観覧記録 南波志帆/バニラビーンズ@原宿Astro Hall
- 100514 Astro Hall 10th Anniversary 「Private Lesson」@原宿Astro Hall
オープニング/転換時のDJは、Twee Grrrls Club、6人の若い女の子が群がってDJをしていた。メンバーにはHNC(Hazel Nuts Chocolate)のYuppaもいる。かけるものはどれも7インチや12インチ、幾つかはカラーヴァイナル。ジャンルは80年前後のニューウェーヴやパンク、ネオアコなど。Jilted John「I Konw I'll Never」、The B-52's「52 Girls」、Would Be Goods「The Camera Loves Me」、A Flock Of Seagulls「Telecommunication」、Maximum Joy「Stretch」など、なかなかセンスのいい選曲。ヴィジュアル的にも音楽的にもなかなか面白いDJチームだった。また聴いてみたいなあ。
客入りはまずまず。ステージ前方はバニビオタが厚く固めてしまっているので後方に陣取る。
まずは南波志帆登場。白黒のボーダー柄タンクトップに、黒の丈の長いジレ、白のふわふわのシフォンスカート。いつものように左サイドの高い位置でまとめて横に垂らした黒髪。
サポートには、普段のドラム(ノーナ・リーヴス小松シゲル)/キーボード(Sunny)に加えて、PCマニピュレーター兼ギターの3人。今回は自身最長となる45分間のライブ。
- 不思議なミラー
- じさくじえんど
- MC
- スローモーション (新曲)
- プールの青は嘘の青
- MC
- サンダル(カオシレーター)
- それでも言えない You & I
- みたことないこと
- MC
- ごめんね、私。 (新曲)
- セプテンバー
これまではリリイベ以外ではCymbals人脈やLDKなどの身内イベントでのゲスト、いわば「ホーム」でしかほぼステージ経験が無い彼女。今回はこれまで特に縁も無かったアイドルカルチャー/バニビとの対バン、音楽的にも客層的にも、初めての「アウェイ」。最初には若干の緊張も見られたけれど、すぐに会場を彼女の優しい空気で満たしていく。MCではにかんだり、ちょっとずれた反応をしたり。思わずこちらも微笑んでしまうくらいに一挙手一投足が初々しく愛らしい。柑橘類の絞りたての果汁のようにフレッシュでキラキラしたオーラとその表情。本当に稀有なキャラだ。「北欧の風に乗ってやって来た、清楚でイノセンスな雰囲気を持つ〜」はご存知バニラビーンズのコピーだが、今日はむしろ南波志帆のためにあるような言葉だと思った。
柔らかく、そして透き通るようなその声。声の伸びやかさも、以前より上達している。「それでも言えない You & I」「みたことないこと」そして新曲「ごめんね、私。」は生ならではの疾走感溢れるアレンジでアウェイの観客を大いに盛り上げる。カオシレーターを右手にステージを跳ね回ってぎゅわぎゅわ言わせたり、客を手拍子で煽る余裕さえ見せた。半年前から随分成長した様に見える。
ポニーキャニオンからのメジャーデビュー作となる次のアルバムは、これまでと同様にCymbalsの矢野博康プロデュース、土岐麻子、ラヴ・タンバリンズ宮川弾、ノーナ・リーヴス奥田健介、コトリンゴ、キリンジ堀込高樹、おおはた雄一、堂島孝平と、新人とは思えないような破格の面子のポップス職人達が再び集まった。今からその出来が楽しみで仕方が無い。
バニラビーンズ、「メンソレータム リフレア」CMの衣装で登場。「Love & Hate」「サカサカサーカス」、New Orderのような新曲「D & D」など、随分と音楽的に幅広くなった楽曲を披露。出色はやはり渋谷系のアンセム、Pizzicato Five「東京は夜の七時」ハウスカバー。
恒例のステージから投げ込みプレゼントは「生キャラメル」。MCはもう随分とこなれてしまい、芸人のように面白くかつゆるーい空気を醸し出していた。どうなっていくんでしょうこの人達。