Aerodynamik - 航空力学

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観劇記録 「トロン:レガシー」(TRON:LEGACY)アメリカ 2010年公開



渋谷TOEIにて鑑賞。コンピューターの内部世界、シド・ミードデザインのベクターCG、ウェンディ・カルロスのムーグサウンド、あらゆる部分がSF魂を揺さぶる前作が大好きなので、今作の散々な前評判を聞いて、少し見る姿勢を変えてみた。父と子の絆の物語、または自分との分身との戦いというストーリーが導入されたが、大体「トロン」の魅力はそこじゃない。圧倒的な未来感こそが「トロン」の魅力じゃないか。ということで、普通に鑑賞してがっかりしないよう、ストーリーや人物の演技に対する集中力を一切捨て、ひたすらSF的に美しいヴィジュアルとサウンドの快楽に溺れることだけに全神経を125分フル稼働させた。お陰で涎と涙が出っぱなしになるほどにこの映画を堪能することが出来た。本当に美しい。非現実的な美しさ。アバターのような所謂「凄いCG」ではなく、ひたすらに感覚的な美と洗練だけを追求したシンプルな光の世界。世界をMS-DOS 6.22からWindows7へアップグレードしたような感覚。あの世界に入ってしまいたい。IMAXでもう一度観たいくらいだ。ストーリーがつまらないとか、分からないから駄作、などと言っている人は、「トロン」を普通のハリウッドエンターテイメント大作とでも思っているのだろう。その通り、ストーリーは説明不足で散々な出来だが、これはただひたすらにSFフェチと映像オタクの為の、「感覚」だけで楽しむ映画だ。その手の楽しみ方が分かる人なら、大いに感動できるだろう。あと、前作へのオマージュがいたるところに散りばめられていて、続編というよりリメイクとしてのアップグレード感を味わうことが出来た。





1982版




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