世間的にますます「クラブ=ドラッグ」のイメージが加速していくのが悲しい。かつてはEがなくてもハッピーなのが日本のクラブのいいところじゃなかったのか。
1:30 AM Aug 8th Twitで
ドラッグも煙草も酒もいらない、必要なのは水と音楽だけだ。
1:33 AM Aug 8th Twitで
昨今例の動画*1をもってクラブとドラッグが結び付けられて報道されていることについて、冗談じゃねえよと脊髄反射して、Twitterにポストせざるを得なかった。
しかし、そうは言っても、実際に野外レイヴなどで摘発されるような人間がいるのも確かだし、自分だってまだ違法でなかった頃のマジックマッシュルームが使われるようなところに出入りしていた事もある。*2 クラブミュージックはカウンターカルチャーとしてその発展期にドラッグが関わっていて、一つの文化として融合していた事は否定もできない。イギリスやドイツと一緒くたにするなと簡単に言えるような問題ではない。覚醒剤や大麻などを否定するのはもちろんだが、その文化を語る側の姿勢、報道する側の姿勢、それらをどう考えるべきか、あれこれと悩んだりもした。
ただ、サイケトランスも、今は無きVelfarreも、どちらの文化も自分は好きではないが、それでもクラブミュージックを愛し、ダンスフロアにおける陶酔にこそ本当の音楽体験があると信じている者にとっては、単にノリノリでDJをしているだけの動画でドラッグの話に結び付けられるのは本当に迷惑としか言いようがないし、その編集が無知なのか意図的なのか、報道姿勢を問いたくもなる。
多分これはサブカルチャー、カウンターカルチャー全てにおいて同じような問題を孕んでいるのだろう。かつて幼女連続殺人事件の宮崎勤の部屋に大量のビデオテープがあったことで、「アニメオタク=ペドフィリアの犯罪者」というレッテルが貼られた。この事件は結局動機も解明されないままに終わったが、精神鑑定の結果では宮崎はペドフィリアですらなかった。
今も、エロゲ愛好者は犯罪者予備軍というレッテルを貼られている。児童ポルノ規制強化についても、本来の目的とは別の方向で適用される可能性を孕んだまま議論は進められている。宮崎駿のファンには本物のペドフィリアも犯罪予備軍もいるかもしれない、しかし彼の作品を犯罪を助長するものと決め付ける人は、少なくとも日本にはいないだろう。日本のクラブ文化も同じことのように思える。
イギリスではクラブミュージックシーンに対する締め付けはますます厳しくなっている。*3 日本のクラブミュージックの愛好者は、メディアの吐き出す情報に対抗しうるほどに、もっと積極的にその健全さをアピールしなければならない時を迎えているのかもしれない、それを怠れば、自分達の場所を失っていくだろう。ただでさえ、騒音問題でその大切な場所を失いつつあるというのに。*4