Aerodynamik - 航空力学

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観覧記録 Tomato n' Pine 解散/散開トークイベント@新宿ロフトプラスワン

http://t-paletterecords.tumblr.com/post/51059769666/tomato-n-pine-dvd



MUSIC MAGAZINE誌2012年「J-POP、歌謡曲」年間ベストという高い支持と評価を得ながら、第二期トマパイはそのアルバムを一枚だけ残して解散/散開した。*1



@mine_ik
みねわきいくお
告知遅くなってすいませんm(_ _)m
Tomato n’ Pine DVD購入者イベント詳細発表!http://t-paletterecords.tumblr.com/post/51059769666/tomato-n-pine-dvd
link
@janesu112
Jane Su
【再ポスト】タワレコ対象店トマパイDVD購入者イベント詳細発表! http://tmblr.co/ZSNOQxlZPa52  ガールズはお星さまになったので、タワレコ嶺脇社長と吉田豪さんと私が駆り出される羽目に!携帯に入ってるガールズの写真でも出そうかな… #tomapai link
@WORLDJAPAN
吉田光雄
ジェーン・スーさん以外のTomato n’ Pineゆかりゲストが誰かと思えば、嶺脇社長&ボク! RT @TPalette Tomato n' PineラストワンマンライブDVDをご購入頂いた方対象のスペシャトークショーの詳細発表! http://t-paletterecords.tumblr.com/post/51059769666/tomato-n-pine-dvd link



最初で最後のワンマンライブを収録したDVDのリリース記念、という建前の、トマパイ追憶イベント。本人出演無し。このイベントの空気を誰かが「法事」と称したのは秀逸だ。今更悲しんだり惜しんだりする訳でもなく、「サプライズで本人登場」など誰も期待せず、楽曲について熱く語りもせず、ただ寿司を食べながら静かに雑談し故人を偲ぶ思い出語り、本当にそんな空気で、本人達のいないこのような場ですら、トマパイらしい優しい厭世観めいたものに包まれていた。


以下、その場の空気や流れというものがあるので、記憶頼りのメモ程度の信頼性という前提で。ジェーン・スーさんの愛に満ちた口調はそういうキャラなので、各文末に(笑)が付いているものと思って下さい。


解散理由

ジェーン:もともとメンバーにやる気がなかった(笑)。なだめすかして続けていた。メンバーは良くも悪くも「普通の人」。人見知りに際限無し。やる気スイッチが無い。騙し騙し活動を続けさせてきた。


ジェーン:(Negiccoの環境と比較して)スタジオもレッスンもちゃんとしていて、「恵まれてるんだよ」と本人達には言ってきたが…。大抵こういう時には誰かが止めようとするものだが、最後に「もういいだろう」とすっきり終わった。Negiccoはメンバー同士で説得し合って続いてきた、その気力が羨ましい。




トマパイの持つ緩い気品は、常に全力以上で戦って下剋上していこうとするハングリーさとは対極にあって、agehaspringsの楽曲の質とソニーの資本的体力の庇護の中だからこそ生まれた特殊なものだったし、それは他所のグループを探しても早々見つけられるものでもないし、欲しくてもこのエレガントさは身につける事はできないだろう。トマパイがガツガツしていたらそれはもうトマパイではないのだし、ファンが愛したトマパイは本当に奇跡的な存在だったのだ。


ファーストシーズン、プロデュース

ジェーン:ミスマガジン2008のセミファイナリストの小池唯奏木純、同じ生年月日、クラスメイトで仲良し、名簿順で隣同士、この二人を使って何かやろう、という事になり、紙資料や時系列資料を作ったところ、「歌詞を書いて」という話になった。



奏木純 脱退

ジェーン:「学業に専念したい」といって辞めた。


吉田:本当の理由は?


ジェーン:若い世代特有の心の乱れ。突然伝えられ、唯と2人でキョトーンとした。


魅力

ジェーン:トマパイのどこが良かったんですか?


嶺脇:楽曲。本当に楽曲がいいので、この際写真はそのまま使いまわして新曲をリリースしてくれても構わない(笑)。


吉田:ファーストシーズンは良かったです。


ジェーン:誰もメンバーに思い入れが無い(笑)。



楽曲での人気を確認するため、会場に好きな曲で挙手させるも、観客も大して盛り上がらず。そう単純に切り分けて語れるものではなかったということで。


音楽的素養

ジェーン:メンバーは音楽的な事に全く興味が無かった。草野日菜子はメタルが好きだったが、それをトマパイにフィードバックするのは難しい。ラジオの生放送で日菜子が好きな曲をかけても二人はノーコメント、毎週放送事故。ただ、流行りの音楽は大好きで、楽屋ではいつも小池唯iPhoneからEXILEK-POPが流されていた。


「アイドル戦国時代」について

ジェーン:正直な話、ガールズ達には戦えない、闘志も無い。


吉田:戦国時代を駆け抜けて行った。


ジェーン:徒歩!通り過ぎただけ! 「戦わない」(「戦わないアイドル」、「なないろ☆ナミダ」のコピー文)じゃなくて戦えない、戦う意志もなかった。他のアイドルに対してライバル意識は全く無く、大らかに他のアイドルの曲を楽屋やカラオケで歌っていた。


和田えりかの成長

ジェーン:小池唯的な可愛らしいアイドル像から、自分のキャラ、求められるものを自覚していき、小池とはキャラが違うことに気付いた。


吉田:覚醒するのを待っていた?


ジェーン:順調に覚醒して、覚醒し過ぎた。


和田えりかの休養


ジェーン:あの時は本当に「体調上の問題」でした。


吉田:一度あれがあったから、解散を素直に受け入れられた。


小池唯の癖

ジェーン:小池唯には噛み癖があり、楽屋で和田えりかを噛んでいた。和田は肩に歯形が付いたままステージに上がる事もあった。


自覚

ジェーン:「PS2U」(20120213〜20121202、全10回)が始まって他のバンドと対バンするようになり、そこで初めて「やる曲は覚えなきゃ」レベルの自覚。


Negicco

ジェーン:Negiccoは憧れ、Negicco位のやる気があるんだったらなんでもやります。Negicco担当だったらなーと本当に本当に思いました(笑)。


結束力


ジェーン:東京でファンと関係者に甘やかされている環境にいたが、福岡では地元の人気アイドルの前で全く観客に求められず、存在感ゼロでいないものも同然の扱いを受けた。帰ってきてから、それまでこちらから訊かないと出てこなかったにも関わらず、初めてメンバーの側から「駄目だった」という報告があり、そこでグループの結束力が高まった。(ちなみにこの時点で解散の四ヶ月前。)


レア映像鑑賞

20100515 「Tomapai Live 201005」東京公演@青山月見ル君想フ

セカンドシーズン初ライブ。


ポテト少年団菊地:トマパイに加入したきっかけは?


和田:女優のオーディションを受けたつもりが…


20100516 「Tomapai Live 201005」大阪公演

ステージに登場、客席に背を向けポーズをとる。PAが「キャプテンは君だ」ではなく「PS2U」を鳴らしてしまうが、メンバーは一切リアクションを取る事ができず、固まったまま微動だにせず。そのまま改めて「キャプテンは君だ」が流れようやく動き出す。


20100723 「申し訳ないとフロム赤坂フェス」@代官山UNIT

渚にまつわるエトセトラ」で和田えりかが入りのタイミングを間違え、楽屋でガン泣き。もう繰り返さないと言ったが、数日後のTIF 2010でまた同じミスをする。


20111012「タワーレコード新宿店13th Birthday NO MUSIC, NO IDOL?」@新宿LOFT

ジェーン:ようやくライブの楽しさが分かって来た頃。ライブの客からの反応が楽しいということに気付いたが、最後まで小池唯は「暗い所でのライブがいい」と言っていた。


ももクロとトマパイ

ジェーン:早見あかりがいた頃のももクロのTIFステージ(TIF 2010メインステージ)、自分達の出番の前に、ロックライブの様に酸欠状態で倒れ込み、酸素マスクを着けて運ばれていくももクロメンバーをトマパイはただじっと見て立ち尽くしていた。


ジェーン:NTV「アイドルちん」イベント、持ち時間が減れば減るほど喜ぶトマパイメンバー。一ユニット2曲の時に、「PS2U」→「PS2U Kumanbachi Remix」→「PS2U」をやったら(定番のメドレー)、ももクロ某メンバーが「何であの人達は3曲やれるんですか!」と噛み付いた。この意気込みの差よ!(笑)。


海賊戦隊ゴーカイジャー

EX系列、20110213-20120219
アイム・ド・ファミーユ / ゴーカイピンク役:小池唯


ジェーン:24時間スケジュールを抑えられてしまうが鍛えられた。


吉田:前半と終盤では顔つきも違う。


ジェーン:ダンスレッスンの際に叱るとそこでレッスンが終わってしまっていたが、叱っても「私やります」と帰ってくるようになった。戦隊モノの体育会系に鍛えられた。


ジェーン:常日頃ダンスは苦手と言い続けて来たガールズだけれど、戦隊モノでダンスを踊るシーンがあって、その時は小池唯が他の役者よりも一番早く振付を覚えたようで、「ダンスをやってて良かった」と言ってきた時はトマパイやってて良かったと思いました。


セールス

吉田:セールスがあったら続けていたか?


ジェーン:Negiccoは辞めようとするとするとその都度誰かが止めたり賞を取ったり、這いつくばって行こうとする気力はあるが、トマパイの場合は本人達が…(笑)。


タワレコとトマパイ

ジェーン:新宿タワレコでは有り得ない程売って頂いた。数は言えないけれど。


嶺脇:新宿店ではAKBよりも枚数を売った。アイドルを一切聴かない新宿店副店長が、最初のタワレコインストアイベントでトマパイを聴いて、そこから新宿店のプッシュが始まった。


ジェーン:「普通の人はCDなんかもう買わなくなった」時代でも、店頭でのプッシュにはこれからも未来がある。


嶺脇:新宿タワレコのラストイベント*2 、開始時間にまで拘り沢山の寄せ書きを用意、タワレコ側はウェットな気持ちでイベントを迎えたが、トマパイは最後までドライで、寄せ書きもさらっと流された。


ジェーン:一応読んでます(笑)。


散開ライブDVD

嶺脇:散開ライブDVDのT-Palette Recordsからのリリースはタワレコ新宿店スタッフからの提案。二つ返事でOKを出した。Sony Recordsはそういう事に厳しかったが…


ジェーン:映像記録として出しておかないと、曲は残っても、本当にこの人たちがやっていたのかという証拠すらなくなってしまう…(笑)。


コンセプト

ジェーン:「子供におもちゃを与えて、大人が節穴から観察する」のがファーストシーズンのコンセプト。


ジェーン:「見たことないもの見せたいだけ」(「Train Scatting」)に尽きます。


新しい追悼

吉田:リリー・フランキーに「辞めたアイドルの映像を(音を消して)BGMにビートルズなどを流しながら観ると追悼映像みたいになる」と教わった。


ここで奏木純「マガジンメイト」から森の中を制服で走り回るスローモーション映像をスクリーンに映しながら、Rocketship「Hey, Hey Girl」の音を流す。


ジェーン:「ヴァージン・スーサイズ」じゃないですか。


Rocketship「Hey, Hey Girl」

Coconut Records - West Coast

The Thrills - Big Sur

ヴァージン・スーサイズ」予告編


ソフィア・コッポラの映像の世界、淡さ/郷愁/憂鬱/倦怠/儚さとお洒落、そのままトマパイに通じるキーワード。もっともトマパイの憂鬱や倦怠は、人見知りに起因するものだけれど。


3rdシーズン

ジェーン:発注があればやります。次は20人位にして、誰が辞めても大丈夫なシステムで(笑)。曲は一杯あるから。AKBは優秀なシステムです(笑)。


ジェーン:未発表曲は唸るほどある。ここぞという時の為の隠し球に取っておいた良い曲も二、三曲ある。ただし歌入れしていないので音源はリリースできない。サビだけ録ったものが数曲。


嶺脇:通しで録ってあればうちでリリースしたかった。他のアイドルに歌ってもらってカバーアルバムとして出しましょうよ。


CM

唯一のCM仕事、静岡のフリーマガジン「womo」と静岡第一テレビの合資クーポンサイト「ハピナビ」の静岡限定CMとメイキング鑑賞。小池唯が「静岡の皆さん」を「静岡テレビの皆さん」と言い間違える所から始まる。


監督:「テイク48行きます」「…いいでしょう」


嶺脇:凄いですね。


吉田:これだけの台詞で。


ジェーン:たったあれだけなのに48テイク。


風間亜季

吉田:メンバーとの連絡は?


ジェーン:無い。草野日菜子から一度電話があったが、散開から一か月くらいの感覚だけれどもう六月になってしまったと焦っていた。


吉田:和田ちゃんは?


ジェーン:活躍してるんじゃないですか。頑張ってください(含み笑い)。


最後に

ジェーン:トマパイの7割はファンの皆さんの力だけで成り立っていた。解散しても音と映像は残ります。余裕があればソロの活動も応援してあげてください。


@janesu112
Jane Su
トマパイイベント無事終了。ファンの皆さんに恵まれていたと改めて認識させられるあたたかいイベントでした。ありがとうございました! #tomapai link








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