- 100920 Aira Mitsuki「BiRTHDAY ANNiVERSARY 2010」@渋谷VUENOS TOKYO
先月のデビュー三周年記念ライブ*1が現時点での集大成的なライブであったのは間違いない。とすると、一ヶ月後にまたいつもの会場でライブをやる、そしてその時点ではまだ新しい音源は聴けそうに無い、恐らくこのタイミングでは新しい試みも無いだろう、そういった条件の下では、また同じようなライブを観るだけのモチベーションに今ひとつ欠け、前日のSaori@destinyと同様に前売りチケットは購入しなかった。自分は暑さにとても弱く、夏の間は極端に気力が落ちており、また最近職場が変わってストレスを溜めていたこともあって、ライブやクラブに遊びに行く心の余裕もなかったのだ。しかし、直前になってSaori@destinyのワンマンライブに纏わるあれやこれやがあり、*2 結局Saoriのチケットを購入するついでに、なんとなくAiraのチケットも一緒に購入していた。
整理番号は210番、入場は一番最後だった。つまり当日の動員はほぼ210人。先月のライブに比べて会場には若干余裕があったが、観客の熱気は非常に高かった。客入れSEでは、Aphex Twin「Start as You Mean to Go On」「Girl/Boy Song」などが流されていて、「ああ自分にとってAphex Twinが面白かったのは1995年までだったなあ(ドリルンベースが嫌い)」などと薄っぺらい懐古に浸っていたら、珍しくほぼ定刻通りに公演がスタート。
スターウォーズのテーマ曲に乗せて、スクリーンで幼少のAiraの写真のスライドショーが始まる。そうか、今日はバースデーパーティーか。デビュー曲とともに現れたAiraは、サマソニ出演時と同じ衣装、髪は黒に戻していた。バースデーパーティーという事で、デビュー曲からリリース順に曲が披露されていく。何だかんだと、Airaのリリースイベントはデビューの時から毎回観ていることになる。趣旨に合わせて、その時々の記憶を辿りながらライブを見守る事にする。
- カラフル・トーキョーサウンズ・No.9
- チャイナ・ディスコティカ
- MC
- Darling Wondering Staring
- Galaxy Boy
- ハイバッシュ
- ファンタジー・キャンディー
- ニーハイガール (キーボード)
- SAZAE FUNKADELiC (番傘)
- ロボットハニー
- サヨナラTechnopolis
- High SD スニーカー
- MC
- Distant Stars
- Cosmic Chopper
- Change My Will
- BARBiE BARBiE
- Bad Trip
- Summeeeeeeeer Set (ショルキー)
- Wonder Touch
- Heat My Love
- EN
- イエロー・スーパーカー
PAはデートピアのインターンが担当しているのか、やたらと不安定なのが残念だったが、今日のAiraのパフォーマンスは緊張の欠片も見せない実に堂々たるもので、ダンサー四人を従えて、ある種の自信から来る貫禄すら漂っていた。いつに無く眉を寄せて熱唱していたのも印象的だった。観客の方もよく訓練されたもので、序盤から盛大に盛り上がる。ライブは演者と観客双方によって成り立つものと考えれば、観客の側もAiraと共に随分と成長した。今Airaはとてもいいファンに恵まれているなと感じさせる空気だった。
MCでは、Airaの衣装を完コピしてきた女性二人を見てとても喜んでいた。ライブ翌日が誕生日という事で、24時丁度にTwitterでおめでとうポストをしてほしいと言う。アイドルの誕生日を皆でお祝いするような殊勝な趣味をあいにく自分は持ち合わせていないが、その時のファンのツイートはここ*3にまとめられている。
デビュー曲から最新曲までをMCも少なめにハイテンションのまま演じ切り、アンコールに応えて再びステージに戻るAira。前日の件もあり、「ここでSaoriさんが来ると思った人!」に半数以上が挙手するも、「ですよねー」と軽くいなされる。ここでサプライズ、バックダンサー達が、ファン有志の送った花束を抱えて登場、一言づつコメントを送る。「Airaは努力家で、ドラムを一日5時間練習し続けた事もある」と。その成果は見ての通りだ。今のAiraのステージには欠かせない演出であるダンサー四人、彼女達も改めて皆に紹介された。皆が拍手を送り、最後にステージからそれぞれのカメラで記念写真を撮影。*4 自分はそそくさとスピーカーの陰に隠れて、皆の笑顔を見守った。
今日はドラムプレイこそ無かったが、演者・観客双方が充実した、気力を振り絞って参加して良かったと思える、とてもいい空気のライブだった。ホームグラウンドVuenosでの300人クラス相手のライブスタイルは、既に完成の域に達したと見ていいだろう。Vuenosではレベルの高いライブを安定して見せ続けてきた今年のAiraだが、逆に考えると、これ以上の事をやるのは今のスタイルでは難しいとも言える。次のアルバムリリース時に行われるであろうツアーでは、どんな新しいことに挑戦し発展していくのか。ライブを見終えた瞬間に、興味は既にそちらに向かっていた。