Aerodynamik - 航空力学

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観覧記録 SonarSound Tokyo 2013@新木場ageHa


  • 20130406 SonarSound Tokyo@新木場ageHa


いくつかある国内ダンスフェスの中でも、「インテリとスノッブのための先鋭的ダンスフェス」的な立ち位置のソナー。本家バルセロナはエンタテインメント性と前衛的が絶妙な感じで両立しているように見えるのだけれど、東京版はどうにもスノッブ臭さが付きまとう。まあそのおかげで会場にはちゃらい人種がいなくて快適なのだけれど。台風並みの爆弾低気圧で全国的に土砂降りの中、交通機関が麻痺しないかひやひやしながら会場へ。


バーカウンター前を歩いている人をキネクトで3Dキャプチャして右のモニタに表示、左のモニタに30秒毎の3Dキャプチャを加工した画像が表示され三軸で動き回る作品はbuffer_Renaissによるもの。




手持ちのレーザーポインタで壁に描いた軌跡をキャプチャし、ペンで描いた様にプロジェクタで投影。塗料が垂れる演算あり。こちらはTYMOTEとのこと。



John Talabot (Barcelona) Live

BPM110のサイケかつレイドバックなNu Discoからスタート。「Permanent Vacation」っていうレーベル名は最高だな。快楽的というよりも寧ろメランコリックさが心地いい。



John Talabot - Journeys

John Talabot - Sunshine



Actress (London) Live

前作「Splazsh」よりも更に抽象的になってしまった「R.I.P.」を反映するように、単調な四つ打ちがビートを眈々と刻む中、渇いた荒々しい機械的ノイズが空間を満たし続ける。死後的なバッドトリップ・サイケデリック感。ノイズとディレイ塗れの根暗サイケデリアでありつつ、やけに端正でノスタルジックですらあるのは、例えがアレだけれどYMO「テクノデリック」にとても近いなあと思ってしまった。そういえば、「BGM」を後付で「ビューティフル・グロテスク・ミュージック」の略だと言ったりしていたが、これいい言葉だよな。



Actress - Always Human

Actress-Senorita



真鍋大度 + 比嘉了 + MIKIKO + elevenplay + Tackcom + Ametsub

MIKIKO先生とRhizomatiksの新作。Nosaj Thing仕事と同じ方向性の、動き踊るダンサーに対しての動的なプロジェクトマッピング。凄い所へ来てしまった。これに関してはもうライゾマのインパクトが凄過ぎてelevenplayの影が薄いというか、有機的なアニメーションを観ているかのようで、もはやダンサーの存在が動的なスクリーンと化していた。Nosaj Thingの方はダンサーの身体性に意味があったと思うし、MIKIKO先生とelevenplayの仕事なら次はもっと人間の身体性とテクノロジーの鬩ぎ合いを見せてくれるだろうと思うとわくわくする。



dance + projection mapping (Rhizomatiks + MIKIKO + elevenplay)

Nosaj Thing "Eclipse/Blue



Alec Empire (Berlin) DJ

ATARI TEENAGE RIOTとしてのデジタルハードコアと、Mille Plateauxのようなエレクトニカ、どちらの路線で来るのかと思っていたら、今時レアな古めの攻撃的ガツガツテクノから、EDMみたいなものまで、彼のイメージからすると拍子抜けするくらいに普通に踊らせるセットが始まった。しかしとにかく激しく煽る煽る。「Make some fuckin' noise!」という言葉を何回聞いたか。ATARI TEENAGE RIOTのロゴが描かれた馬鹿でかい黒旗を振ってフロアを歩き回っている物騒な奴がいたが、彼はスタッフだったのだろうか。90年代に観た時は全くミックスせずにブッコミ続けるスタイルに衝撃を受けて、大学の学園祭でデジタルハードコアをかけて笑われたりしたのだけれど、今はちゃんとミックスするんだなあと思いつつ踊っていると、Salem「Better off Alone (Alec Empire Remix)」で一旦クールダウン、ラスト20分でいきなりドリルンベースに転換。そこからはデジタルハードコア乱れ打ち!2013年に!レヴォリューション!アクション!!!DJブースの前でモッシュが始まる!石油のために戦争するアメリカ政府に抵抗しろ!とか全然あの頃と変わってねえ!政府からも左翼からも右翼からも狙われるカリスマというイメージにぞくぞくしていた青春時代。



Oscar Mulero - 46

Atari Teenage Riot - Revolution Action (Banned Version)



LFO (Sheffield) Live

馬鹿でかいLEDスクリーンをバックにライブスタート。物凄い速さで原色がちかちかするのでとても見ていられない。サウンドは2009年のWarp20 TOKYO同様ハードなシバキ系。「Nurture」「Mentok」「Simon From Sydney」「Tied Up」などのブリープクラシックを挟みつつ、基本はリアルタイムで音の部品を一つ一つ差し替えていくが、全ての音がオシレーター剥き出しの凶暴さ。この暴力的な電子音剥き出し感は、今の時代には寧ろ他に無い。20代の女の子たちがぎゃーぎゃー言いながら踊り狂っていたので、現役なんだなあと嬉しくなった。


LFO - Tied Up

LFO - Freak



Adrian Sherwood & Pinch (London/Bristol) Live

フードエリアでタコスとキーマカレーを食べてフロアに戻った直後にライブスタート。始まった瞬間から凄まじい低音が突風の様に噴き付けて視界が歪む。ダブベースが強烈過ぎて箱から全身の皮膚から頭蓋骨から視界まで、いたるところが空気の振動でビリビリ震える。直前に食事を取ったことを後悔する。ダブ王国ON U Soundのボスとブリストルダブステップ帝国Tectonicのボスの共演、家でこそこそCDを聴いているのとは全く別物の、暴力的なダブ。ブロステップとかちゃんちゃら可笑しい、この殺るか殺られるかの殺気立ったシリアスな空気。凄い物を観た。



Adrian Sherwood - Balance



Boys Noize (Hamburg) DJ

この日の面子の中では異色な感じ。サービス精神に溢れすぎていて、LFOのトラックをやたらかけたり、Daft Punk「One More Time」の元ネタEddie Johns「More Spell on You」をかけながらCUEで刻んで「One More Time」を再現してみたり。



Boys Noize - Yeah

Ridney - At Night



Akiko Kiyama (Berlin)

Boys Noizeの裏で強烈に渋い木山さん。朝方にこの淡々としたクールな色気を纏ったミニマルが最高に心地よい。



Akiko Kiyama - You Are Pinnochio

Akiko Kiyama - The Sunset




朝方、爆弾低気圧は既に通り過ぎた後だった。