観覧記録 PANDA 1/2 / 南波志帆 「SOUNDS OF SHIBUYA」@渋谷O-Nest
トップは自称中華DUBバンド、「泰山に遊ぶ」。細野晴臣のチャンキー時代やティン・パン・アレーのようなコンセプトが面白い。しかし、演奏が下手すぎる。
電気グルーヴにおけるピエール瀧というか、Happy MondaysにおけるBezのような、楽器を演奏せずに変なダンスをするだけのメンバーがいるのだが、先駆者達に比べて圧倒的にレベルが低くてファンにも愛されていない感じが泣ける。そういうぐだぐだ感を含めて楽しめる人にはいいバンドかもしれない。
南波志帆はフルセットのバンド付きで登場。ギター岩谷啓士郎、ベース須藤優、キーボードはオトナモード山本健太。ドラムは誰だっただろう。いつものNona Reeves小松シゲルではなかったけれど。
今日は安定して落ち着いた歌声。上擦って音程を外すことは全くなく、技術的によくコントロールされているな、という冷めた感想を抱くくらいに。そう、その日は、客に訴えかける前のめりの感情や情熱のような、生的な魅力の部分が綺麗に欠けていた。ヴォーカルが生身の人間である以上、そういう日があっても仕方ないのだが、さすがにこれには南波志帆ファンも納得がいかず、ライブ後にファン同士でその変化について語り合ったが、結局、前日までの二日で大阪岡山広島を回る強行キャンペーンでの極度の疲労のせいだろう、ということで落ち着いた。
いつもの縫いぐるみのぶら下がったピンクのカオシレーターの他に、ステージにはカオスパッドが用意されていて、「それでも言えない You & I」の冒頭で、南波志帆によって軽いリズムセッションのようなものが披露された。まだ完全に手探り状態だったが、今後面白い使い方を見つけてほしい。
トリはPANDA 1/2。キュートなパンダマニアの藤岡みなみ & ジェームズ・パンダJrによる渋谷系サウンドのオマージュユニット。藤岡みなみのTumblrのセンスがとても好きで、一度ライブを見てみたいと思っていた。*1
- カローラIIにのって
- 中華街ウキウキ通り
- 熊猫はカラフルな夢を見るか
- Untitled Melody
- PANDA! PANDA! PANDA!
- 夏をぶっとばせ -WILD SUMMER 2012-
- EN
- 上海は夜の6時
渋谷系のあの頃を覚えている世代なら、タイトルだけでグッと来るはず。しかし、実際のライブを観ての楽曲に対する感想は、タイトルに紐付く珠玉の名曲たちには遠く及ばない、やや退屈なものだった、というのが素直な印象。藤岡みなみはキュートだし、渋谷系お約束のボーダーTシャツを着たバックバンドの演奏は非常に巧いのだけれどね。渋谷系オマージュというコンセプトが、楽曲に対するハードルを極端に高いところに上げてしまっているので、まあ仕方ないというか。
当日のライブダイジェスト映像がYoutubeにアップされている。
ASIN:B003SZ4O4C:detail