間奏、そしてこの世の最期と再生の瞬間を見るようなエンディング、これは本当に目が回る、部屋を真っ暗にしてヘッドフォンをかけてMVを観るとそのままインナースペースへ行ったきり暫く帰ってこれなくなる。ゆるめるモ!とそれを取り巻く作家陣の宇宙をそのまま形にした、このグループにしか描けない歴史絵巻。




星野みちる / 夏なんだし
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2015年の季節が夏しか無かったらこの曲を選びたい。はっぴいえんど「夏なんです」を下敷きに、酷暑の中クーラーの効いた部屋から外を眺める東京の夏、そして気怠さに任せてずるずると情事に流れる危うさとしての夏の季語に「スパム広告」を選んだ小西康陽の語感4割、30歳の女性をこんなに可愛らしく映したMVが6割。夏の思い出は全部Instagramの中に。




963(くるみ)『夢?幻?ドロップス』
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tofubeats「水星」やESNO feat.daoko「夕暮れパラレリズム」を制服でカバーするアイドルラップユニットのコンセプトはそのままに、メンバーは3代目となり、ESNOと岩渕竜也のリリスク陣に、ぱいなっぷるくらぶのSUBMARINE楽曲のカバー、2016年にどこまで注目されるか。




DJ HIKARU - きみとぼく
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きみとぼく - 信岡ひかる生誕祭 -
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この曲は黎明期の日本語ラップ電気グルーヴとケラのLONG VACATIONを愛したE Ticket Productionによる「虹」なのだと思っている。そう受け入れる事が一番美しいと勝手に思っている。あの事変があってから録音され公開されたこの曲は、明るくももの悲しいフレーズと信岡ひかるのハイトーンが詰まっている、けれども2人分のラップが入っていない。New Kidsの大人になっても子供ができても青臭いまま生きる大人達のリリックをそのまま流用したあのバースがない。それはとても悲しいけれど、悲しんだところで再び得られるものでもない。自分の心の中でそっと重ねればいい。


20141214 ライムベリー - きみとぼく (With Lyrics)
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アルバム部門 (3枚、持ち点6pts、上限5pts、下限0.5pts)


【ライブ】150711『3776の避難計画とワンマンライヴ』@下北沢Basement Bar
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1. 3776『3776を聴かない理由があるとすれば』Natural Make


3776 (みななろ) 2015.11.07 タワーレコード新宿店「3776を聴かない理由があるとすれば」発売記念イベント
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一癖二癖もある面倒臭い薀蓄オルタナおじさん達に皆口を揃えて「これは〇〇だ」と己の理想を投影されつつ、結局はその薀蓄オルタナに全く埋もれることなく一人の表現者として対抗しうる何かを掴んでしまった井出ちよの。前身のTEAM MII時代から度肝を抜く楽曲ばかりだったけれど、リスナーのこちら側のテンションも「地方でアイドルになりたい子達を集めてプロデューサーの好きな音楽を好き放題そのままやらせてる」事象を楽しんでいる感が否めなかった中、「ニュートラル」辺り、そしてれなの卒業を期に、アイドルと音楽の距離感、双方の対峙する関係性が大きく変わっていった。Season#3.1期に入ってからは石田彰氏と井出ちよのの関係性が、小西康陽野宮真貴の二人時代のピチカートファイブと酷似してきたように見える。遊びと実験性に富み、コンセプチュアルでキュートで時に残酷な石田氏の曲を、ちよのがたった一人のステージで一杯一杯になりながらも、しばらくするといつの間にか彼女の存在自身がそれら全体をポップアイドルアイコンとして大きく包み込んで、全く予想のつかない表情を見せていく。下北沢Basement Barでの初東京ワンマン、最後の「3.11」で観せたあの汗と視線が表現するもの。


付け加えると、個人的にコンセプトアルバムというものが大好きで、一曲毎に短いインタールード曲やスキット、語りが入っていてアルバムの掲げる世界観を補強していたりすると尚更良い。という訳でこのアルバムは、コンセプトアルバムとしても久々に「出会った」感動の有る一枚。




2. タルトタタン『シロ・デューサー』EMISSION ENTERTAINMENT


フロントの二人がもう何代目になるのか分からないほどに脱退加入を繰り返し、10月にもまたフロントメンバーが変わった。実質は相対性理論を抜けた真部脩一のソロプロジェクトなのかと思っていたが、アルバム毎に制作体制もころころ変わり、もう何が何だか分からなくなってしまった。今回のアルバムは真部繋がりの進行方向別通行区分の田中が全作を手がけている。進行方向別通行区分の幼児めいた支離滅裂な言葉のセレクトが殆ど顔の見えないアイドルプロジェクトを透過することで強烈でシニカルな批評性を湛えてしまい、匿名性の高いあやふやな声が不安定さと儚さとこの世の下らなさとその美しさを描くことで、想像もしてみなかったとんでもない名盤を生んでしまった。


プロ・デューサー/タルトタタン [公式MV]
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3. ぼんやりアイドルくるみん『ぼんやりアイドルの宮殿』春民レーベル

最初は「アンビエントミックス」と銘打たれた、少女達のトークに90sアンビエントが重なる異様な曲に興味を持ったが、春日井に広がる「風邪を引いて寝込んだときに見る悪夢」のような世界はもっと込み入ったものだった。
一貫してチープでシンプルなシンセベースのミニマルなループと、不条理で無意味な歌詞のループで一分間を押し切るスタイル、レジデンツアタタックを聴いたときの感情の置き所の無さが剥き出しのこのサウンド、そして初めてのライブを最前で観たものの正直彼女が怖くて目を合わせることもできず、尚且つその場で学業専念のため活動休止を告げられてショックしかなかった事、色々含めて強烈な印象を残したこのアルバム。



ぼんやりアイドルくるみん 2015.10.12 神楽坂TRASH-UP!! 東西サイケデリックショックライン vol.1
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配点外




Especia『PRIMERA』


レコードストアデイ限定アナログ「Primavera」がアルバム扱いできるのならばそちら一択でいきたかった。あくまで「Primera」の話に限ると、前アルバムの時に「海辺のサティ」「ミッドナイトConfusion」といった人気曲を好き放題にリミックスして収録したら意外にも「アイドルソングの意味があるのか」という否定的な意見が多かったのが印象的だったが、今回はそれをDISC2にまとめてアルバム本編と切り離したことで解消、更にリミックス自体も好き放題度が増している。DJでもないのにまず「使いたい」と思わせる絶妙さ。O-EASTでのワンマンライブ時、「メジャーデビュー」とそれに伴い「制作陣に若旦那が加わる」というあの報告は、現場で見ていても動揺が激しかった、「この残酷な仕打ちがメジャーの洗礼なのか」と思ったりもしたものだけれど、結局Especia制作陣もファンもその「異物」をネタとして大いに遊び、カルチャーは違えど、表現に対して暑苦しい生真面目さで臨む姿勢だけは互いに評価し合うという、あの最初のO-EASTの葬式の様な戸惑いの雰囲気からは想像もできないところに結果を持って行った。この流れは見ていてとても気持ち良いものだったが、アルバム自体は頭に若旦那曲を置くものの、その直後にインストのインタールードを挟んで空気を仕切り直し、そこからがEspeciaの世界になるという仕掛けで、リミックスの分断と合わせて構成も真面目そのもの。Pellycoloと非現実的ディスコとLUVRAWのねっとりファンクが冴えまくり、リミックスの振れ具合は過去最高、「Security Lucy (VINYL7 DUB)」のタイトルだけで濡れる。Especiaのこういった趣味に振れたリミックス曲も、オリジナル楽曲と並行にライブで披露するのがまたエロい。遊びの分かる大人がメジャーの中でどこまで遊べるのか、遊び続けて欲しいですよ本当に。


Especia - シークレット・ジャイヴ (90sec. Ver)
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Negicco『Rice&Snow』


「北欧からやってきたキュートでイノセンスな雰囲気を持つユニット」のコピーが、ネタとして渋谷系に踊らされたシニカルな大人の遊びを象徴するのなら、「新潟からやってきたキュートでイノセンスな雰囲気を持つユニット」は、渋谷系世代が大人になって、シニカルさを持って世間と攻撃的に対峙する事を止め、ピュアに音楽だけに向き合った結果を体現する存在で、あの一癖も二癖もある楽曲提供陣をそうさせたのは勿論メンバーとconnieさんの人柄に他ならない。ベテランポップス職人達が集まって全精力をピュアなアイドルに託す、80年代前半の理想的なアイドル像が今ここにある。若手制作陣も作風を意図的に70s後半から80s初頭の洒落たポップスに合わせ全体の統一感を図る。その共和の中にあって、制作陣の我を出してしまった口ロロ三浦康嗣の人力ドラムンベース「BLUE, GREEN, RED AND GONE」、1994アシッドハウスリヴァイバルとアイドルポップスを諧謔で束ねるFANTASTIC EXPLOSIONと変わらぬ手法でチームしゃちほこを沸かせた吉田哲人「Space Nekojaracy」、渋谷系レジェンドとポスト渋谷系の輪に、新宿タワレコ10Fからやってきたアートの風、近年坂本美雨赤い公園プロデュースも手がけるようになった蓮沼執太「自由に」の流れのオルタナティブさ。遊び続けて欲しいです本当に。


Negicco 2ndAlbum 「Rice&Snow」全曲試聴用映像
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星野みちる『YOU LOVE ME』


制作陣のセレクトからチャイナ風味シティポップ/ディスコ/モータウン/フィルスペクター/シンセダブ/サウンドライブラリ系ジャズネタ、最後のヤン富田メドレーまでのスペイシーな3曲の流れ、サンプリング文化華やかなりし頃のセンスだけで全面武装するあのスタイルの再現、その衒学的な90sスタイルも、星野みちるNegiccoなどの音楽的自我を主張しない牧歌的ヴォーカルを置く事で相殺させていくのが今日日のやり方、そもそもアイドルブームを復興させたPerfumeだって、アクターズスクールネイティヴのディーヴァスタイルを着席歌唱とオートチューンで殺してからの「広島芋っこ中学生×当時最先端のニューエレクトロ」だった。しかしこのアルバムは星野みちるを据えてなお隙間なく完璧過ぎた、完璧過ぎて隙がない事が最大の障壁だ。





推し箱部門

レギュレーションが「いわゆるMVP(今年特に活躍したグループ)ではなく、オールタイム推し箱」なのでPerfumeです。箱」なのでPerfumeです。