観覧記録 Tomato n' Pine/ライムベリー/Negicco「POP SONG 2 U」最終回@西麻布eleven
- 20121202 T&P Tokyo Presents 「POP SONG 2 U」@西麻布eleven
- Live
- RHYMEBERRY
- ZEN-LA-ROCK × JOY 'N HAMMER
- Negicco
- Tomato n' Pine
- DJ
- DJ ねむきゅん(夢眠ねむ)
- Floor on the Intelligence
- TEL-YEE
- Live
いつもTomato n' Pineを応援して頂きありがとうございます。
オフィシャルホームページからのお知らせです。
2012年12月29日をもって、2010年5月からスタートしたTomato n' Pineシーズン2を終了とし、それをもってTomato n' Pineは散開致します。メンバーはそれぞれ、2013年から新たなステージに向かって進んで行きます。2009年4月からのシーズン1から始まって約3年半の活動を見守ってきてくださったファンの皆さま、本当にありがとうございました。
また散開に伴い、西麻布elevenでのイベントPS2Uは12月2日が最終回となります。今までたくさんの御来場ありがとうございました。
第二期トマパイが解散する。トマパイのコンセプト設計は、最初から明確にターゲットを絞っていた。「クラスで2〜3番目に可愛い子」「アイドル戦国時代」「今会えるアイドル」等のここ数年のアイドルブームにおけるメジャーバズワードに対して、「これが”カワイイ”の新・絶対値」「戦わないガールズ・ユニット」「会えない時も、そばにいる。」という其々に対応させた挑発的なコピーを使いつつ、加熱するアイドルブームに距離を置き、「お腹いっぱいご飯を食べたあとに寄る、いい感じのカフェ」という、駅前から一本通りを離れたところでゆったりと上質な空間を提供することを謳っていた。このコンセプト設計は、本職がプランナーであるジェーン・スーによるものだろう。このコンセプト設計の元に制作された楽曲群は、それこそAKBグループの様な大衆向けのキャッチーなアッパーポップソングであることを徹底的に避け、かつて90年代の渋谷系がやり尽くした手法、音楽ジャンキーの中だけで共有される「センスの良い元ネタ」の引用と継ぎ接ぎの上に再構築された「センスの良いポップソング」を、アイドルポップスというフィールドで甦らせてみせた。それも想像以上の高品質で。
月例定期ライブ「PS2U」も、所謂ライブハウスではなく、西麻布elevenという、かつての「yellow」時代から続く、NYやシカゴのハウスからベルリンのテクノといったジャンルのパーティーと、ライブハウスとは全く異質のダンスミュージックに特化した音響を提供するクラブを使って行われてきた。パーティー系ヒップホップや渋谷系文脈ユニット、あるいは「楽曲派」気取りから注目を集めているアイドル達を毎回複数ゲストに呼び、転換にはDJを挟み、他のアイドル達の「定期公演」とは異なる空間を作り出していた。そこに行けば、センスのいい音楽や、新しい音達、そしてトマパイの上質な楽曲群を、ライブハウスでは実現できない箱鳴りで楽しみ、踊ることができたし、クラブであるが故の「場」を楽しむスペースと雰囲気に満ちたそこでは、ラウンジでアルコールを傾けながら幾人ものアイドルファンと話し尽すこともできた。「PS2U」は、「定期公演」ではなく、居心地の良いサロンだった。
もう一度帯のコピーの話に戻る。第二期トマパイの最初で最後となったそのアルバムのコピーは、「最後の楽園へようこそ!」だった。「全力」というキーワードの元に加速を続けるアイドル界とは離れたところで、素敵な音楽と、奇跡的なほどにゆったりと浮世離れしたトマパイの三人と過ごすクラブライフを楽しむ月一の日曜は、まさに「楽園」だった。アルバムの冒頭は、「3番線 楽園行き列車参ります」というアナウンスで始まっていた。
そして、恐らくファンの誰もが想像しえなかった、突然のトマパイ解散の報。「楽園行き列車」に乗っていたはずなのに。当然のように、旧約聖書創世記「失楽園」を連想する。何故我々はエデンの園を追放されなければならなかったのか。幾つもの名曲という知恵の樹の実を貪り過ぎて原罪に溺れたのか。何時迄もグループを観続けられるという生命の樹の実はそこには無かったというのか。そんな無意味な考えが頭を巡る。無意味だ。
「POP SONG 2 U」
- 20120213 tengal6(lyrical school)/PARANOID RHYTHM SECTION/Tomato n' Pine
- 20120319 バニラビーンズ/Good Coming/Tomato n' Pine/元気ロケッツ (DJ Live Set)
- 20120430 Aira Mitsuki/Negicco/joy/ZEN-LA-ROCK/Tomato n' Pine
- 20120520 土岐麻子/ポチョムキン(from 餓鬼レンジャー)/predia/Dancing Dolls/Tomato n' Pine
- 20120624 fumika/Allies/BiS/サイプレス上野とロベルト吉野/Tomato n' Pine
- 20120729 ライムベリー/住所不定無職/Tomato n' Pine
- 20120902 吉川友/@djtomoko n Ucca-Laugh/Dancing Dolls/Tomato n' Pine
- 20121008 SAWA/Small Circle of Friends/かせきさいだぁ&ハグトーンズ(acoustic set)/Tomato n' Pine
- 20121104 いずこねこ/AMOYAMO/Especia/Fumika/Tomato n' Pine
- 20121202 ZEN-LA-ROCK × JOY 'N HAMMER/Negicco/ライムベリー/Tomato n' Pine
最後の「PS2U」は、これまでのゲストの中でも特に盛り上がったアクトを再び集めたベストな面子で。解散の知らせを聞きつけてか、これまでにない客数が集まり、elevenに入れず外に並ばされるという事態になったが、様子を見て少しづつ客入れが行われた。「本当にトマパイを観たい彼女達のファンの為に」と出番が終わって早々に外に出たライムベリーファン達がいたことは記しておくべきだろう。
RHYMEBERRY
マイク三番MC YUKAはテスト勉強のためお休み。ファンにとって特別な曲「Ich liebe dich」が始まった時に、常箱の四ツ谷LIMで行われているように、最前の常連ファンが座って視界を開き、それに他の客たちが自然に続いてフロア全体が座ってその曲を聴いた。「バラードじゃないし踊っていい」と後でメンバーからフォローがあったが、踊る踊らないは別にして、ホームの小さな四ツ谷LIMの空気がelevenに集まったポップソングファンの全員に一瞬共有されたあの不思議な光景は記憶に残しておきたい。
- RHYMEBERRY IZ NO.1
- HEY!BROTHER
- Ich liebe dich (2MC Ver.)
- まず太鼓
- Magic Party
ライムベリー「Ich liebe dich(2MC MIX)」「まず太鼓」2012/12/02
DJ ねむきゅん(夢眠ねむ)
グレーのトマパイTシャツを着て、ガツガツしたキックの効いたアイドルポップのブートリミックスを中心に、いい意味で下世話感のあるプレイ。小田和正「ラブストーリーは突然に(Loconyan Edit)」をかけて、最後に「PS2U」を惜しんで号泣しだした。自分もこの瞬間に感傷のスイッチが入ってもうこの先はあまり音が耳に入ってこなかった。
ZEN-LA-ROCK × JOY 'N HAMMER
「NEW JACK UR BODY」「GET IT ON !!!!!」などのシンプルで太いパーティトラック。こういうサウンドも飲み込む「PS2U」の懐の深さ。
ZEN-LA-ROCK「SUMMER VACATION」
Negicco
トマパイ「ワナダンス!」をサンプリングしたトラックから始まり、フロア仕様に曲間エディット。ネギオタの「全出演者を盛り上げ楽しむ」パーティーマインドというかアッパーなモチベーションが好きだ。今回も知らない奴らとラインダンスをする。
Negicco「あなたとPop With You!」「圧倒的なスタイル」2012/12/02
Tomato n' Pine
正直なところ感傷的になり過ぎて殆ど記憶に無い。別れと旅立ちを描いた「旅立ちトランスファー」で泣き出し始めて、そのままずっと泣き出しながら踊って、全てが終わった後に、しばらくラウンジで呆然としていた。
こっちが感傷的にぼろぼろ泣いているというのに、トマパイの三人はずっといつものままで、和田えりかは暑いからと揃いのジャケットを脱ぎだしたり、小池唯は「こういうのがトマパイだしね」と笑ったり。泣きながら笑った。
- 旅立ちトランスファー
- 夢ノカケラ…
- MC
- Train Scatting
- FAB(Free As a Bird)
- 大事なラブレター
- そして寝る間もなくソリチュード(SNS)
- MC
- 雪がふるから…
- ジングルガール上位時代
- MC
- ワナダンス!
- キャプテンは君だ!
- EN
- なないろ☆ナミダ
- POP SONG 2 U/kumanbachi mix/POP SONG 2 U
Tomato n' Pine「ワナダンス!」「キャプテンは君だ!」2012/12/02
ありがとう、素敵なパーティでした。