Aerodynamik - 航空力学

はてなダイアリーからはてなブログへ移行中

Kraftwerkリマスターボックス「Der Katalog」が素晴らしすぎる

http://emij.jp/kraftwerk/



国内での流通価格が高いので本国Amazon.deに注文していたドイツ語版「Der Katalog」が遂に届く。
「霧が晴れたような音」とか噂は色々聞いてはいたが、これ凄いですよ。聴きながら「ふぉあ!」とか変な声が止まらない。5年待たされただけのことはある。一時はよりによってCCCDで出るなんて話もあったりしたなあ。もうこれだけ待たされたんかだらSHCDで出せばいいのにとか思いましたけれど。


どの音がいいかについてはそれぞれ好みの問題になるんだろうけれど、初期音源についてはとにかくクリアに、テープノイズを取り除く方向でのリマスタ、「TEE」「Die Mensch-Maschine」「Computerwelt」は本来の電子音の持つブリーピーなエッジと厚みを取り戻す方向、それ以降は音の広がりと豊かさにこだわった、という感じに受け取れる。

この手のリマスタ物には珍しく、年代が新しいものほどリマスタ後の衝撃度が大きいという意外な展開。初期の音源は本当に音が細いので、ありきたりのリマスタで変に音圧を上げるのではなく、その繊細さを解像度を上げてそのまま残そうという苦心が見える一方で、もともとダンスビートを意識し始めていた「Die Mensch-Maschine」以降はその音圧やエッジが増して、より厚みがでて立体的になったという印象。


個人的には1985年の「Electric Cafe」改め「Techno Pop」の迫力に驚嘆。FM音源ってこんなに厚み、深みがあったのかと感動させられた。まあ、FM音源全盛期の80年代に出たCDって今聴くとどれもマスタリングがしょぼくて、「FM音源=しょっぱい、硬いだけで薄っぺらい」という刷り込みができているので、それも込みで印象が全く変わる一枚。


とにかく、まだKraftwerkを聴いた事のないエレクトロニックミュージック愛好家は、せっかくだからこの際「Die Mensch-Maschine」「Computerwelt」の2枚だけでもぜひ買って欲しいと思う。テクノ聴かねーよという人でも、「ヒップホップの父親がJBなら、母親はクラフトワーク」という言葉もあるくらいなので、ヒップホップのルーツとして「Computerwelt」は耳にすべき。




しかし、このBOXが出たということは、「Autobahn」以前の3枚はリマスタどころか公式CD化も望めないのか・・・。「Ralf and Florian」は名盤なのになあ。あと、シングル「EXPO 2000」が取り残された形になってしまったのも残念。




Man Machine

Man Machine

Amazon
Computer World-Remastered

Computer World-Remastered

Amazon
asin:B002LYC29A:detail
asin:B002OXANQM:detail