Aerodynamik - 航空力学

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鮎貝健×中田ヤスタカ、初対談@NHK FM「Music Line」100311

http://www.nhk.or.jp/ml/

鮎:今夜は、Capsule、この方にお越しいただきました。自己紹介お願いできますか?


中:Capsule中田ヤスタカです。


鮎:はじめまして、よろしくお願いいたします。ずっとお会いしてみたいなと思っていましたけれど。凄く嬉しいです。有難うございます。


スタッフに熱心なファンがいるのか、毎週常軌を逸するレベルでPerfumeが贔屓されているように見えるため、一部ファンが「週刊Perfume」と呼ぶテレビ東京JAPAN COUNTDOWN」。そのナレーターとしておなじみ鮎貝健のFM番組に、中田ヤスタカが登場。
Perfumeのファンであることを自称する鮎貝氏、緊張しつつも興奮を抑えきれない妙なテンションで司会に臨み、対するヤスタカはいつものぼそぼそした口調で己を訥々と語る。その掛け合いを必死で書き起こした。



鮎:プロデュースするのと、メンバーとして活動する事の、気持ちの持ち方の違いとかなんか意識したりするんですか?


中:そうですね、自分のっていうふうになると、自分が何か考え始めないと何も始まらないんで。人をプロデュースする場合には、まず人がいるって所から始まって、その人が今、「このタイミングでどういうことをやったら魅力的に見えるかな」とか考える事から始まるじゃないですか。でも自分の場合は自分からなんで、「何しようかな?」って、そこから本当に何もないところから始まるんで、そういう違いがやっぱ大きいと思うんですけど。


鮎:そう考えると、プロデュースよりも難しい部分って沢山ありそうな気も。


中:そうですね、一番作ってて楽しいですけど、一番辛いですね。自分が好きじゃないといけないので、その作品をまずは。だからある意味、敷居を、自分が好きって敷居があるんで、ある意味高いっていう。客観的にっていうよりかは、もう自分なんで、結構自分が好きなやつをそんなにバカスカバカスカ作るかっていったら、それが一番面白くて、難しいじゃないですか。だから続けられるんですけどCapsuleは。


鮎:そういう時に急にプロデューサーとしての脳が働いたりすることはないんですか?


中:ありますね、それはだから、それで変えようって思わないですけど、「大丈夫かな?」っていう風な客観的ですよね。だから、「皆これを魅力的な作品だと思ってくれるかどうか?」って所に不安にはなるんですけど。でも、そう思う自分はいるけど、それを曲に反映しようとは思わないですね。それは自分がいいと思ってるのを、まあ不安なんですけど、「出す時にはどういう風になるかな?」っていう方の楽しみの方が、それを上回るんで。やっぱりこう「受けるかな?」って作って出すよりも、まあ「これ自分が好きなんだけど世の中の人たちはどうかな?」っていうふうに活動していたいっていうのがあるんですよね、Capsuleは。


鮎:そこはある意味Capsuleがそういう気持ちでやれているから、また他のプロデュースとか、或いは依頼された時っていうのも、逆に・・・


中:バランスは今取れてると思うんですよ、自分の中で。まあチャレンジなんで、ある意味失敗してもいいと思ってるし。ただ「やる事っていうのが大切なんで」っていう部分がCapsuleだとすると、他のプロデュースで逆にチャレンジをしている作品でも、「聴こうかな」っていう切っ掛けになっていたりするっていう、色んなバランスが取れていると思うんですよね。もしプロデュースをしていなかったら、ひとつだけ、Capsuleだけって活動だと、全部をその中でやらなきゃならなくなるんで、ある意味保守的になっちゃうかもしれないなって思っているんで。色んな、映画のサウンドトラックとかもそうですけど、そういうのを切っ掛けに逆に興味を持ってもらったりとかっていうのも、あると思うんで。色んな仕事をして、その結果チャレンジをしているCapsuleっていう所に興味を持ってもらえるっていうか、聴いてもらえる所までとりあえず行ってもらえるのがいいかなって思ってるんで。


鮎:作業してる時に、例えばCapsuleをご自身の作品として作っている時に、今凄く依頼とかも多いと思うんですよね、お願いされる事も凄く多いと思うんですよね、例えばプロデュースとかそういう部分も、そういうのって一杯になっちゃったりしないんですかね。あっちの締め切りがこっちにあって、こっちにも締め切りがあってとか。


中:なんかそんな無理矢理作ってるわけでもないんで。基本のペースが速いって言われるんですけど、自分そんなに急いで作ってるつもりもなかったりするんで。あとはあれですね、あんまり色んなことを同時にはしないようにしてるんですよ、なるべく。一枚作ってまた一枚っていう風に。ってしてもらってる部分もあるんですけど。なんで、環境的には割とやりやすいですけど。


鮎:中田さんの作られた音を聴くと、凄く、言ってみれば機械音なんですけど、凄く熱いんですよね。大好きなんですよね、そういう、低音の流れから、その上で遊んでる音たちも。


中:そうですね、なんかやっぱり、音を聴いた時に、人が作り出してる感っていうのが欲しいんですよ。それが好きで、なんか自動的に出来上がった音楽に聴こえては面白くないっていうか。例えば、生音と言われるような楽器の音ってあるじゃないですか、音楽があると思うんですけど、だから凄い人間味を感じるかっていったらそうとは限らないというか。どういう部分で人間が作ってるっぽいというのか、僕も分からないんですけど、そういう感じっていうのが出ていればいいかなって思って。だから、作っている時が楽しそうな音楽に聴こえればいいなっていう部分もあるんで。聴いて、同じような曲が聴きたいと思ってもらえるのもいいですし、逆にそんな感じの事してみたいって、聴いた人が思うようなことをしていたいっていうのもあるんで。だから機械音ってやつを使ってたとしても、人間が作り出してる感じがする音楽をやりたいと思ってるんですけども。


鮎:ほんと、気持ちよさ、感情を揺らす、琴線に触れるとか、そういう所凄くありますよね。


中:そうですね、情緒みたいなものは凄く欲しいなと思ってるんですよね。


鮎:凄く浸っている自分がいるみたいな感じがするんですよね、音の中に。


中:やっぱり作る時には、音以外にも風景が見えてるんですよね。風景って具体的なものもあれば、光の色とか、単純に広さとか、そういうもんだったりするんですけど。空間のイメージがあって、そこで鳴ってるとか、そういう感じで、頭ん中で音楽を作ってるんだけど、作ってるのは音なんですけれども、もうちょっとなんかこう映像に近いものは頭の中にあったりするんで、何か色んなものを感じてもらったらいいなと思うんですけども。


鮎:あるんですねやっぱ映像が。


中:そうですね、だから逆に曲が一杯出来て完成して、じゃあ「ジャケットどうしようかな?」っていうんじゃなくて、作ってる途中で「こういう風なデザインにしたいな」とかも浮かんでくるんですよね。で逆に曲を、こういうデザインに今したくなってきてるから、残りアルバムまだ何曲か作る予定の曲はこうしていこうかなとか、そういう、逆に曲をデザインの方からイメージして作ることの方が多いんで、順番はバラバラなんですけど、音楽から全部って訳ではないですね。


鮎:プロデュースの時って、例えばお願いされて、そのプロデュースするアーティストさんのイメージとか、そっから色々なものが生まれてきたりすると思うんですけども、ご自身がCapsuleとして自身から発信していく部分って、その最初のひらめきの切っ掛けってどういうタイミングなんですかね?最初の種というか。


中:あんまり考えてないんですけど、やっぱり凄い身近な事だと思うんですよね。例えば今東京に住んでて、よく行く、例えば買い物、服を買ったりする様な街が、新しい建物が建ったり、内装をリニューアルしたりとか、そこに歩いている人たちの服装がちょっとづつ変化したりするのを見たりとか、っていうのを、音に変えてるんだと思うんですよ。だから、例えばDJとかもやってるんですけど、夜そういうイベントで、「ああこの人お洒落だなあ」って、「かっこいいなあ」って思ったりするじゃないですか。そしたら、例えばその人が家で聴いている音楽でありたいとか。あとは「ここいいお店だな」ってご飯食べてたりする時思うじゃないですか。そういう所で、「今かかってる音楽が、これよりももっとこうだったらいいのにな」って思ったりする時に、それはもう曲を作ったりしてるんです、頭の中で。そういう色んなところからそういう断片を持ち帰って、何かそういうのが種になってると思うんですけど。


鮎:どっか日記的部分があるんですかね。


中:そうですね、だから僕が考えているっていうか、世の中が変われば、作りたい音楽も自然に変わっていくって感じで、自分がやってることが絶対的って事ではない、わりと相対的な、本当に。世の中が変われば、それに合わせて自然と自分がかっこいいと思うことも変わっていくと思うんですよね。世の中に多いものに参加したくないというか、今これ少ないけど、面白くなりそうだなって事に興味を持つんですよ僕。あんま意識してそうしてる訳じゃないんですけど、バランスを作りたいというか。もし例えば今凄い興味のある事が、そのうちありふれた、みんな当たり前って思うようになったとしたら、またその時には別な事をやりたいなって思ってるんで。


鮎:どっか自分という意識をちゃんと持ってらっしゃいますね、沢山変化していくものの中で、でもやっぱ自分がここにいるっていう。


中:そうですね、流行を気にするっていうと何も出来なくなっちゃうんで、そういうことではないんですけれどね。自分が今生活している環境が、楽しくなることを自分自身で作れたらいいなっていう所があるんですよね。


鮎:意外と言ったらあれですけど、もっと音楽を作る時って、景色が見えてきたりとか、どっか画を描いてる様な所あるじゃないですか。それに音をつけているような所もある、そういう時って、自分だけの世界っていうか、神様って言ったら言い過ぎだけど、そこくらいの勢いじゃないかなって思っちゃうんですよね。そこは誰も入って来れないじゃないですか。


中:作ってる時はそうかもしれないですね。


鮎:そうありつつ、凄くそのバランスというか、お見事だなという感じがしました。


中:単純な話、凄い自然に囲まれたところに引っ越したとするじゃないですか、そしたら作りたい曲はすぐ変わると思うんですよ。それ位単純で、ただ今は普段DJとかやってて、やっぱりみんなお洒落な人とか来てくれるんで、友達とかも、音楽じゃない、例えば美容師さんとか、服作ったりしてる友達の話聞いてると、「やっぱかっこいいな」って思ったりして、「そういう奴らが自分の曲かっこいいと思ってくれるって楽しいじゃん」って思って、ほんとそんな感じで曲作ってると思うんですよ僕は。


鮎:ますます音楽だけじゃなくて、人間も素敵だなって思いました。有難うございます。

なんだその締め方は。




ヘビメタさん

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