観劇記録 「ニンジャ・アサシン」(Ninja Assassin)アメリカ 2009年公開
新宿東急ミラノにて鑑賞。製作にジョエル・シルバーとウォシャウスキー兄弟が名前を並べる、R-18指定のアクション映画。それを聞いただけでテンションの上がる人向けの映画かと思いきや、主演の忍者が日本人ではなくてなんと韓国人が「ワールドスター」と呼ぶピ(Rain)。ということで、劇場はボンクラアクションオタクではなく、韓流好きのおばちゃんばかりが席を埋めていた。
格闘はハリウッド流スピード感重視の近接撮影で、香港式のカメラワークが好きな人にはちょっと違和感があるが、全体を支配するダークな雰囲気、鍛え上げたピのかなりハードでスピード感溢れるアクション、そして想像するだけで興奮できるだろう「火器を大量に持つ警察の特殊部隊 VS 刀と手裏剣だけの忍者暗殺集団」の戦闘シーン。もうお腹一杯、大満足。アクション好きには傑作とお勧めできる逸品だった。
ジョエル・シルバーのホラー仕事なのでダーク・キャッスル社制作扱い、R-18指定だけあってガチで5分おきに血みどろの殺戮でちょっとゴアめ。まわりのおばちゃん大丈夫だったかな?
大満足で映画館を出たが、それにしても出てくる忍者集団が、主役どころか脇役までもことごとく見るからに韓国人だったのがちょっと悲しい。ウォシャウスキー兄弟の前作「スピード・レーサー」でも、日本のアニメ「マッハGoGoGo」が原作であるにもかかわらず、日本人役をピに取られ、おまけに設定を韓国人に変えられてしまった。また、去年公開の「G.I.ジョー」でも、日本人の忍者キャラ「ストームシャドー」を、イ・ビョンホンに取られ、これも設定を韓国人に変えられてしまった。今作「ニンジャ・アサシン」でも、ピは自分の役を「あくまで国際的孤児であって日本人でない」「韓国にも伝統武術として忍者が存在する」と宣伝する始末。さらには明らかにストーリーに関係ないところで「閔妃暗殺は忍者がやった」などという台詞が出てきたりと、なんとももやもやせざるを得ないところも。
海外の映画で、日本人役として中国人や韓国人が出てくるのはよくある事でどうでもいいのだが、日本のアイコンたる忍者やアニメまでをことごとくイケメン韓流スターに乗っ取られるのを指を咥えて見ているのはなんとも悔しいものだ。しかし今作のピは実にかっこよかった。惚れ惚れする鍛え上げた肉体。無表情ながらも雰囲気のある演技。彼の代わりにこのハードなアクションの役をこなせる英語ペラペラで超イケメンな日本人の若手俳優がいるのかというと、パッとは思いつかない。ショー・コスギばりに、世界に勝負できるジャパニーズアクションスターの登場を願ってやまない。日本が誇るイケメン集団ジャニーズでは、無理だよな・・・。