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Aerodynamik - 航空力学

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Perfumeの面白さは「没個性とキャラ人気の共存」@NHK-FM「エレクトロニカの世界 〜渋谷慶一郎の電子音楽マトリックス〜」100812

Perfume

http://cgi4.nhk.or.jp/feature/index.cgi?p=PAJUsBdH&c=7
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2010-08-19&ch=07&eid=86727


渋谷慶一郎司会、ゲストに高嶋政宏佐々木敦

渋谷:最近のものだと何か?


高嶋:最近はね僕やっぱりここ数年ではやっぱりPerfumeでしょうね。


渋谷:Perfume、そうですね。


高嶋:「ポリリズム」。もうポリリズムって言ったらAdrian BelewとRobert Frippの、(King)Crimsonの、「Frame By Frame」、あの辺だけかと思ったら、いきなり女の子が「ポリリズム」って曲出したって事に衝撃を受けましたけどね。


渋谷:ポリリズムじゃないんですけどね、曲は。それも衝撃なんですけどね(笑)。


高嶋:何でポリリズムなんだって。


渋谷:でもあれも結構、映像とのアディクトっていう事もかなり強いじゃないですか。


高嶋:そうですね、あのね、三人がね同じ振りをすると、ほんとに何かこういいっていう。気持ちいいんですよね。あれもう理屈抜きに。


渋谷:だからその、おそらくテクノロジーを使ったアートとか音楽っていうのは、そういうアミューズメント性というか、そういうものと、先端的な表現が、変な形で共存してるって方向になっていくんじゃないかなと思うんですよ。


佐々木:僕が凄く面白いと思ったのは、むしろそのPerfumeはね、声を物凄く、エフェクトをかけて、誰が誰の声か分からなくしちゃってるわけじゃないですか。つまりいわゆる80年代にYMOとかがやってたそのヴォコーダーで声を変えるみたいなのの現代版ですよねあれはね。そういう形のある種の「没個性的」なね。あの、テクノっていうのはそういうものだったじゃないですか。どんどん匿名的になっていくみたいな。そういうような音作りの方向性と、でも、実際のPerfumeの人気ってのは、三人のメンバーがそれぞれキャラもルックスも違ってていう、「キャラ人気」ですよね。キャラクターに付く人気みたいなものと、そういう没個性的なベクトルっていうのが、一つのアーティストの中に共存しているのが面白いなっていう。


高嶋:なんかDavid Motionとかもね、当時やってましたもんね。色んなヴォーカルとにかく処理して。


佐々木:ヴォーカルの処理ってこと自体は、むしろその、そんなに新しいことではなくて、Perfumeのその中田ヤスタカ氏の、声の変調というのも、使ってるテクノロジーはどんどん進化していると思うんですけども、結果として出てくる音自体がそれ以前に無かったかというと、そういう訳でもないと思うんですよね。にもかかわらずそれが逆に新鮮に聴こえるって時代が訪れたって事だと思うんですね。

自身のシングルのカップリングにKing Crimsonのカバーを収録するほどのプログレオタとして知られる高嶋兄の視点が面白い。佐々木敦に「ヴォーカル処理はそんなの新しいことじゃない」とスルーされているが、わざわざDavid Motionの名前を出したのは、Strawberry Switchbladeなどのアイドルポップ仕事を踏まえた発言なのだろう。


渋谷慶一郎が「ポリリズムじゃない」と笑っているのは、ポリループ以外の部分を言っているのだろうか。


ヴォコーダーで没個性」というのは、いまだに盛んに語られるキーワードだが、相変わらず自分の中でしっくり来ない。没個性と言いたがる人は、80年代の先入観を引きずっているのだろうか。AutoTuneを没個性と呼ぶのなら、「没個性とキャラ人気の共存」なんて、例で上げているYMOでも同じではないか。


ヴォコーダーが新鮮に聴こえる時代が訪れた、というのは、2000年前後のクラブカルチャー周辺でのAutoTuneの普及からスムースに移行した世代と、1980年前後のYMOKraftwerkで耳が止まっている人とを混同をしていると思われる。まあ実際にPerfumeのファンには、YMOで洗礼を受けた世代がかなりの割合を占めてはいるのだが。




The Essential King Crimson - Frame By Frame

The Essential King Crimson - Frame By Frame

ポリリズム

ポリリズム