観覧記録 Mira Calix、Cutsigh 他@Super Deluxe
http://www.super-deluxe.com/2009/9/7/phase12-quotmira-calix-livequot/
- Phase12 "Mira Calix Live"@六本木Super Deluxe 080907
- Sabi
- Cutsigh
- Coppe'
- Mira Calix
Warp Recordsを代表する女性アーティストにして、AutechreのSean Boothの嫁であるMira Calixが来日。こんな貴重な機会逃せないだろ、ということで足を運んだ。
Sabiのノイズでイベントは始まったのだが、空間を埋め尽くす怒涛のノイズよりも、VJが圧倒的な世界観で音を食っている。鳥肌が立った。こんな複雑でかつ有機的なCG見たことない。Super Deluxeの広い壁一面に投影されて凄まじい迫力。調べてみたらMasato Tsutsui*1という人だった。覚えておこう。
Audio Activeのギターの人のソロプロジェクトCutsighは初めて見たのだが、これも衝撃的だった。エレキギター一本と足元に大量のエフェクター。エコーが強くかかったギターで短いメロディーを弾きだしたのだが、足元のサンプラーでそのフレーズをサンプリングしてその場でループさせ、さらに別のエフェクターを通して別のフレーズを重ねて弾いて、さらにそれらをまとめてサンプリングしてループさせ・・・を繰り返し、凄まじい一人多重演奏を実現していた。徐々に音が重なり次第に立ち上がってくる轟音とフィードバックノイズ。一人マイブラのような強烈な陶酔感。
こちらで映像を見ることが出来る。
http://vimeo.com/2513285
ストレンジモンドポップのCoppe'を挟み、もともとMiraの来日の目的だった映画のショートバージョンが流された。これはホームレス救済プロジェクトで企画されたもので、Warp Recordsでの仕事などでお馴染みFlat-e*2のRob Slaterが光の束を描き、Mira Calixが16世紀の宗教歌とホームレスの声のサンプリングなどを当てたインスタレーション。9/9まで横浜で見ることが出来る。*3
最後にMira Calixのライブ。ノンビートの電子ノイズ、水の流れる音、会話の断片、チェロの短いフレーズ、さまざまな音がミックスされ、無機質なノイズとして会場を満たす。壁にはFlat-eによる昆虫のドアップの映像などが投影され、異様なサイケデリック感を演出する。
赤く塗られたMac Bookを、タバコ片手に演奏するMira。30分を過ぎた頃、ノイズの中に規則的な金属音が加わり、次第に複雑なビートに変わってゆく。Autechreを髣髴とさせ、さすが嫁だななどと思っているとAutechreよりもさらにサイケで奇怪な嫁ビートへ。グロ可愛い映像との相乗効果が素晴らしい。
一時間に渡るトリップは本当にオリジナルで唯一無二の世界。感動のあまり、終演後にMiraにつたない英語で話しかけて握手してもらうという行動に出てしまった。実に収穫の多いイベントだった。