Aerodynamik - 航空力学

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観覧記録 ライムベリー1stワンマンライブ「MAGIC PARTY」@渋谷WWW

http://natalie.mu/music/news/97103
http://www.girlsnews.tv/unit/96181



MC HIMEの休養のため、ライムベリーはこの初めてのワンマンライブを最後に一旦活動休止となった。


20130811 usa☆usa少女倶楽部ファーストワンマンライブ@渋谷club asia



この日の昼は、ライムベリーの本体であるusa☆usa少女倶楽部も1stワンマンライブ。いや過去にもワンマンライブはやっているはずなのだけれど、公式がそういうのだからそうなのだろう。ワンマンと言いながらも渡辺プロデューサファミリーオールスター戦状態。少ない曲数で普段観ている曲が繰り返されるのは勿体無い、もっとカバー曲やソロ曲を、というのも無粋な感じ。ラストの「ナンバーワン!」で元usa☆usaリーダー、現Barbeeの立花里佳子がBarbee河島樹莉と共に飛び入りしてのお祭り騒ぎ。


20130811 ライムベリー1stワンマンライブ「MAGIC PARTY」@渋谷WWW

http://ameblo.jp/sakurai-miri/entry-11590875193.html
http://ameblo.jp/himemari5141225/entry-11590933184.html
http://ameblo.jp/yasahanablog/entry-11591476025.html
http://ameblo.jp/nobuokahikaru/entry-11591216491.html




13/8/11(日)夜 ライムベリー 1stワンマンライブ「MAGIC PARTY」開催告知



ライムベリーがワンマンをやるならあの箱で、あの本国仕様240VのFUNKTION-ONEで鳴らす本物のキックアンドスネアで、としつこく言い続けて、そのうちMC YUKAにも「240Vとか言う人(笑)」とからかわれて、でも実現してみたらやはりその鳴りは最高だった。勿論圧倒的に豊かな低音域はそこら辺のロック向けライブハウスとは桁違いの鳴りだけれど、一番鳥肌が立ったのは「Ich liebe dich」のスネアがはっきりと主張していたことだった。ライムベリーの初ワンマンの会場となった渋谷WWWは、かつて世界一の中古レコード屋密集地であった渋谷宇田川町、そしてかつてのユースカルチャーの担い手シネマライズ地下劇場の跡地で、そういう日本語ヒップホップカルチャーやテクノなどのダンスシーンが普及していこうとしていたあの時代を背景にした思い出までもが、この公演に対する自分の感情をより大きなものにしていった。




この日はこれまで毎週末彼女達が積み上げてきた短くも膨大なステージ経験の集大成で、そして「このライブをもって一旦活動停止」という、終わらないはずの文化祭前日のループが本当に文化祭を迎えてしまう日でもあった。アイドルの成長と、刹那的な輝きにその魅力があるのだとしたら、そのどちらもが溢れ出して、感情の許容量はとうにその上限を超えていた。


その日はサマソニコミケなど大きなイベントが各地で行われていたためチケットの捌け具合も心配され、珍しくライムベリー紹介記事を書いてみたりもした*1。しかし、当日会場はキャパ一杯の450人が詰めかけ、客席も階段も人で溢れ、超満員の観客がその時を目撃した。音の良さを確かめたくて途中でスイートスポットに移動するつもりでいたが、とても移動できる余裕はなく、いつものように最初から最後までスピーカー前で踊ることになった。


MC MIRIのキャップを作ってきたファンも。




パーティーが始まった。パーカーのフードを被ってハードに畳みかける冒頭、そしてキュートにシニカルに世界中に愛を振りまく「世界中にアイラブユー」からピッチを落とし、DJ HIKARUが一人で分厚い本を脇に抱えたまま現在未来への希望と不安をポエトリーリーディングで描く「Ich liebe dich(HIKARU MIX)」の初披露、さらに続いてSKAMやmusic70当時のBoards of Canadaの抒情的で美しいノスタルジアを湛えたサウンドにMC HIMEがソロで内省的な詩を乗せる「クオリア」の初披露が続き、ステージは透明で幻想的なミドルティーンの心象風景に満たされていく。最後は持てるアッパー曲を全部投入して一気に駆け抜ける。


前日緊張と興奮のあまり寝付けず、LINEでずっとやり取りをしていたメンバー達、そして一人先に寝てしまったMC YUKA。ライブ後に四人で行ったアイス屋、「チャレンジザトリプルで」「わたしも同じので」、「4名とも同じ注文でいいですか」と店員に確認されたのをどう聞き違えたのか大真面目に「はい!4人は仲良しです!」と答えたDJ HIKARU。こういう「過剰すぎる」エピソードがMCに挟み込まれていく。とうに失ってしまったあの頃の風景。もう色々なものが溢れ出してくるのを止められない。


最後のMCでは全員揃ってライムベリーを振り返る。ステージ上で嫌なこと辛い事、ネガティヴワードを全部吐き出す。多分この場、このライブでしか言えないこと、全てを観客の前で吐き出して整理を付けるその機会。やったことの無いラップ、押し付けられたキャラクター、そういうものを泣いて嫌がってきたと。ただ、極々稀な確率でその「作られた設定」が「最大の個性」としてかっちりとグループにはまることがある。ファンの一人の言葉を借りれば「女優にとっての『当たり役』」。そしてグループがそれを「個性」として自覚し受け入れた時に現れる奇跡がある。アクターズスクール仕込みのソウルフルなヴォーカルをフラットに加工されて、「近未来テクノポップアイドル」という肩書を付けられて、泣きながらそれが最大の個性と魅力になっていることにいつか気付いていく、そういう人達を見てきた。そして、ライムベリーのメンバー達も、今の自分達の役割に希望を見出し始めている。

HIME:今日のこの時間を、ライムベリーと一緒に過ごしてくれて本当にありがとうございます。他にも色々イベントやっている中、この『MAGIC PARTY』を選んで来てくれた人を絶対後悔させたくなかったし、この『MASIC PARTY』に来て良かったなと思って貰えるように頑張ってきました。ここまで活動してこられたのは、自分で言うのも何ですけど、私が1番ライムベリーのことが好きだからだと思っています。あとは、自分のことよりもライムベリーのことを考えて下さるスタッフさんとか、一緒にいて安心するメンバーとか。あとキツいことも言ってくるけど、やっぱり1番の味方になってくれる親が居てくれたからだなと思っています。本当にありがとうございます。私は自分の声がコンプレックスで、マイクを持って歌うのがしんどい時があったんですけど、今はライムベリーやっていて凄い楽しいし、とにかく『ライムベリー』って音楽を続けていきたい。今は本当に、自信を持って、来てくれるお客さんに自分のラップを聴いて貰いたいな、って思えるようになって。私には、こんなにたくさんの誇れるファンの皆さんがいるけど、私はファンの皆さんから誇れる存在にまだなれていないから。私もファンの皆さんにとって、誇れる存在になりたいなと思います。


YUKA:今日はここ渋谷WWWさんに足を運んで下さった皆さま、本当にありがとうございます。ライムベリーをはじめてどれぐらい経つんですか? 1年10カ月ぐらい?私アイドルさんが好きで。だから普通の歌歌って、可愛いダンスをするっていうのを見るのも、するのも好きだったんですよ。でもライムベリーってラップじゃないですか。ラップなんてやったこと無かったし、本当に最初は不安だらけだったんですよ(涙ぐむ)。だけど、こんなに多くのお客さんに見てもらえて、今本当に私幸せなんですよ。ありがとうございます。つらいこともいっぱいあったけど、一緒にやってきてくれたメンバー。私、メンバーのことでライムベリーやめたいなと思ったこといっぱいあったんです(会場笑)。でも今は、本当にこのメンバーでできて良かったなと思っているし、またこのメンバーでステージ立つし。またこの4人と会えたら良いよね。あと、お母さんは今日来ていないんですけど、お父さんは来ているんです。嫌なことがあると、愚痴とかこぼすじゃないですか。そういう時に聞いてくれたのお母さんだし、一緒に泣いてくれたのお母さんでした。……お父さんはグミとか買ってきてくれました(会場笑)。本当に色んな人に支えられてここまでこられました。またこの4人でステージに戻ってくるので、その時まで待っていて下さい。


HIKARU:このたびは1stワンマンライブにお越しいただき、ありがとうございます。私はこんなに集まるなんて思ってなくて。こんなに成長できるなんて皆さんの応援のおかげだと思ってます。結成当時は、三つ編みにメガネが本当に嫌で。なんでやんなきゃいけないんだろうと思って。それでメンバーにも泣きながら相談したこともあったんですけども。でも今は本当にこれでやりがい感じているし(会場笑)、ライムベリーで良かったなと思っています。今はリリイベの最後としてワンマンやっていますけど、1回休止しちゃう、みんな泣いちゃう、ってこともあるけど、絶対1、2ヶ月後にはこの4人で帰ってきますから。皆さん安心して下さい。今日念願のお父さんが来たんですよ、このワンマンに。親にも感謝してますし、Pちゃん(ぶたのぬいぐるみ)も連れてきたし。Pちゃんは私が1歳の頃から持ってるぬいぐるみで、本当に大事にして…(MIRIが雑に扱う、会場笑)。おばあちゃんから貰ったもので、今まで本当に大事にしてて。一緒にステージに立ててることと、あとPVにもでてるんですよ。本当に嬉しくて、まさか自分も一緒に共演できると思わなくて。それで本当に、皆さんには感謝でいっぱいです。これからもライムベリーをよろしくお願いします。


MIRI:まずは本当に、ワンマンライブ来て下さりありがとうございます。MIRIは1番問題児で、リハーサルに行っても歌詞覚えてこなかったりとか、スタッフさんに何回も何回も怒られて、でも何回も何回も反抗して。本当に色んな人に迷惑掛けて、お母さんとも今日朝ケンカして出てきて。ファンにもいっぱい迷惑掛けただろうなあと思ったし、さっきYUKAも言ってたけど、メンバー間のいざこざとかあって。でもそれも、全員腹割って全部話して、今やっぱりこうやってステージ立ったら全然違って。HIMEは、MIRIが歌詞覚えてこないのにいつも完璧にしていて、常にステージ上のHIMEがリハーサルの1回目からできているんですよ。この子なんでこんなに頑張ってて、受験生なのにって。それで自分を責めた時もあって。でもYUKAもYUKAですぐ無理するんですよ、この子。こんなへらへらしてますけど。でも「MIRI ちゃん頑張るから!YUKA頑張るから!」ってなって、「じゃあ一緒に頑張ろう!」って言って。HIKARUも何かあったら相談乗ってくれるし、HIKARUから泣きながら電話掛ってきたこともあったし、MIRIも泣きながら電話したこともあって、本当に色々頼ってて。MIRIは、メンバーとスタッフさんと、ここにいるファンの人に支えられて今ここにいる状態なので。この先活動休止しちゃって、ライムベリー本当にどうなるかわからなくて。いつ帰ってくるかもまだわかってないから、不安で不安で先が見えなくて、もうわけわからなくて。頭が混乱だけど、とりあえず今1個1個目の前にある、やることをクリアしていって。また絶対、絶対このメンバーで。ここじゃなくて、もっと大きなステージにみんな絶対連れて行くし、みんな絶対来て欲しいし。だから、他のアイドルさんとか行かないで。ライムベリーも好きでいて下さい!忘れないで下さい!(会場笑)


一通りの曲を披露し、語ることも語った。アンコールではさっきやった定番の曲までもう一度やった。もう完璧だし、やりきった。全てを出し切った。めちゃくちゃ踊って、満杯の会場が幸せに満たされていた。今また必死にアンコールを求める声を出し続けてはいるが、もうすぐ客電が付いてしまうだろう。終わらない文化祭の狂乱ももうここでおしまいか。そう思った時に、再びDJ HIKARUがステージに現れ、「パーティーを続けよう」と「クールなキャラ」で呟く。そして流れ出したのは、「今夜はブギー・バック(smooth rap)」。それは1994年という時代を映し出すそのもので、あまりにも大アンセムすぎてネタとしてしか扱えないような代物で、テクノでいうところのUnderworld「Born Slippy NUXX」のようなものだ。どうやったってダサい。ダサい。これをやるなんてなんてベタな。普段ならそう思っただろう。でもこの日は特別だった。大真面目に特別な日だった。MC達がスチャダラパートをラップし、DJ HIKARUが小沢健二のメロディーを歌った。終わるパーティー、続いていくパーティ。E TICKET PRODUCTIONこと桑島氏は「パーティーを続けよう」というシンプルなメッセージを伝えるために、この曲を何の衒いも無く選んだのだ。ずっと泣いてた。勝手に涙が流れ続けていた。

とにかくパーティを続けよう これからも ずっとずっとその先も
このメンツ このやり方 この曲でロックし続けるのさ


スチャダラパー(feat.小沢健二) - 今夜はブギーバック(smooth rap)


  1. R.O.D.
  2. RHYMEBERRY IZ NO.1(RMX)
    • MC
  3. SUPERMCZTOKYO
  4. WJ(RMX)
  5. 世界中にアイラブユー
    • MC
  6. フロム東京
    • コーラス指導
  7. Ich liebe dich(HIKARU MIX)
  8. クオリア
  9. DECKSTREAM - Bright Light
    • MC
  10. アンサーアンサー
  11. HEY!BROTER
  12. まず太鼓
  13. We did it
  14. MAGIC PARTY
    • EN
    • MC 活動振り返り
  15. Ich liebe dich(3MC MIX)
  16. SUPERMCZTOKYO
  17. MAGIC PARTY
    • EN2
  18. スチャダラパー featuring 小沢健二 - 今夜はブギー・バック(smooth rap)
    • EN3
  19. 世界中にアイラブユー(PARTY MIX)


「リメンバー 忘れんな 現場にいるみんながメンバー」




@supermcztokyo
E TICKET PRODUCTION
ライムベリーのマジックパーティーへ参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました。メンバーのみんな、スタッフのみなさん、お疲れ様でした。まるで夢のようなひとときでした。あの四人のメンバーだからこそできた、音楽の魔法でした。最高ーっ!! link
@RHYMEBERRY1
ライムベリー
ライムベリー1stワンマンライブ「MAGIC PARTY」にお越し下さった皆様、本当にありがとうございました。400人を越える超満員となりました。これからもライムベリーをどうぞよろしくお願い致します。会場の様子です→ http://t.co/OKQlCeihj4 link





Mighty Sparrow - Tour of Jamaica

DJ Muro - Chain Reaction

Zeebra - Parteechecka

大神 - 大怪我




@aerodynamik_tw
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渋谷WWWを超満員にしたライムベリー初ワンマン、そして活動一時休止、絶賛しかないTLを眺めながら朝までいつもの現場の人達と飲み明かし、MC HIMEの休養を思い、ブギーバックを思い、あの美しい風景がブギーバックの様に思い出カプセルに封印される事に耐えられなくて今牛丼に涙こぼしてる link
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「そうさ パーティーはいつか終わるけれど 終わるからまた パーティーしましょ」 link
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ライムベリーが予定調和のトリプルアンコールなんてダサい。Eチケさんも電気グルーヴのアンコール拒否を観てきた世代。だけどライムベリーにとってあまりに特別な日に、いつもの現場はアンコールを求め続けるだろう、叫ぶ事を止めないだろう、だからそれに乗っかったのさ。皆で行ける所まで一蓮托生。 link



「MAGIC PARTY」のリリックにある通り、ライムベリーの最後のメッセージは「未来と今を繋ぐパーティー」そのものだった。そして、90年代の渋谷宇田川町でレコードを掘りまくったあの頃の記憶に縋って生きるような自分をも未来につなげてくれる存在だった。MC HIMEが健康を取り戻し、再びライムベリーがステージに立つことを願ってやまないが、それは急かすことではない。ただ、素晴らしいパーティを有難う、今はそれだけだ。




ライムベリー - SUPERMCZTOKYO

ライムベリー - Ich liebe dich(3MC MIX)(Live 120917)




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