Aerodynamik - 航空力学

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観覧記録 ライムベリー 新曲「RHYME OR DIE!」「世界中にアイラブユー」発表@赤坂GENKI劇場



@RHYMEBERRY1
ライムベリー@T-Palette参加!
【本日】【新曲2曲初披露】ライムベリーの新曲を今日1月13日(日)11時半からと17時半からのライブでそれぞれ初披露します。場所は赤坂GENKI劇場。よろしくお願いします。http://bit.ly/UxxWzb #rhymeberry link


四ッ谷Live inn Magicから常箱を赤坂GENKI劇場に移したusa☆usa学園ライブへ。この日はライムベリー待望の新曲が昼夜一曲づつの計二曲が披露された。そもそも「アイドルラップユニット」と名乗っていることもあって、トラックはヒップホップスタイルの縛りがある訳でもないのが、T-Palette Records参加以降初となるそのニ曲ともが、これまでの自分が想うライムベリーの枠を大きく広げる強烈なインパクトと振り幅を持って提供されたことには、とにかくひたすらに驚かされた。フロアで最初の数秒を聴いただけでどちらも衝撃的すぎて、普段は曲など聴かずに踊ることしか頭に無いくせに、今回ばかりはビートに任せて踊ることとトラックを聴くこと、どちらを優先させようか迷ってしまった。


ライムベリー昼の新曲は「RHYME OR DIE!」。曲前に「R!O!D!」とコール&レスポンスの練習を要求されるも、何のことやらさっぱり分からなかったが、MC MIRIの「それでは聴いて下さい、RHYME OR DIE!」と、いきなりT-Palette的にヤバそうな曲名が披露されて一瞬怯む。その直後に飛び込んできたのはなんと分厚いフーバーサウンド! Hooverもここ数年リバイバルしてEDMでも多用されるようになったが、狂ったフーバーが飛び回る裏で、ハードコアブレイクビーツが重たくビートを刻む、これはジャングル前夜、まさかのレイヴ!今新しさを求めるアイドル達が先を争ってEDMに飛びつく時代に、あえてアーリー90sオールドスクールなレイヴ志向。なんという30代キラー!流行のEDMトラックを方法論で量産できても、この味は一夜漬けでは出せない、XL Recodings/The Prodigyに散々踊らされた日々の音だ。そして、「R!O!D!」に続く「3MC 1DJ」のコールに被るTexas Instruments「Speak & Spell」のロボ声は、KRAFTWERK「Numbers」からオールドスクールヒップホップ/エレクトロへ繋がるマシンソウルの歴史を正しく体現する。


更に「アニメのかきふらい」「わたし櫻井」、「あなたのハート」「AKAIのPAD」など、アニメ/ラノベ的なミドルティーンユースカルチャーとクラブカルチャーを横断する独自の世界観で韻を踏みまくりつつのリリックは進化し、MC達のハードルを上げ、MCも必死にそれに応えていく。アイドルを現場で観るのは、それが初めから完成されたものではなく、日々のライブの積み重ねが物凄い勢いで演者のスキルにフィードバックされていく、その成長過程の面白さを観るためでもあるのだ。(リリックはこちら*1



※「フーバー」については以前書いた記事を。
中田ヤスタカcapsuleファンのためのHooverサウンド入門
http://d.hatena.ne.jp/aerodynamik/20110621/p1





@supermcztokyo
E TICKET PRODUCTION
「RHYME OR DIE!」の最後にビックリマークがついてるのは「CHILLOUT OR DIE!」の最後にビックリマークがついてたから。 link
@supermcztokyo
E TICKET PRODUCTION
E TICKET RAP SHOW=Eチケとラップしよー。 link

  1. HEY!BROTHER
    • MC
  2. SUPERMCZTOKYO
  3. WJ(RMX)
  4. MAGIC PARTY
    • MC
  5. RHYME OR DIE!(新曲)
  6. まず太鼓



ライムベリー二つ目の新曲、「この曲はプロデューサーによると『感謝系』とのことです」と切り出し、薄っぺらい感謝系ラップを想像した客一同が一瞬ドン引きしたが、これはプロデューサーE TICKET PRODUCTIONのちょっとした悪戯だった。


タイトルは「世界中にアイラブユー」。ウディ・アレンの恋愛沙汰の悲哀をコメディとして描く作品群の中でも突出した傑作ミュージカル仕立ての映画「世界中がアイラブユー」から引用されたであろうタイトルからも伝わる、ハードコアな「RHYME OR DIE!」とは対極の、超絶キュートでハッピーでラブリーな楽曲。ラジオ音声のようなサンプリングから始まり、著作権の切れていそうなニューオリンズラグタイム、スウィングのジャズとピアノの陽気なサンプルを使い倒して、ウディ・アレンよりもずっとキュートに世界中に愛を振りまくラブソング。ここまでキュートでチャームフルなトラックに、MC YUKAも「どこまでもみんなをキュンキュンさせるよ」と、正にミドルティーン自身のキュンキュンという表現が似合うラブリーなラップとダンスが乗っかる。曲が終わってからの観客の満面の笑みと幸せそうな歓声、拍手。ライブが終わってもしばらく会場中のキュンキュン状態は続き、Twitter上では早くも「今年のアイドル楽曲大賞1位」などという絶賛の声が飛び交っていた。


この曲もキュンキュンなだけでは終わらず、YMO 「Nice Age」からの引用だろう、楽曲の途中でDJ HIKARU扮する「信岡キャスター」による楽屋やライブでの可愛い出来事ニュース速報が入る。初回は「MC YUKAが楽屋でたこ焼きを食べたら青海苔が歯から取れなくなって大変」、二回目の披露時には「elevenでのライブ時に最前列に『ちくわ』と書かれたTシャツの人がいてびっくり」といういい感じのユルさでライブの度に毎回変わってゆくようだ。スタジオ録音よりも現場が楽しいライムベリーならではの気の効かせ方。


そして、これまでのライムベリー像を大きく拡大するこの二曲は、どちらもTパレから三月発売予定のシングルに収録予定との事。これは本当に楽しみで仕方がない。





ちなみにMCでは、全国から餃子が集まる池袋ナンジャタウンの餃子スタジアムに行ったものの、種類があり過ぎて選べず、チーズのトッピングを目当てに選んだ餃子はなんと新しい常箱赤坂GENKI劇場のある赤坂の餃子でした、という、餃子好きにはグッと来る話。中学生では赤坂で中華料理を食べられる機会もなかなか無いとは思うけれど。


  1. Rhymeberry Iz No.1(オリジナルトラック)
  2. SUPERMCZTOKYO
    • MC
  3. まず太鼓
  4. Ich Liebe Dich (3MC Ver)
    • MC
  5. 世界中にアイラブユー
  6. HEY!BROTHER





その他の印象に残った出演者。アーミー系アイドルを名乗る6人組loop。*2 黒衣装の年長二人は大佐少佐、AKB48「RIVER」的な赤チェック制服とミリタリー柄を合わせた衣装の若手メンバーは少尉軍曹初等兵などと呼びあっていた。ミリタリー設定はさほど突き詰めているわけではなく、AKB48「会いたかった」などを歌う。今のところミリオタが乗っかるほどのミリタリー趣味は全く無さげだが、転びようによっては面白くなるかも。


いろりん」こと前田彩里ハロプロエッグ1期生、しゅごキャラエッグ!、紅白出場経験ありのエリート育ちだが、2010年エッグ卒業後にAKBN 0(Nゼロ)に1年加入して脱退、現在ソロ活動中。エッグから地下へと渡った子が、同期のスマイレージの「夢見る15歳」「スキちゃん」などを楽しそうに歌っているというだけで胸が締め付けられるような気持ちになるが、流石にしっかりとした教育を受けてきただけあって、声量ダンス共に非常に高い経験値で他のグループを圧倒していた。「受験で一か月ライブをお休みするんですけど…いろりんは…馬鹿だからあ…」と、本当に自信なさげに話していたが、10代でこれだけ夢を追い多彩な人生経験を積んできたのだから、きっとタフに生きて行けるよ、と静かにエールを送る。


リトル☆ラビッツは持ち歌の前にDev「Booty Bounce」だったか、かっこいい曲でガツガツに踊ってみせ、急速な成長っぷりを見せつけていた。




髪を切って新鮮な装いの新芽歩は、PRINCESS PRINCESS「ジュリアン」やREBECCA「Friends」といった彼女が生まれる前の楽曲を高い歌唱力で印象的に歌い上げる。この子の歌う曲に興味はなくとも、この子の歌声にはどうしても惹かれてしまう。




HEY!BROTHER

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