Aerodynamik - 航空力学

はてなダイアリーからはてなブログへ移行中

観覧記録 Prins Thomas「Japan Tour 2013」@渋谷amate-raxi


  • 20130714 Prins Thomas Japan Tour 2013 supported by RESPONSE@渋谷amate-raxi
    • Prins Thomas
    • 瀧見憲司 (Crue-L/Being Borings)
    • STEREOCiTI(Mojuba)


Perfumeの楽曲を誰それがリミックスしたら、とか想像するじゃないですか。もう2013年だし今更そんな事しないですか。アルバムから一曲をシングルカットして、4曲位のダンスリミックスが入って、というかつてよく見たあの形態。90年代だったらPerfumeもそれで12インチをカットしていただろうなと思うのは想像に容易い。モーニング娘。だって「LOVEマシーン」のリミックス入り12インチを切っていた時代だった。音楽業界は相当に景気が良かったのだろう、浜崎あゆみなんか当時嫌というほど流行ったトランスだけでは飽き足らず、Armand Van Helden/Junior Vasquez/Hex Hectorといったハウスの大御所から、ColdcutCarl CraigMad Professor/System F、そしてThe Orbにまでリミックスを依頼していた。もう完全にコアファン層すら放棄した人選なのに、ビジネスとして成り立っていた。恐ろしい時代だ。

で、Perfume「スパイス」のリミックスシングルを切るなら、だったらノルウェーSmalltown Supersoundレーベルとのコラボで、Lindstrøm/Prins Thomas/Bjørn Torske/Mungolian Jetset/Todd Terjeとかそういうバレアリックハウスやニューディスコなエディットを聴きたいな、というそれだけの話です。「Perfume - Spice (Prins Thomas diskomiks)」「Perfume - Spice (Todd Terje Night Version)」とかタイトルだけで30分くらい踊れる気がしませんか。リリースした当時なら、配信限定でMexican SummerレーベルのWashed Out/No Joy/Teams & Star Slinger辺りのチルウェイヴスタイルでもいいものができたと思う。そういう仮想のリミックス曲を頭の中で鳴らすのはとても楽しい趣味の一つ。



Perfume 「スパイス」




この日のamate-raxメインフロアのステージは木造の山小屋のように設えられ、窓からDJが覗くという、この箱のサイズでは考えられないとんでもないデコレーション、さらに窓枠や吊り下げられたテープやアクセサリーやらにサイケなプロジェクションマッピングまで。北欧のニューディスコシーンの中心たるPrins Thomasを招聘したパーティー主宰の気合が入り過ぎて気圧されるよう。





瀧見憲司のプレイは今思えば自分の想像するPrins ThomasのDJスタイルそのもので、実際のPrins Thomasはもっと派手目できらきらでトランシーだったのが意外。ジャパンツアーのサービス的な物だったのかもしれない。



Golden Teacher - Golden Chalice

Rouge Mécanique - Witches

Boyz In The Oud - Cosmique Arabe




2:30からPrins Thomas。普段よりもきらきら多め。ディスコともアシッドともハウスとも付かぬ、イタロディスコが北欧でニューディスコとして生まれ変わった、しかしオプティミスティックでトランシーなサイケデリア。成熟したダンスミュージック。


Crimea X - Yev

Crimea X - Dream is gone (Prins Thomas diskomiks)

Par-T-One vs INXS - I'm So Crazy

Andre Bratten - Be A Man You Ant (Original Mix)

Kerri Chandler - Coro (The Colonial Mentality)

Todd Terje - Strandbar (Samba Version)

Ron Trent - Altered States (South Side Terrace Remix)




この手のパーティは朝方からが真骨頂。ムーディーなディスコからクラウトロックからなんでもあり、瀧見憲司とのB2Bもあり、全く踊り疲れる事の無いロングセット五時間半。The Cureの人がギターを弾いている、Siouxsie And The Bansheesのビートルズのカバー「Dear Prudence」は83年のニューウェーヴらしいビート感だけれど、このどこへも行けない閉塞感のあるサイケデリック感は原曲より好きだ。そして朝8時のダンスフロアに最後に流れたのは、冨田勲版「ボレロ」。踊り明かした朝をこんなに荘厳で美しい気持ちで迎えるのは初めて。


Al Foster Band - The Night Of The Wolf

Lou Rawls - You'll Never Find Another Love Like Mine

Hardsoul ft. Ron Carroll - Back Together (Classic Main Mix)

Siouxsie and the Banshees - Dear Prudence

ボレロラヴェル - 冨田勲




ASIN:B0097JL8OC:detail