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1700年前のパピルス文書『ユダの福音書』を修復・公開 ユダに関する新説を提示

http://nng.nikkeibp.co.jp/nng/topics/n20060407_1.shtml
http://www.nikkeibp.co.jp/style/secondstage/tanoshimu/nng_060407.html
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20060407i301.htm?from=main3

 パピルスの断片をつなぎ合わせると,『ユダの福音書』の冒頭の一節は次のように始まっていた。「過越(すぎこし)の祭りが始まる3日前,イスカリオテのユダとの1週間の対話でイエスが語った秘密の啓示」
 「イスカリオテのユダ」とは,イエス・キリストに選ばれた弟子の一人でありながら,銀貨30枚と引き換えにイエスを裏切り,接吻を合図に敵の手に引き渡した使徒。その名は今も裏切りの代名詞となっている。しかし,新たに発見された『ユダの福音書』に描かれたユダ像は,まるで違ったものだった。ユダこそイエスの一番弟子であり,他の弟子たちと違ってキリストの真の教えを正しく理解していた,そして,ユダがイエスをローマの官憲に引き渡したのは,イエス自身の言いつけに従ってのことだった――と,そこには書かれている。


 『ユダの福音書』の記述には,グノーシス派と呼ばれる初期キリスト教の分派グループの思想が反映されている。グノーシス派は,物質世界は至高の神ではなく下等な創造神のつくった不完全な世界とみなし,善の究極の源泉である神性は物質世界の外側にあると考えていた。『ユダの福音書』の中で最も重要なくだりは,イエスがユダにこう語る部分だ。「お前は,真の私を包むこの肉体を犠牲とするだろう」


 つまり,ユダがイエスを死に追いやったのは,イエス自身の望みに従った行為であり,イエスをその肉体から解き放つことによって,真のキリスト,つまり内なる神が解放されるというのだ。ユダがこの役割を任されたのは,弟子たちの中で特別な地位にあった証拠であると,この福音書には書かれている。

ユダは裏切ったのではなかったと。


ナショナル・ジオグラフィックは定期購読しているくらい好きな雑誌だが、これはとんでもないものを見つけたな。
詳細は4月28日発売の5月号に掲載されるらしい。



パピルス束は1700年前の「ユダの福音書」写本と確認
http://www.asahi.com/international/update/0407/006.html

 同協会の依頼を受けた顧問委員会のメンバー、クレイグ・エバンズ氏(新約聖書学)は朝日新聞に対し、「この福音書が描くイエス像は異端とされた『グノーシス派』の信仰に基づくもので、歴史的な事実を反映しているとは私は考えない。だが、ユダの人物像については新たな材料を提供する重要な文献だ」と語った。

ユダが裏切りものでないばかりか、キリストの意思に従った特別な弟子ということになるが、保守層からは「だってこれグノーシスじゃん」で一蹴される悪寒。


参考:
グノーシス―古代キリスト教の“異端思想
http://www.ringolab.com/note/daiya/archives/004060.html