需要が全く無さそうなネタだけれど、capsuleのアルバム「World of Fantasy」収録曲「PRIME TIME」でこの音を始めて聴いた世代がほとんどだろうと思うので書いてみる。
「PRIME TIME」のイントロから鳴っている、聴くからに頭の悪そうな分厚いシンセサウンドは、通称「Hoover」と呼ばれ、90年代初頭のヨーロッパでのレイヴシーンを席巻した、実に特徴的な音色だ。一度聴いたら忘れないインパクト。Hooverとは、電気掃除機のメーカーの名前でもある。そういうニュアンスの、ぎゅいんぎゅいんにうるさくて下世話なサウンドだ。中田ヤスタカはハードシンセを使わないが、当時はこの音色を出すのはRolandのαJunoやJP-8000を使うのが定番だった。
Hooverは、1991年にレイヴシーンに現れる。当時ハードテクノの発信源だったベルギーのレーベルR&SからリリースされたJoey BeltramによるSecond Phase「Mentasm」が恐らく最初のHooverなトラック。
Second Phase - Mentasm
そして、同じくR&Sから、Human Resource「Dominator」がリリースされる。これが物凄く流行った。Hooverといったらやはりこれをイメージするだろう。capsule「PRIME TIME」もこれを下敷きにしている。
Human Resource - Dominator
The Prodigy「Charly」によってHooverはヒットチャートにまで登場する。
The Prodigy - Charly
これら全てが1991年のリリース。1年でこのサウンドはレイヴの定番になり、その後のハードテクノやらなにやらで多用されつつ廃れていく。色々と思い出の詰まったサウンドなので何か書こうかと思ったが、改めてHooverを聴き直したらもうこの3曲でお腹一杯なので、これで終わりにする。
なぜヤスタカが「World of Fantasy」でHooverを使ったのか。今またエレクトロ系でリバイバルが来ているのだろうか。だとしたら、きっかけはこれかな。どうでしょう。
Lady Gaga - Bad Romance
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