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Perfume「LEVEL3」ウェブインタビューまとめ

待望のニューアルバム 完全フロア対応! PopでHipなAll of Perfume 「PLAY it LOUD!!」

「完全フロア対応!」。これは「GAME」発売当時の、徳間ジャパンのプレスリリースに付けられたコピー。5年前の話。



今回のアルバム「LEVEL3」に際してのメディア展開はこれまでと比較しても質、量ともに半端なく多い。勿論それはRhizomatiks絡みでメディア上での扱われ方の変化も影響しているのだろう。おまけに同タイミングでCAPSULEのアルバムリリースもあり、中田ヤスタカ自身が心境の変化を語っていたりと、とにかく情報量が多い。
「LEVEL3」を俯瞰する前提として、以下の事をピックアップしておく。

  • 20130630 カンヌライオンズ 国際クリエイティビティ・フェスティバル (セミナー「HACKING: REDEFINING THE CO-CREATION FRONTIER」)にて「Spending all my time」を披露、メディアアートやテクノロジー文脈でPerfumeが語られ始める。
  • 201307、欧州ツアー「Perfume WORLD TOUR 2nd」、海外で通用するもの/しないものの確認。
  • 20130614「ULTRA MUSIC FESTIVAL KOREA 2013」、20130809「SONICMANIA 2013」でようやくダンスフェスに出演。ダンスフロアで求められるもの/不要なものの確認
  • 20130804 「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013」GRASS STAGE 大トリ出演。国内フェスにおける成り上がりストーリーの頂点。


アルバムについては、ここ数年のEDMの爆発的な需要/ビジネスとしての成功と、それらに対するアンチテーゼとしてのDaft Punk「Random Access Memories」を筆頭とする70〜80sディスコなどのルーツ回帰、それらを背景にしつつ、リリースタイミングのズレと、ドームツアーが大きなキーになるだろう。

  • 10/02のリリースであるが、もっと早い時期でのリリースを予定してレコーディングが開始された
  • 年頭の時点でアルバムリリースからドームツアーまでのスケジュールが立てられていたが、Perfume三人の「12月のドームツアーのためのアルバムにしたい」との希望により、年間スケジュールが再調整され、アルバムリリースがこの時期まで遅くなった
  • 録音時期とリリース時期が離れるのは、録って出しの中田ヤスタカの意向にそぐわないと三人は理解している
  • 「LEVEL3」はこれまでのリリースの中で極端にダンスフロアを指向したものである
  • アルバム中最もEDMテイストを直球で取り込んだように見える「Party Maker」は、アルバム楽曲で最初にレコーディングされたものである
  • 10/23にリリースされた中田ヤスタカ本人のCAPSULE「CAPS LOCK」では、ダンスフロアを完全に放棄し、リスニング環境を高めて音楽が好きな人にゆっくり聴いてもらう事をテーゼとしている


そもそもアメリカのメディアが「エレクトロニック・ダンス・ミュージック」とかいうあまりにも大雑把すぎる括りを使って、エレクトロハウス、ダッチトランス、プログレッシヴハウス、ブロステップらのアゲアゲなダンスミュージックをまとめて再定義し始めたのが迷惑な話で、括りが雑すぎて何もかもがEDMと拡大的に呼ばれるようになってきてしまった。NMEなどのイギリスのメディアは昔からすぐ新しいジャンル名を作っては現場から呆れられていたが、アメリカではハウスもテクノもトランスもドラムンベースも何もなく90年代から全部「Electronica」だ。さすがソウルとディスコとR&Bの国だ。まあそれはいいとして、ダブステップの一要素だったワブルベースが今やブロステップを象徴する記号になり、今年「J-POP」でダンストラックとしてリリースされたものは大抵その「記号」を用いたものになっている。また、記号の中にはギラついたノコギリ波の上モノのコード弾きだったり、ミニマリズムを排して、初聴でも完全に盛り上がりポイントを把握できる位のお約束展開(J-POPの「ABサビ-ABサビ-C-大サビ」みたいなもの)など、いわば「EDM=ダンスミュージック界のらくらくホン」とでも言おうか、徹底して定型で音色展開からブチ上げポイントまでがテンプレで、踊る側に一切の思考判断を要求せず、どこまでも分かりやすく「ぶち上がる」ために最適化された機能的な音楽になっている。


Perfumeが「LEVEL3」を作る前段階でヤスタカとの食事会を行い、そこで提案したのが、以前と同じように「ドームツアーで盛り上がる曲を」。かつて2010年に「『Edge』のようなライブ用のロングダンストラックを」とPerfumeに依頼された際に、ヤスタカは「VOICE」「ナチュラルに恋して」「ねぇ」を提示し、Perfumeから「ひねくれ」「あまのじゃく」という評価を得たが、今回彼はまさしくドームツアー用であろう「Party Maker」を提示してきた。ダンスミュージックに全く興味を持たない人達をも巻き込んで、東京ドームで「Party Maker」のヴォーカル部分を中心に乗せられたハンドクラップに合わせて観客が頭の上で拍手している光景が巨大なドーム一面に広がるのが目に浮かぶ。ハンドクラップの音色も、定番の808や909ではなく普通のPCMサンプリングをズラシながら多重に重ねた、いかにもスタジアムクラスの音響を意識した、Perfumeのファンでありながらダンスミュージックに興味がないという現在のファン層の大多数を占める人達をどうやってプチャヘンザさせるかの解答になっている。ヤスタカのこれまでの積み上げがリスナーとPerfume自身の耳をここまで引き上げた成果としての「Party Maker」。ダンスミュージックリスナーが最も嫌悪し、最初に放棄する大衆へのセルアウトを、こんなにも職人として美しくやり遂げた。


そう、恐らくダンスミュージックが好きな人なら、ここまでふざけた相変わらずのヤスタカの「ひねくれ」「あまのじゃく」さに笑いが止まらないだろう。典型的なEDMの記号、音色、展開、そして「盛り上がれ」一点張りなEDMの特徴的な歌詞、その他諸々がステレオタイプに引用されている、如何にもフェス的な分かり易い盛り上がりキーワードがぎっしり詰まった曲でありながら、それはヴォーカル部分だけで、残りの部分は皮肉にも古臭いミニマルハードテクノなのだ。ドーム規模でのファン層、極端に薄く広い層へもライブでの盛り上がりを確実に提供する、という要件さえ満たせば、後は好きな事をやっていいだろ、というヤスタカの「ひねくれ」「あまのじゃく」精神が全力で発揮された、いかにも彼らしいシニカルさに満ち満ちている。「ひねくれ」というより「照れ隠し」的な物だろうか。これができるのも、「今のPerfumeが送り出すものはどんな変化球であろうとも全てPerfume色になる」という、中田ヤスタカPerfumeが築き上げた信頼、アイデンティティ、そして自信があるからこそのものだろう。


@okiteporsche
掟ポルシェ
いまさらですが、日本を代表するPerfumeのような人たちが新作で今頃90年代ミニマルやるのとか何重にも面白いですよね。Party Makerって曲入ってて、聴いてみたらなんのことはないPurpose Makerで爆笑→尊敬するわ中田さん link


ヤスタカが「Party Maker」と「Purpose Maker」をかけているのかはいざ知らず。90年台前半、自身の「Axis」レーベルでダークなハードテクノの第一線を走っていたJeff Millsが、1994年のEP AX-11「The Purpose Maker」で打ち出したミニマルでありながらファンキーでトライバルな路線、それを1996年から別レーベル「Purpose Maker」としてリリースし始めるのだが、これがスウェーデン産のハードテクノブームと協調し合って、ハード路線のDrumcodeやBlueprint、或いはトライバルなPrimateやIntecなどと、一大ハードミニマルテクノ黄金期を90年代後半に築くことになる。「Party Maker」は、「アゲアゲ」な部分はEDMの引用で要件を満たしつつ、それ以外を「Purpose Maker」に仕立てるという、J-POPにEDM記号を取り入れたハロプロや、がっつり自分の中に取り込んで見せた安室奈美恵、あるいはそれこそ欧米のEDMのメガヒッター達でもやらないようなシニカルっぷりをここで披露している。そして恐らく、ヤスタカ本人はその部分を大してシニカルにも思っていなさそうなところまで含めて、この曲はとても面白い。


JEFF MILLS: Purpose Maker Mix (part 2/5)

Jeff Mills - The Bells 1997



まずアルバムの最初の録音となる「Party Maker」を録り終えた後、先にリリースされたシングル群のリミックスを除けば、以前よりも内省的な楽曲の録音が続く。「JPN」は心温まるアルバムだった。無理矢理記号的に盛り上げようとするEDMの形式など意識しない、日本のシティポップの文脈を押さえたお洒落でセンスのいい、そしてなにより優しいアルバムだった。それは、2011年の傷付いた日本に寄り添うために作られたものであって、あの当時に多くの日本人が求めていたものの具象化であった。2013年の現時点で、日本の政治は復興よりも成長戦略を盛んに主張し、給与は上がらないままに、確実に株価物価は上昇を続けている。消費税率も上がる。東京オリンピックの開催も決まり、実態の見えない狂騒が始まる、「もはや復興期ではない」、そんな時代に相応しく、一見すると「LEVEL3」は攻撃的なアルバムになった。「Dream Fighter」並みにPerfumeへと厳しい挑戦を突き付ける「1mm」がこのタイミングで出てきたのも、それが許される状況だからだ。どうしても「Party Maker」と既存曲のアルバムミックスに目を引かれがちだが、海外進出やドームツアーと狂騒の予感の時代の裂け目に生まれた「LEVEL3」は、実際のところ「JPN」よりも内向的なアルバムだ、そう思う。


ヤスタカ自身もCAPSULEで「UMF Korea」に出演し、「Cars 2」「スター・トレック イントゥ・ダークネス」などのハリウッド映画のサントラも手掛け、海外のショービズの世界と、そこに求められる基本的に「セクシャルで下品な馬鹿」に合わせたエンターテイメント性を垣間見させられたのだが、その彼がこのタイミングで「PLAYER」以降のバキバキに攻めるエレクトロハウスから一転、自分のスタジオに引き篭もるようなアルバム「CAPS LOCK」をリリースしたことはあまりにも象徴的過ぎる。EDMの馬鹿さ加減に辟易したDaft Punkが自らのルーツである70-80年代のディスコブギーに回帰したように、中田ヤスタカが回帰した場所は、80年代にテクノポップと呼ばれていた国産シンセポップスと、PCエンジンで遊んだ横スクロールシューティングゲームのBGMと、2000年前後の静謐なエレクトロニカの感触だった。




ナタリー - [Power Push] Perfume「LEVEL3」インタビュー

http://natalie.mu/music/pp/perfume06

あ:今回は中田さんが自分のスタジオで試聴会を開いてくださって、完成したアルバムをみんなで一緒に聴いたんですよ。そこで純粋に音だけに向き合って聴いたら、スタジオの音響がいいのも相まって「最っ高のアルバムじゃ!」って感動しました! シングル曲もダンスアルバムというコンセプトに寄せたアレンジに変わってるし、超オリジナルだと思いました。もう「オリジナルアルバム」ってタイトルでいいんじゃないかってくらい(笑)。私は今まで、シングル曲にアルバム用のアレンジをたくさん加えることに懸念があったんですよ。でも今回のリミックスは聴いてるとスッと入ってきて、全然嫌じゃないどころか最高!って思えたんです。


あとどの曲もなかなかサビに行かないんですよね。ワンクッション、ツークッション入れて焦らしながら「まだ我慢するんだよ。ここいいでしょ? ほら、ストイックでしょ? こそばゆい? そろそろ盛り上がるよ?」みたいな感じでわかりやすくバーンッ!って。私は普段ダンスミュージックを全然聴かないんですけど、そういう人でも聴いていて楽しいと思います。

機能的、説明的なダンスサウンドになった。「わかりやすくバーンッ!」。「普段ダンスミュージックを全然聴かない」層にアピールするダンスミュージックを。

−どうして今回のアルバムはこういう内容になったのか、中田さんから理由を聞いたりしてますか?


か:アルバムを作るにあたってスタッフさんに、中田さん含めてのごはん会を開いていただいて、そのときに「ライブに向けてのアルバムを作ってもらいたいです」って話をしたんです。「ライブでこういうことができたらいいなと思ってるんですよ」とか、「中田さんだったら、Perfumeのライブでどんな曲を聴きたいですか?」とか。たぶんそこでの話から中田さんがイメージして曲を作ってくれたんだと思います。


あ:そのごはん会ではけっこう具体的なライブの演出についても話したんですよ。で、実際にそれができる曲が欲しいって。そのせいかすごく長くなっちゃった曲もあるんですけど(笑)、ライブでどういうふうにお見せできるか本当に楽しみです。

おそらく「Perfumeの掟」「JPNスペシャル」に相当する演出になるであろう「すごく長くなっちゃった曲」こと「Party Maker」。あのミニマルな間をどう使うのか。

−「JPN」について皆さんは当時「Perfumeにとっての等身大なアルバム」と話していたんですが、「LEVEL3」も、今のPerfumeにとってこれはこれで等身大だと思うんですよ。


の:そう言われると確かに、韓国のダンスフェスとか「SONIC MANIA」に出演する機会を与えてもらって、ダンスイベントにも足を踏み出して活動の幅を広げてるところですしね。等身大といえば等身大なんだと思います。私たち自身の中には「今はこういうのがPerfumeです」っていう気持ちはあんまりないけど、でもきっと中田さんは今のPerfumeをイメージして曲を作ってくれたんだろうし


「トライアングル」が発売されたとき、皆さんは「このアルバムはだいぶ背伸びしてる」って言ってましたよね?


の:あー、言ってました言ってました(笑)。


−「LEVEL3」は「トライアングル」より断然振り切れた内容なのに、少しも背伸びした印象はありませんでした。まあ、4年も前のアルバムと比べたら皆さんが成長しているのも当たり前だとは思いますが。


か:海外ツアーをやったり韓国や日本でダンスフェスに出たことで、自分たちの中でいろんなことを抵抗なく受け入れられるようになって、こういう音がカッコいいと思えるようになった、これもPerfumeらしさの1つだと思えるようになった、っていうのもあるんじゃないかな。やっぱり年齢もあると思いますね。「トライアングル」の頃は20歳だったのが今は24〜25歳になって、その間にいろんな音楽に触れて、いろんなことに目を向けて、すごく素敵って思えるものにたくさん気付けたので。月日を重ねたからこそ受け入れられたり、自分の中で消化できるようになったものってあるんじゃないかと思いますね。


−この数年間、Perfumeはほかの人には経験できないようなことをいっぱいやりましたからね(笑)。


か:海外でハプニングもあったりとか(笑)。けっこう強くなりました、私たち。


あ:今回みたいなアルバムって、3年前だったら絶対にみんなから受け入れられなかったと思うんですよ。「Spending all my time」のリミックスとか、3年前に発売されてたらたぶん私も受け入れられず、戸惑いながら取材を受けてたんだろうなって。でも今はそれが完全に飲み込めてて、むしろこの曲を材料にライブをするのが超楽しみって思えてるので、それだけ自分たちが進化してるというか、成長して大人になれたってことなのかなって思ってます

樫野さんの音楽的成長。こういう音がかっこいいと思えるようになった。しかしPerfumeとしては、西脇さんを筆頭に「3年前だったら絶対にみんなから受け入れられなかった」「たぶん私も受け入れられず、戸惑いながら取材を受けてた」。海外ツアーとダンスフェス、殻を破って得たものは大きい。Perfume自身も、あるいはリスナーも、ヤスタカの丁寧な積み上げによってようやくこのレベルのサウンドが許容されるまで教育されてきたと言ってもいい。



exciteインタビュー - Perfume(パフューム) - 「だって私たちまだ『LEVEL3』くらいですもん」

http://www.excite.co.jp/music/close_up/interview/1310_perfume/

−いい変化がいろいろと起こってますね。


か:でも、3人と中田さんの関係は変わらないなとつくずく思います。


−ここまで長く変わらない関係ってなかなかないですね。


か:中田さんが言ってました。「いろんな人がプロデュースするアーティストって、1曲1曲が各プロデューサーの全力。だからそのときの流行にはなるけど、3年後には昔の音になっちゃう。ずっと一緒にやってることの強みは、全力、だけじゃなくて、時々変化球が出せること。それがいい遊びになって面白いアルバムになるんだよね」と。

「色んな人がプロデュースするアーティストはその時の流行を全力で取り込める一方で3年後には昔の音になる」、これはアイドルにとってとても重要な話。特にAKBグループが寡占状態になり、ももクロなりBiSなりでんぱ組.incなりアップアップ(仮)なり、とにかく奇抜で目立つことをやなければ話題にもしてもらえなくなった今、話題のクリエーターをとっかえひっかえする試行錯誤があちらこちらで見られる。多分この手の直近の迷走例が東京女子流だった。



bounce インタビュー - TOWER RECORDS ONLINE Perfume 『LEVEL3』

http://tower.jp/article/interview/2013/10/02/b1268

―なるほど。リード曲“1mm”にはそういった〈遊び〉を感じました。けっして華やかなタイプの曲じゃないんですよね。


あ:そうなんです。淡々としてて。


の:背中を押す曲ではあるんですけど、けっして真っ直ぐには押してくれない。現実の難しさを突きつけられるような曲です。


あ:脈絡なくポンポン言葉が連なっているところに、現実を抜け出せない自分の歯がゆさみたいな心情が現われてるなと。


か:実はみんなリスクと戦いながら生きているんだよ、ということを歌っているような気がします。

「1mm」は実質「Dream Fighter」の続編。



Tower+ インタビュー - Perfume 『LEVEL3』

http://tower.jp/article/interview/2013/10/10/tower014-1

の:レコーディング前、年末にドームツアーを計画していることを中田さんにお伝えして、ぜひライブ映えのする曲をお願いします! とリクエストしたんです。難しいことはなんも考えずに楽しめるダンスアルバムになりましたね。


あ:ただ、最終的に全部聴き終えたとき、長っ、という印象が強かったんです。そこをどうとらえていいかわからずに中田さんに訊いたら、<その長さ自体に意味があるんだよ。飛ばして聴くと見えないことが、時間をかけて聴くと見えてくるから>とおっしゃった。なるほど、この時代だからこそあえてなんだなと。

曲の長さ、iTunes時代を否定し、アナログ時代の「飛ばさない聴き方」によって見えるもの。



EMTG MUSIC | スペシャル | Perfume、変化の中で生まれた約2年ぶりのニューアルバム『LEVEL3』!

http://music.emtg.jp/special/201310028000fc170

−変化が多いと思われる環境の中で、アルバムにどう臨んだのでしょうか?


か:いろいろ変わってきてるとは思うんですけど、私たち3人と中田(ヤスタカ)さんの関係は変わらないなと、作業をする中でつくづく思いました。その芯の部分が変わらないから、面白く遊べるアルバムができてる、と、中田さんもおっしゃってましたね。


−中田さん初プロデュースの「スウィートドーナッツ」から10年。そこまでのタッグってなかなかないと思います。


か:「ずっとやってることの強みは、常に全力、じゃなくて、変化球が出せること。そこがいい遊びになる」という中田さんの言葉に、なるほどなと思いました。

どのインタビューでもこの話が繰り返し語られる。そして話すのは主に樫野さん。グループの真ん中にいながら外からグループを冷静な目で客観視しているのも彼女。音楽的にもこの手の音楽を客観視できるだけの聴きこみがある。ここでヤスタカが話す「全力」は、ももクロであったりアップアップ(仮)、ベイビーレイズらがAKBグループに対するオルタネイティヴなアピールとして使う時の「全力」。

−リード曲になっている「1mm」などは、そういった中田さんだからこそPerfumeに向けて書ける、とても厳しいメッセージの曲だなと思いました。


の:なんか歌ってると苦しくなりますね。現実の厳しさを突きつけられるようで。


か:実はみんないろんなリスクと戦いながら生きていて、見えない努力が実ってはじめて、人の目にもつくようになるんだよと、そんなことを歌っている気がします。


あ:ダメな現実から抜け出たい。でも、そこにまだ満たない自分がいる。だから歯がゆい。そのなんかムシャクシャした感じが、サビの歌詞にすごくよく出てるなと思いました。


−華やかという曲ではないけれど、印象に残りますね。


あ:メロディが淡々としてるから、余計歌詞が刺さる気がします。

「1mm」のシリアスさ、リアリズム。

−CMで流れている「Party Maker」は、7分半近くもあって圧巻ですね。


の:クラブでノリノリのパーティガールみたいな曲は歌ってこなかったんで、ちょっと恥ずかしいんですけど(笑)、ホントにカッコいい曲。ビートが変わるごとに、「ここ凝ってますか? ここはどうですか?」って、リズムがあらゆるアプローチをしてくるんです。

極端な上げアプローチを施したこの曲がライブでどう演出されるか。「JPNスペシャル」、あのサウンドでも踊らない大規模会場での空気をどう掴むか。



ORICON STYLE - Perfume『ライブが観たくなる1枚に――約2年ぶりのアルバムが到着!』

http://www.oricon.co.jp/music/interview/page/733/

−ライブに関しては、この1年くらいの間でアジアツアーとヨーロッパツアーを体験しましたけど、海外で反応が良かった曲ってどういうものでした?


あ:やっぱり英語の曲だったよね?


の:うん。


か:そうだね。


あ:英語の曲だとみんな歌ってくれたりするんですよね。そういう体験を通じて「言葉って大事なんだな」って思いました。それまでは英語の曲に対して懸念していたところがあったんですけど。


−「Spending all my time」を出したとき?


あ:はい。“日本の良さを伝えたい。日本語で行きたい”って思っていたから、あの曲を出すときは戸惑いもあったんですよね。でも、今やこの曲はライブで欠かせない1曲ですし、海外でもこの曲の盛り上がりは、ものすごかったです。“言葉も大事なんだな。こちらから海外のみなさんに歩み寄る気持ちも大事だな”って思いました。


−「Spending all my time」を出すとき、心配していらっしゃったのを僕も覚えています。


か:レコード会社を移籍して海外進出をするってことに対してファンのみなさんが不安に思っているのを感じていましたからね。でも、今となっては、大事な曲になりました。


の:「この曲はライブで育てたいです」って言っていたんですけど、それは間違っていなかったなと思います。ライブでたくさん歌ったことで、“育ったな”っていう実感があります

「Spending all my time」の現状認識。勿論「英語の曲だから歌える」ことも非常に重要だけれど、ヴォーカルよりもダンストラックとしての存在として浮き上がるアルバムであるということは、それだけで言語を超える切っ掛けたり得る。



CMU: Complete Music Update | Q&A: Perfume

http://www.completemusicupdate.com/article/qa-perfume/


旧College Music Update、イギリス最大の音楽ニュース通信社、時事通信とか共同通信のようなニュース配信専門社のインタビュー。以下訳は自分でざっと付けたものなので、それ相応の精度です。

CMU: Since the beginning, they have worked with producer Yasutaka Nakata, one half of electro duo Capsule and the man behind the sound of many J-Pop acts, including the highly popular Kyary Pamyu Pamyu. But it's Perfume who are his defining project in many ways, and arguably it is them who receive his best songs, which helps to keep their success in ascension.


中田ヤスタカは「the highly popular」であるきゃりーぱみゅぱみゅを含む沢山のJ-POPアクトのサウンドを手掛けている。しかしPerfumeは彼の多数のプロジェクトのスタイルを定義づけ、ほぼ間違いなく彼の最良の楽曲提供を受け、それは彼女達の成功と上昇を支え続けている。

イギリスでもきゃりーぱみゅぱみゅは「非常にポピュラー」な存在になったか。

CMU: This seems like a particularly dancefloor-focussed record. How do you think ‘Level 3' compares to your previous albums, and what do you think your fans will think of it?


N: Yasutaka Nakata, our producer, writes all our songs and I think ‘dance album' was what he had in mind for where Perfume stands right now. This is the result of him thinking what kind of music makes Perfume cool in 2013.


AC: We see each album as being like a concept album. So Perfume right now is at a dance music stage [more than straight pop]. This doesn't mean we're going in this direction from here but this is just one of our aspects. Please don't see this like “so Perfume is going into dance music direction, so I don't have to follow them anymore…” If you don't like this type of music, just let it go and come back to us when we release our next album.


−「LEVEL3」は著しくダンスフロアにフォーカスしたアルバムだと感じた。以前のアルバムと比較してどう思うか?またファンはどう捉えると考えるか?


の:プロデューサー中田ヤスタカさんが全曲を書いていますが、「ダンスアルバム」は、2013年にあってどんな音楽がPerfumeをクールにするかを彼が考えた結果として、「今Perfumeがそこに立つ場所だ」という考えに至ったのだと思います。


あ:私達はそれぞれのアルバムをコンセプトアルバムのように捉えています。Perfumeは今(ストレートなポップスよりも)ダンスステージにいますが、これはこの方向性を続けることを意味せず、これは私達の一面に過ぎません。だから「ああPerfumeはダンスミュージック方面へ進んで行ってしまっているから、もうこれ以上聴く必要はない…」なんて受け取らないで下さい。もしあなたがこの手の音楽が好きでないとしたら、そのまま放っておいて、次のアルバムが出た時に私達の所に戻ってきてくださいね。

欧米に居ながら氾濫するEDMに絶望的なまでに馴染めずに、言葉も分からない極東の音楽をインターネット経由で見つけて楽しんでいてくれている数寄者な人達への、西脇さんらしい気遣い。

CMU: Given the way in which you hear your music, would you class yourselves fans of Perfume? What music do you tend to listen to in your daily lives?


N: Yes, we're our biggest fans! We are huge fans of Yasutaka Nakata songs, so we are proud to deliver them to our fans, and we proudly perform them at our shows. Though in my daily life, I listen to different kinds of music. Before I go to sleep, I have a playlist for that. If I want to get hyped up, I listen to dance music. I listen to whatever suits my feelings at the time. I listen to rock too.


K: I don't listen to much Japanese music to be honest. I listen more of international music. When I listen to Japanese music, I tend to pay too much attention to the lyrics, so to listen to music as background music, non-Japanese music is better for me.


−自分達の曲を聴いて、自分達自身をPerfumeファンと分類しますか?普段の生活で聴く傾向のある音楽は?


の:私達は私達自身の最大のファンですね!中田ヤスタカ楽曲の大ファンですし、それらの楽曲を私達のファンに届けられることが誇らしく、またライブでその楽曲でパフォーマンスを披露することも誇らしいです。でも日常生活となると、違う種類の音楽を聴きます。寝る前にはそれ用のプレイリストがあります。興奮したいときは、ダンスミュージックを聴きます。その時の気分に合わせた音楽を何でも聴きます。もちろんロックも。


か:正直に言うとあまり日本の音楽は聴きません。洋楽の方が多いです。邦楽を聴くと、歌詞に集中し過ぎる傾向があるので、BGMとして聴くときには、日本語でない音楽の方が私にとってはいいのです。

バンプオブチキンに嵌っていた当時から「歌詞重視派」だった樫野さんなので、普段聴きには歌詞が邪魔、というのは納得。


The Japan Times | Perfume dances to No. 1 with hard-edged new album 'Level3'

http://www.japantimes.co.jp/culture/2013/10/15/music/perfume-dances-to-no-1-with-hard-edged-new-album-level3/


お馴染み日本唯一の独立系英語新聞、英国フリーランスジャーナリストDaniel Robsonによる記事。

“We' ve started to perform at club events and to do performances that are more evolved, so the album is like a statement of intent from Nakata I think,” she says.


あ:クラブイベントからパフォーマンスを始めて、そこからパフォーマンスをより進化させてきました。だから「LEVEL3」は中田ヤスタカさんからの明確な意志の声明のようなものと考えています。

「statement of intent」

−The album reaches a thrilling midway climax with the seven-minute Ibiza-ready club meltdown “Party Maker,” further proof that Team Perfume credits its fans with far more musical maturity than the SMAPs and the AKB48s of this world. And all this without ever sacrificing a catchy chorus; almost every song is a brutal balance of rhythm and melody, including the dub tempo and muddy bass of A-chan' s favorite track, “Furikaeru to Iruyo,” and the tick-tock beat of Kashiyuka' s, “Clockwork.”


−アルバム中盤のスリリングなクライマックス、7分に渡るイビサ対応、クラブをメルトダウンさせる「Party Maker」は、Team PerfumePerfumeファンに向けて、現在のSMAPAKB48を超える音楽的円熟度/完成度を確信させる更なる証明だ。


そして全ての楽曲はキャッチーなコーラスを犠牲にすることなく、全曲がリズムとメロディーの冷徹なまでのバランスを持つ。あ〜ちゃんお気に入りのダブのテンポと泥臭いベースな「ふりかえるといるよ」、かしゆかお気に入りのチクタクビート「Clockwork」もだ。

仏「ELLE」誌に紹介された時もそうだったけれど、欧米人は「meltdown」とかその辺りの日本人にとってセンシティヴな言葉を割と「でかい爆発」位の「含みの無い」表現で使う。まあハリウッド映画を見ていれば核兵器は超強力な爆弾程度の認識なのでそういうものなのだろう。ダンスフロアをメルトダウンさせる位に凄い、という表現でここに比較対象として引き合いに出されているジャニーズとAKBグループは、単にイギリス人から見える日本のJ-POP業界のショービズ最大手ということなのだろう。

The live performance is the cornerstone of the Perfume experience. A stage brings out the best qualities A-chan, Nocchi and Kashiyuka possess: their easy rapport with their audience and their impossibly tight dancing. The millimeter-perfect choreography and futuristic lasers combine with speakerfuls of booming bass to make for a show that would turn Madonna green with envy. And all that in high heels. A-chan told me once that they keep buckets of ice at the side of the stage for their feet.


And in July, Perfume took its ice buckets to Europe for the first time, with shows in Cologne, London and Paris comprising the second leg of a rather leisurely “world tour” that began in November 2012 with a handful of shows around Asia.


“That experience was a stimulus for sure,” reflects Nocchi. “I' d always wanted to perform in Europe, but until I saw with my own eyes that there were Perfume fans in those countries who were waiting for us, it didn' t quite seem realistic.”


−ライブパフォーマンスこそがPerfume体験の肝要だ。ステージはあ〜ちゃん/のっち/かしゆかによる最高のクオリティーを発揮する、彼女達と観客の間の気さくで親密な関係と、彼女達の有り得ないほどにタイトなダンスによって。ミリ単位の完璧な振付と未来的なレーザーが、ショーのために用意された低音をブーミングするスピーカーと融合するとき、マドンナすらも嫉妬で青ざめるだろう。そして、それらは全てハイヒールを履いて行われている。かつてあ〜ちゃんは、彼女達の足の為に氷バケツをステージサイドに置いていると教えてくれた。


そして7月、Perfumeは初めてそのバケツを欧州に運んだ。ケルン、ロンドン、パリを含む、随分のんびりと待たされた二回目のワールドツアー、それは2012年11月にほんのちょっとのアジア回りから始まった。


「その経験はとても刺激的でした」とのっちは振り返る。「ずっと欧州でのライブを望んできたけれど、それらの国で私達を待っているPerfumeファンがいるなんて、自分の目で見るまでとても現実とは思えませんでした。

「氷バケツ」。


Perfumeファンの熱狂の前ではジャスティン・ビーバーへの熱狂など無に等しい」*1 とか、「マドンナすらも嫉妬で青ざめる」など、イギリス人は面白い表現をする。

As Japan no doubt prepares to show the very best of its talent to the world at the opening ceremony of the 2020 Tokyo Olympics (and hopefully not just a parade of uninspired idol pop), Perfume seems the obvious choice. So long as you forget about the seven-year gap between now and then, obviously.


“Lots of people are asking us about the Olympics, and I' m so thrilled, because it means that people regard what we do as a great example of Japanese entertainment to show the world,” says A-chan, seeming, as she usually does, genuinely humbled. “But it' s in seven years! I' ll be in my 30s. Will I still be able to dance by then?!?”


日本は間違いなく2020年の東京五輪の開会式に世界に向けて最高の才能を準備している。(創造性に欠けたアイドルポップによるただのパレードにならないことを願う。) Perfumeは間違いなく明瞭な選択だろう。当然、今から7年ものギャップを忘れるとしてだが。


「沢山の人がオリンピックについて私達に尋ねてきます、私もとても興奮します。それは皆さんが世界に見せるべき日本のエンターテインメントの素晴らしい一例だと私達を捉えてくれているという事だから。」。あ〜ちゃんは言う、いつも彼女がそうであるように、純粋に謙虚な姿勢で。「でも、7年後って!私達30代になってる。その時まだ踊れてるかなあ!?」

これはいい質問。西脇さんらしい真面目で可愛らしい回答。



Orient-Extrême : le magazine des cultures asiatiques - First French Magazine about Asian Cultures

http://www.orient-extreme.net/index.php?menu=musique&sub=artistes&article=4253


パリ発信のアジアエンタメニュース。フランス語は勘弁してください。誤訳は指摘してください。

A l'occasion de la sortie physique, le 2 octobre 2013 au Japon et le 21 octobre en version internationale de son nouvel album LEVEL3, le célèbre girlsband électro-pop japonais Perfume a répondu aux questions du label Polydor qui distribuera le disque en édition CD+DVD et à un prix très attractif en France (environ 15 euros). Dans cette interview, les filles reviennent également sur leur seconde tournée mondiale qui les a amenées à remplir le Bataclan cet été, le même week-end que JAPAN EXPO.


フランスではポリドールから物理CDがリリースされます。DVD付きで15ユーロと魅力的。JAPAN EXPOと同じ週末のセカンドワールドツアーBataclan公演から。

今回は欧州盤物理CDも出る。徳間ジャパン時代の音源もiTunesで買えるようになり、遥々極東から高い金を出して物理CDを輸入する必要も無くなったが、それでも現地盤には需要があるのか。

−Votre nouvel album LEVEL3 va être disponible dans de nombreux pays à travers le monde, en Asie mais aussi en Europe. Comment le vivez-vous ?


KASHIYUKA : Les CD physiques ont toujours eu une place importante dans notre projet. Nous sommes très heureuses que nos fans à l’étranger puissent aussi se procurer nos albums. J’ai hâte de voir à quoi va ressembler la version internationale avec ses titres écrits dans différentes langues, etc.


概訳:
か:物理CDのリリースはPerfumeプロジェクトに置いて重要な意味を持っています。海外ファンが私達のアルバムを手に取る事ができてとても嬉しいです。異なる言語で書かれたインターナショナル盤を待ちきれません。

「JPN」は台湾/香港/韓国/シンガポール/マレーシア/タイの6種が海外で物理リリースされたが、「LEVEL3」は欧州でも物理リリースが始まる。もう欧米では物理CDの需要などとっくに無くなってしまったものだと思っていたが、本人達の思いは違う。フランスはポリドール流通。ユニバーサルに買収されてからもPolydor K.K.からの流れでUniversal J関連のJ-POPは今でもPolydorから出ているようだ。

A-CHAN : A Paris, nous avons divisé le public en deux groupes et nous les avons nommés "cro" et "issant", comme nous le prononçons en japonais. Le public nous a corrigés. Nous avons appris comment bien prononcer en divisant "croissant" en "crois" et "sant". J'étais vraiment surprise : "Wow ! C’est là que vous mettez votre accentuation !?". C’était une très bonne leçon linguistique !


概訳
あ:パリ公演でグループ分けをするとき、日本人の発音のように「クロ」「ワッサン」で分けたら、「croissant」は「crois」と「sant」(「クロワ」「サン」)で分けるんだとお客さんから指摘されました。「ええ!そこ重要なところなの!」という驚き。いいフランス語レッスンでした。

これこれ。フランス人が自国語を何よりも大切にするというよく聞くあれ。とてもいいエピソード。

NOCCHi :J’étais très contente de chanter We Will Rock You avec eux, dans le pays d'où cette chanson est originaire. A Paris, nous avons chanté Aux Champs-Elysées. Quand nous chantions "Aux", les spectateurs chantaient en retour "Champs-Elysées". Cela m’a fait comprendre à quel point cette chanson est célèbre !


概訳
の:本国で本国の人達と「We Will Rock You」を歌って大満足です。パリでは「オー・シャンゼリゼ」を歌いました。私が「Aux」と歌ったら「Champs-Elysées」と返ってきて、如何に有名な曲なのかを実感しました。

「はみがきじょうずかな」/trf「survival dAnce」/B'z「ultra soul」は、ほんの一部だけ聴いても大抵の日本人ならその場で全員コールアンドレスポンスが成り立つからやる意味がある。そんな曲を知る訳がない海外公演でまでこの曲をやり続けていたのは無理強いし過ぎ。逆にイギリス第二国歌と「Aux Champs-Elysées」をやってみて、コールアンドレスポンスを成立させるものが何かを今後に生かしてほしい。「Aux Champs-Elysées」をパリで歌うなんて、なんて素敵なことかしら。



Global Idols News Network « Interview de Perfume

http://global.idolsnewsnetwork.com/fr/2013/10/31/interview-de-perfume/


フランスの日本アイドル情報サイト。ハロプロ/AKBグループ/その他の3ポータル構成で、「その他」だけでも東京女子流PASSPO☆からロコドルまで追っている。ネット様様。

Question (Ongaku doko) : Le succès de l’electro est assez récent au Japon. Il y a un vrai engouement avec des artistes comme Kyary Pamyu Pamyu par exemple. Comment l’expliquez-vous ?


A~chan : C’est une tendance qui existe depuis déjà assez longtemps au Japon avec YMO, Yellow Magic Orchestra. C’est quelque chose qui existe depuis des années, qui se renouvelle. Nous, par exemple, on a commencé avant Kyary Pamyu Pamyu, mais elle a commencé à avoir une notoriété internationale avant nous. Il y a aussi des gens qui sont moins connus au Japon mais qui ont du succès à l’étranger. Mais la musique techno-electro-pop existe déjà depuis de nombreuses années et se renouvelle avec de nouveaux artistes. [...] Effectivement, de notre génération, on est sans doute les pionnières de cette relève et on a vraiment beaucoup de soutien derrière nous pour faire une carrière à l’international.


Nocchi : Merci beaucoup (ndlr : en français).


雑訳
−エレクトロの成功は日本では非常に最近の事で、例えばきゃりーぱみゅぱみゅの様なアーティストは障壁があったりするのでしょうか、説明してください。


あ:日本ではYMOYellow Magic Orchestraからの十分に長い歴史があり、今は再び盛り上がりを見せてます。例えば、きゃりーぱみゅぱみゅは私達より前に国際的な名声を得るようになりました。日本国内で知られていなくても海外で成功している人達もいます。テクノ/エレクトロポップ音楽は昔から沢山ありますが、どんどん新しいアーティストによって更新されていきます。私達の世代にとって、YMOらのパイオニアの存在と海外での活動が、海外進出の際に非常に大きなサポートになっているのは間違いありません。


の:ありがとうございます。(フランス語で)

訳があやふやだけれど、海外でこの手の話が出た(事がメディアに乗った)のは意外にも初めてだろうか。

Question (C-K-J Popnews) : Vous avez une musique assez particulière et nous voudrions savoir quel type de musiques vous écoutez vous habituellement ?

A~Chan : C’est difficile à dire car nous écoutons de tout. Mais il est vrai qu’en tant que présentatrices de Music Japan, une émission de musique sur la NHK, nous sommes presque obligés d’écouter les nouveaux titres de J-Pop qui sortent. De son côté-là, nous sommes donc au top mais on écoute aussi de la musique internationale, que ce soit du rock, de la dance ou de la techno.


雑訳
−どんな音楽を聴きますか?


あ:何でも聴くのでこれというのは難しいです。NHKMUSIC JAPAN」のプレゼンターをやっているので、J-POPの新譜を聴きますし、そういった流行のものから、海外のロック、ダンス、テクノも聴きます。

そこ西脇さんが答えたか。



theguardian.com | Music | Perfume - ; 1mm: New music from Japan

http://www.theguardian.com/music/2013/oct/21/perfume-1mm-new-music-from-japan


最後に、インタビューではないけれど、イギリスの高級紙ガーディアンの文化面ワールドミュージック欄に「1mm」レビューが掲載されていたので。ガーディアンか。ガーディアンだよ。立ち位置としてはインテリリベラル紙。

Perfume producer Yasutaka Nakata is also responsible for Japanese pop acts including Kyary Pamyu Pamyu and his own group Capsule, and 1mm is a fine example of his sound; candy-pop melodies, distorted synths, and auto-tuned vocals have become ingrained into Perfume’s futuristic image.


1mm is one of the more chilled-out tracks on Level 3 – the album itself is an eclectic mix of singsong pop and aggressive electro. It’s certainly not your typical J-pop album, with some sections leaving you wondering how Nakata manages to get away with such madness. It’s precisely this eagerness to push boundaries that makes Perfume one of the most compelling groups in modern J-pop.


「1mm」は中田ヤスタカサウンドのいい見本だ:キャンディーポップなメロディー、ディストーションのかかったシンセ、そしてAutoTune加工されたヴォーカルは、Perfumeの持つ未来的イメージに深く徹底的に浸透する。


「1mm」は「LEVEL3」の中でもよりチルアウトなトラックで、アルバム自体は「抑揚のないフラットなポップソング」と「攻撃的なエレクトロ」が同居している。間違いなくあなたの知っている典型的「J-POP」とは違うし、幾つかの点においては、ヤスタカはこれほどの狂気をどうやってやり遂げる事ができたのかを怪しむことさえさせるだろう。この境界を乗り越えんとする熱意、まさにこれこそが、Perfumeを現代J-POPで最も説得力を持つグループたらしめているのだ。





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