Aerodynamik - 航空力学

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観覧記録 南波志帆「MUSIC」発売記念ミニライブ@ポニーキャニオン本社



@nanba44
南波志帆
南波志帆です☆17時からのイベントは懐かしの曲たちを歌いますよ*言うならば、、南波志帆上級者向けのライブだ。。!(というコンセプトです) #nanba44 link


作曲/作詞をandropの内澤崇仁に依頼した新譜「MUSIC」イベント。前作「髪を切る8の理由。」でそれまでのトレードマークであったサイドポニーテールのロングヘアーをばっさりと切った次には、オレンジのウィッグで全く新しいヴィジュアルと、引き続き島田大介のPVで、これまでとは違う売り方を狙っているのだろう。CDのジャケットにも、そしてPVにも、ついに本人が登場すらしなくなった。彼女の印象的な個性を見事に表現した「水色ジェネレーション」が先日「ミュージック・ジャケット大賞2012」特別賞を受賞したばかりという皮肉なタイミングで。*1


南波志帆の個性的な声と同じ位に彼女の不思議なパーソナリティーを大切にするファンにとっては、最近の戦略は到底受け入れがたいものだとは思うが、これまでとは違う層に聴いてもらうにはこういう改革も必要なのか。Perfumeでも関和亮監督作と島田大介監督作の両者に対するファン感情の違いがあからさまになったが、関監督は対象のミュージシャン自身の個性に寄り添った上で個性を引き出す作りで、それとは真逆の、島田監督の監督自身の強固な世界観にミュージシャンを落とし込むタイプが、ファンにとって受け入れがたいものになるのは必然というか。木村カエラ「Circle」などはとても好きな島田作品だが、あの作品が木村カエラである必然性などない。「素材」として扱う事で映えるタイプか否か、という違いなのかもしれないし、単に自分が南波志帆のパーソナリティーを特別に好きなだけなのかもしれない。


「懐かしの選曲で上級者向け」、シングル曲のプロモーションイベントなのに、新しいファン向けのシングル曲を並べたセットではなくファン好みのアルバム曲を並べたのは、これがシングル購入者限定ライブという事をふまえて、上記のように現在の戦略に戸惑いを感じるこれまでのファンへ向けての心遣いだったのだろう。


  1. ストーリー
  2. きっとすべては夜のせい
    • MC
  3. オーロラに隠れて
  4. スローモーション
    • MC
  5. MUSIC


彼女は集まったファンたちをその場で「南波チルドレン(No.Children)」と名付けたが、彼女達より遥かに年上のファン層にチルドレンと名付けるセンスにファン一同苦笑。そして来月発売のアルバムを既に予約したかと訊かれて手を挙げた人が少なかったため、その場で「No.Childrenは解散だよ!」と即終了。予約しなくてもその場にいた人は皆買うだろうが、「事前予約が多ければその分発注が伸びるからぜひ予約で」とスタッフのフォローが。


「ごめんね、私。」に続く「乙女失格。」という衝撃的にネガティヴさを感じさせるタイトルは、「人格否定としての失格ではなく、乙女の夢を見れなくなって戸惑っている自分への応援」という事らしい。会場で流されたその音源、宮川弾の作と思われるロマンティックなポップス「胸騒ぎの惑星」と、コトリンゴ作品であろう細部に過剰に凝っていながらもスケールの大きさを感じさせる作品は一聴して直ぐに好きになってしまった。やはりこれまでの作品よりもバラエティに富んで広い方面にアピールする造りになっているようで、これまでの特定の層へアピールする特定の「センスの良さ」を外した所にある新しいもの達を、彼女がどう消化していくのか、楽しみにして待っていよう。



南波志帆「MUSIC」 Dir:島田大介

南波志帆「髪を切る8の理由。」 Dir:島田大介

南波志帆「少女、ふたたび」 Dir:関和亮

南波志帆「こどなの階段」 Dir:関和亮

androp「Bright Siren」 Dir:川村真司+清水幹太+長添雅嗣