http://cupitron.com/news/news/1304/
http://www.barks.jp/news/?id=1000105116
http://www.entamenext.com/news/detail/id=720
http://deview.co.jp/News?am_article_id=2039237
http://nikkan-spa.jp/650139
- 20140628 CupitronデビューLive「First Contact」@渋谷REX
TIF皆勤のテクプリは、2013年のTIFステージをもって解散した。そのテクプリの初ライブは、ほぼPerfume「?(トライアングル)」のリリースタイミングと同時期で、つまり2009年の夏だった。「アイドル戦国時代」という言葉に福田花音が言及したのは更に一年後の夏、2010/08/31「アイドルユニットサマーフェスティバル2010」で、TIFが始まったのも2010年の夏。2009年の夏はインディーズアイドルブームが一気に拡大し、AKB48がDefSTARからキングレコードに移籍して馬鹿みたいな枚数を売り上げ始め、ももクロがヤマダ電機をワゴン車で周りながらデビューシングルをリリースした年だった。
テクノポップサウンドを鳴らすアイドルユニットも沢山現れ、そして他のシーンと同様に、活動停止するものもいれば、新たにデビューするユニットもいる。「何故Perfumeだけが売れて他が売れなかったのか」などというご高説は不要だ。「CupitronはPerfumeのパクリだ劣化コピーだ」など騒ぎ立てるのも結構、最初に公開されたSF度高めのヴィジュアルコンセプトを見れば、誰もがそう思うだろう、しかしここに書くことも悍ましい呪詛レベルの暴言をわざわざ「#prfm」タグを付けてまで吠えまくり、それがナタリー記事の言及としてリストアップされるのを見ていると流石に心が折れる。あれ程輝いて見えたインターネットにおける「集合知」という言葉が、つまらない炎上を頻繁に繰り返すだけの有象無象による発火スイッチになってしまった、そういう寂しさ。
テクプリ/Cupitronのプロデューサでもあるトベタ・バジュンの肩を持とうという気も無いが、「RADIO SAKAMOTO」のオーディション/デモテープ特集の3回目に選出され*1 2003年には番組のコンピ「DOCUMENTO」に曲が収録され、その縁かソロアルバムでは坂本龍一/高橋幸宏/大貫妙子/甲田益也子/高野寛や、Perfumeへの楽曲提供ですっかりPerfumeファンにもお馴染みになったevalaやAOKI takamasa、AmetsubといったATAK周辺人物がゲスト参加したり、坂本美雨に曲を提供したりと、まあそういう人なので、ヴィジュアルコンセプトは兎も角として、この人がテクノポップアイドルに拘り続けるのは一貫して筋の通った話ではある。「Cupitron」も「Cupid」と「Tron」の造語で、「Tron」は「コンピュータ・アーキテクチャ」と公式が言っているので、TRONプロジェクトを持ち出すあたり、週刊アスキー読者の中田ヤスタカと同じようにギーク同士のよしみ的なものはある。
Thatness And Thereness(トベタ・バジュン Feat 高橋幸宏)
https://soundcloud.com/bajune_tobeta/thatness-and-thereness-feat
Asian Flower / トベタ・バジュン feat 坂本龍一
今となってはテクノポップアイドルシーンにはPerfumeしか存在を許さないという人達も多いのだろう、Perfumeは圧倒的なクリエイティブさと紅白6回出場の大衆性を兼ね備えた偉大なプロジェクトなのだから、PerfumeファンやPerfumeクラスタの人達も度量の狭い事を言っていないで、むしろ上から目線でエレクロトニックダンスポップアイドルシーンの拡大を喜べばいいのに、位のつもりではいる。METALLICAがいるからSLAYER/ANTHRAX/MEGADETHは要らないとか、KingCrimsonがいるからPinkFloyd/Yes/EL&Pは要らないなどというのはあまりに一神教過ぎる。そもそもCupitronをPerfumeと比較するなら広島時代のPerfumeが丁度良い位だ。それに「3人組テクノポップユニット」なら、Perfumeと同じユニバーサルから半年前にKus Kusがデビューしたばかりだけれど、一神教の人達はもうちょっとそちらも観てあげればいい。「Cling Cling」の特典映像を観て「西脇姉妹愛」に感動した人達は、是非ちゃあぽんとcali≠gari石井のユニット「Ordinary Venus」のCDを手に取ってみてください。
Kus Kus - ステキな宝物
Ordinary Venus/I Don't Know!【Live】
そんな事を言っていたら、上手い事まとめたツイートが。
@luckypara パラ |
キュピトロンは認めない →パクリはダメだろ(常識派) |
link | |
@luckypara パラ |
キュピトロン見守ろうよ →テクノポップ文化として広い心で受け入れよう(意識高い派) |
link | |
@luckypara パラ |
キュピトロンはおいといてだな… →テクプリは良かった(懐古廚) |
link |
Cupitronはつりビットと同じ日音配下のKisspoint Records所属*2、事務所は芸映で、きゃりーぱみゅぱみゅも提携所属。今まで紅白の様な特番以外では無かったPerfumeときゃりーぱみゅぱみゅの共演が増えてきたので、人脈的にはそう遠くない。
出遅れて開演ぎりぎりに会場に着くと、階段の上までまだ入場できないでいる当日券組が並んでいる。その横をすり抜けて地下に降りると、もう人が一杯でフロアの中に入れない。見た感じ関係者/メディアを後方に随分入れたので前方スペースがかなりきつい状態だったようだ。こういうヴィジュアルコンセプトを立てた以上、かつてのデートピアと同様にスタートダッシュの話題性重視でメディアの上で取り上げてもらってなんぼかもしれない。
「星に願いを」のオーケストラアレンジが流れた後に、トレイラーで流れていた「Overture」とともに3人がステージに登場、ダンススタート。上物コード感がデトロイトというかIan o'Brienそのもの。唯一の配信曲「サマーカイジュウ」の後、「カラフルポップ フロム テクノワールド、Cupitronです」の自己紹介。「サマーカイジュウ」は「夏の男の子の身勝手な恋を怪獣に例えて、女の子が恥ずかしがって抵抗している曲」との説明に客がざわざわする。石野真子「狼なんか怖くない」というか阿久悠だ。そしてもう「次で最後の曲なんですけれど」という早すぎる展開、「First Contact」はテクプリ「渋谷Twinkle Planet」のような倍速渋谷系ボッサで突っ走りつつ、チップな音やケチャポイントと思われるビートダウンにブレイクと仕掛け多め。あっという間に持ち曲2曲を使い果たし、「サマーカイジュウ」をもう一度披露して終演。客電が点いて「この後予約会が…」とアナウンスがあるも、いやいや流石にインストアイベントじゃあるまいし、という事で起こったアンコールの拍手、それに応えて再びステージへ戻ってくる三人、想定外だったようで山川二千翔は既に泣いている。最後にもう一度「First Contact」。終始がっちがちに緊張している三人、石川「Jumpin'」のセンターだった浜田彩加がかろうじてという感じで話すMCも用意してきた説明と自己紹介が精一杯、舞台袖に捌けた時もずっとマイクの音が完全に落とされず、緊張しながら袖でこそこそしている音が場内に流れていたり、初々しさが全てを埋めるステージ。でも彼女達はパフォーマンス中もひたすらに笑顔を絶やさなかった。ここで何かを判断するとかそういうものでもない。ただ5年前にテクプリのデビューライブを観て、またこのユニットの「First Contact」に立ち会って、EDMともまた違う、SF感を伴った「クラシックなテクノポップ」がもはや絶対的に少数派である今、その音が鳴らされ続けることを静かに祈るような、妙に敬虔な気持ちになった。
【公式】Cupitron Trailer
アイドル横丁夏まつり!!2014 Cupitron(キュピトロン)
1982 - Tron - Trailer
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