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Aerodynamik - 航空力学

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観覧記録 Mibuki with tutu&Beat's 初東京ライブ/Peach sugar snow@池袋mismatch

idol music


  • 20140330 イケブクロ☆パラダイス@池袋mismatch
    • じゅっせんち
    • FUJI△PASSION
    • RELISH(魔女っ子見習生)
    • Mibuki with tutu&Beat's
    • ANNA☆S
    • Peach sugar snow
    • Jelly Beans


日曜の昼、家を出てからこの日の井の頭公園「SEA級グルメカーニバル」が雨天中止と知り、そのまま都内へ出て辿り着いた池袋。

FUJI△PASSION/RELISH(魔女っ子見習生)

K&Mミュージックの刺客、山梨発富士山アイドル FUJI△PASSION。富士山ご当地アイドルを名乗る静岡富士宮の3776と立ち位置的にライバル。静岡県民と山梨県民の間の富士山を巡る感情は如何なるものなのだろうか。個人的には電気グルーヴ=静岡県民=「フッジッサーン」、位の認識しかない。初めて富士山を意識して調べてみる。富士山本宮浅間大社のご神体として大社の管理下にあった山頂は明治時代に国有地に編入され、戦後に大社へ一部無償譲渡されるも、大社は国と争って1974年最高裁判決で山頂の所有権を確定させ、2004年にようやく八合目以上が浅間大社の社有地として譲渡された、とか、山梨県側は富士山の観光地化に積極的、富士五湖は山梨にある、なんていう雑学を得た。ローカルアイドルを通してその土地に詳しくなっていくのだから立派な観光大使だ。そういえば、3776のメンバーとチェキを撮る時に「富士山っぽいポーズで」と適当なお願いをしたら、腕で頭の上に大きく山の形を作って、左腕の肘辺りにちょこっと右手を添えて「これ宝永山ね」という。なんだそれ可愛いなと思ったが、宝永山が見えるという事はやはり静岡の人なのだなと納得した。


FUJI△PASSIONとRELISH(魔女っ子見習生)はちょっと初見のインパクトが強すぎて曲調の記憶が吹っ飛んでいる。少し古めの純情アイドル歌謡、郷愁と憂を含んだ青春フォークポップスだったような。魔女っ子見習いのRELISHが「有名人になる魔法をかけます」と言ってやってみせた倖田來未芦田愛菜の物まねがとても巧くて意外性に笑った。



Mibuki with tutu&Beat’s

信州菅平高原「奥ダボススノーパーク」PRユニット、いつの間にか「長野女子流」の異名で呼ばれるようになったMibuki with tutu&Beat's、この週末が東京初ライブ。Dream/SweetSそして東京女子流といったavexクラシックアイドルスタイルを強烈に意識した「ダンス&ボーカルグループ」で、「鼓動の秘密」あたりの女子流を好きな人なら一発で響く感じ。


最初のオリジナル曲にして「奥ダボススノーパーク」イメージソングである「Precious White」の上品なストリングスと鐘の音に彩られたウェルメイドポップスから、笑顔で別れを振り返る切なさの中で煌めくハウスポップ「セピア色のRecollection」にはもう感動させられる一方。PrièreとかそういうSPEED以降/Perfume以前の、大人びた憂いを湛えるガールズダンスポップの王道感すらある。
初遠征にも拘らず、衣装は3公演毎に異なるものを着ていたとのこと、その衣装がまた東京女子流の衣装ベスト2作「Limited addiction」「鼓動の秘密」レベルの安定感、まあ曲も衣装もかなり女子流を参照しているのだろうけれど、その日の夜に「Royal Mirrorball Discotheque」ツアーを観る予定のテンションでこのステージを観ているから、こういう物がまた長野のインディーズから現れた事に尚更衝撃を受ける。衣装のデザイン配色から、振付から、インディーズ感溢れる手作りなのに洗練された世界を丁寧に作っていこうとする真摯さがあるし、その姿勢はメンバーのダンス、歌唱の意識にもしっかり浸透している。3月にレコーディングしたばかりの「セピア色のRecollection」の手焼きCD-Rを売っていて、サインをしてくれた4人のペンの配色、特にNanamiさんのオレンジ、ポイントカードの作り込み、ジャケットデザインも本職の仕事ではないのだろうけれど、そういう一つ一つのディテールをその規模/スキルなりに最高のセンスで作り込んでいこうとする姿勢がとても好きだ。


  1. Precious White
  2. Moonlight Temptation
  3. Daring days
  4. セピア色のRecollection
  5. Rising sun


Mibuki with tutu&Beat's - セピア色のRecollection


Mibuki with tutu&Beat's - Precious White




Mibuki with tutu&Beat'sのオリジナル曲は松井寛編曲のようにディスコ/ハウスへの偏執は無いようだけれど、「Moonlight Temptation」はビックバンドジャズで、そういえば地方のスクール系ユニットはこういうサウンドを好む傾向にあるのは何故だろうと考えさせられる。東京インディーズアイドルはAKBとももクロ以降のフォーマットに乗りたがる、その方が現場慣れしている地下オタにも受けがいいのだろう。「東京は苛烈な競争原理が働いてるから目先の実績に左右されすぎな部分がある。だからローカルの方が音楽に精力を割ける」*1 という指摘はもっともな感がある。東京インディーズアイドルももクロのフォーマットでアッパー全力みたいなものをなぞっている間に、ももクロはノウハウをしゃちほこに投じて、自身は「サージェントペパーズ」みたいな「5TH DIMENSION」を作った。AKBも典型的なスタイルを作りつつもなんだかんだとディスコやEDMに積極的だ。メジャーはメジャーなりに冒険するし、E-girlsやGEM、Prizmmy☆のようなEDM志向の存在もある。Negiccoの評価も後押ししているのか、仙台新潟大阪福岡ローカルインディーアイドルシーンからはディスコ物の名曲がどんどん出てくる。東京インディーズアイドルの世界はダンストラックに対して保守的にも見えるし、単に自分がそういう物にしか興味を持たないだけなのかもしれない。


かつての声優アイドル/アニソンにはハードロックとトランスと電波のミクスチャーという様式美があった。それを東京インディーズアイドルが今でも再生産し続けている間に、声優アイドル達はポスト渋谷系人脈を贅沢に投じてウェルメイドポップスを量産している。それを見ていると正直悔しい。何でもかんでもCymbals人脈に頼めばいいというものでもないが、トマパイの散開は楽曲派気取りの敗北だ。
地方だろうが東京だろうが関係なく、過剰なインディーアイドルブームの中で粗製濫造されているであろう膨大な音の中で、たまたまアンテナの低い自分のところに聞こえてくる音はごく僅かなものだという事は分かっている。東京にはBELLRING少女ハートゆるめるモ!もいる。逆に、初音ミクの普及で中田ヤスタカ的なハウスポップが大量にDTMer初心者の中で飽和してしまった分、旧来のアッパーポップアニソンスタイルに加えて、いわゆるPerfume以降のハウスポップスタイルすらも、Perfumeが敷居を上げ過ぎた中で個性を主張するのは相当難しい現実がある。東京ローカルアイドルのダンストラックに対する保守性はそういう物が背景にありそうな気がしなくもない。



加古川 Citron* - acceleration


福岡 GALETTe* - neo disco


仙台 アイリス(by MORADOLL) - 魔法の呪文



Peach sugar snow

「おっもいまーす」というMCの語尾のあれがもはや場に合っていない、強いオーラを放ち始めた小越桃香もそれをうっすらと拒みつつある。曲の冒頭でステージに伏せてから曲が始まる、「深い深い海の底であなたをずっと待っていた」。重い。「魚姫の悲しくも切なく儚い想いを強く強く繊細に歌っています」。*2 創作童話に書き換えられる前の民話の薄暗い恐怖、メルヘンや神秘主義サイケデリックはとても相性がいい。Amon DüülやPopol Vuh、意識変容、知覚の扉、そういったピュアすぎるサイケデリックの飽和衝動。小林清美先生に「自分の世界観をウィスパーヴォイスを通してこの子達に託している、他にこういう手法を取る人達もいない、そしてずっと続けられる表現ですから」「デモトラックを(ベルハー)宇田さんに渡すと別物になって返ってくる」という話を伺う。小林先生の世界観と宇田隆志のサイケデリアの奇跡的なバランスが生んだ一曲。


Peach sugar snow 「人魚〜泡になって消えても〜」 MV


Jelly Beans

「宇宙ノ呼吸」が好きなのだけれど、「およげ!たいやきくん」のマイナー調UKハードコアトランスみたいな異様なカバーのインパクトが。