Aerodynamik - 航空力学

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観覧記録 Thomas Fehlmann@西麻布eleven



昨年11月のThe Orbとしての来日ではDJだったので、久しぶりのライブセットとなるThomas Fehlmann。この日を心待ちにしておりました。


25:30、白いシャツ、グレーのストール、千鳥格子のキャップで現れた、眼鏡のFehlmann先生。DJの時のようなシンプルなミニマルハウスか、普段の作風のような端正なミニマルダブで来るか、期待に胸を膨らませていると、流れ出したのはBasic Channel系のディレイの効いたテクノ、それもハットとクラップが強烈にシャッフルする独特のファンキーさ。透き通るようなパッド系の音色はドイツらしく知的で硬質、キックからハットまで全てが上品で心地良く、決してダークにならず踊りながら思わず笑みを浮かべてしまうユーモアと楽天さに溢れている、これぞFehlmann節。
先生も途中でキャップとストールを脱ぎ捨て、ノリノリでちょっと変な振りをしておどけてみせながら、ますますファンキー度を上げていく。全く想像していなかったこの展開、90分間ノンストップで汗だくになってがんがんに踊るなんて久し振りだ。キックやリズムはハードながらも、まろやか濃厚の高級絹漉し豆腐のような舌触りはそのままという、何とも贅沢な時間だった。


連休なので混雑を覚悟して行ったのだが、(それがいい事なのかは別として)適度な客入りで非常に快適。客層もナンパ層はほとんどおらず、気持ちよく音を楽しめた。そういえば、DJ Wadaが朝方にPlastikman「Spastik」をかけたのだが、久し振りにフロアで聴いたあの「狂気」の音は、今聴くと斬新ではあるもののそんなに狂気でもなく、音が進化しているのか、自分の感性が鈍ってきているのか、ちょっと考えたりもしたけれどまあ楽しかったのでどうでもいいやそんな事。




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